蒼い森の備忘録

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カテゴリ: 本・まんが
十年間堪え忍んだ夫との生活を捨て家政婦になった主婦。囚われた思いから抜け出して初めて見えた風景とは。表題作ほか、劇作家にファンレターを送り続ける生物教師の“恋”を描いた「虫卵の配列」、荒廃した庭に異常に魅かれる男を主人公にした「月下の楽園」など全六篇。魂の渇きと孤独を鋭く抉り出した短篇集。



短編集なので気軽に読めました。と言っても内容はそうは軽くはないんですが…。
身勝手で自分の世界しか見ていないような人間の話を集めたような、曇天のように重怠い作品集です。


「虫卵の配列」

元生物教師の”恋”の実態は予測がつくんですけど、ここまで思い込めるものかと哀れにも恐ろしくも思います。


「羊歯の庭」

男の優柔不断。どうしようもないですね。


「ジェイソン」

ユーモラスともいえる作品なんですが…。
…読んでて苦しかったです。お酒はほどほどに。


「月下の楽園」

この中では唯一推理とかミステリーに近い感じ。登場人物は変な人ばっかりで全然感情移入はできませんが。
自分の趣味とか思い入れに価値観の全てを置いている人たちの話。


「ネオン」


ラストはちょっと予測できませんでした。いきなりブツッと話を切られた感じ。
短編らしい切れ味と妙なおかし味があって、内容としても一番好きな作品です。


「錆びる心」

結婚生活の不満を言い訳に浮気してばれた主婦が、夫への復讐心を持ち続け計画通り十年後家出する。
「自分が必要とされている実感を得たい」と住み込み家政婦をする。
その家の人たちとのかかわりを通して、実は自分は「夫に認めてもらいたい」と思っていたのではないか、そして夫も同じように思っていたのではないかと言うことに気付く主婦の話。
身勝手で孤独で寂しい魂の話。




『錆びる心』桐野夏生
発行:1997年
発行所:文藝春秋
価格:\1,399(税込)

文庫本 

錆びる心  文春文庫(税込\470)





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Last updated  2008.04.05 17:34:29
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