第28話・ラビット、戦う


 すすきのへ遊びに行ったラビと海ちゃん。
 ラーメン屋で久々に語りながらも、終電が近くなったために帰途へ。
 そして海ちゃんの家に行く事になったのだが…

第28話 ラビット、戦う

 すでに海ちゃんの家に着いたのは深夜1時近くだった。
「ふぅ疲れたなぁ海ちゃん」
「ああ、なかなか疲れたなぁ。麦茶でも飲むか」
「おう、頼む」
 そう言って海ちゃんは麦茶を出した。
 実はこの麦茶の賞味期限は2003年2月で半年程賞味期限が過ぎていた。
 そんな事を言うまでもなく、海ちゃんはラビに麦茶を差し出した。
「冷たくてうめぇな。」
「そうだろ?なんならビールも飲むか?」
「いや、酒はいいよ。それよりも海ちゃん。ゲームやろうぜ」
「おう、そうだったな。真・三国無双3でいいんだな?」
「無論」
 そういって、ラビは自前のバックからコントローラーを取り出した。
「準備万端だぜ、ラビよ」
「おう、いざ出陣だ、海ちゃん!」
 二人はコントローラーを強く握り締め、臨戦態勢に入った。
 この時海ちゃんのデータを見たラビが、なぜか魏の武将達だけMAXに成長させてあるのに驚いていた。
「なぁ海ちゃん。なんで魏だけこんなに強くなってんの?」
「はは、それだけやり込んだという事だよ。ではまじ手始めにフリーモードでキャラを少し強くさせようか」
「おう」
---数時間後----
「大分強くなってきたな。次は無双モードで出してない物語があるから、それを出すぜ!」
「おう!」
---数時間後---
「よし、全部出せたな。よしラビ、次は隠しキャラを出すぜ!」
「おう!!」
---数時間後---
「なんとか全部出せたな…今度はまだ出してないステージを全部出すぜ!」
「おう!!!」
 なんやかんやで周りが明るくなってきた事に気付いた二人。
「ラビよ、日本の夜明けだ…」
「そうだな、俺達の戦を祝福しているようだな」
「ラビ!あと少しで全部出せる!もう少し頑張るぜ」
「おう!!!」
 と言ってはみたものの、海ちゃんはすでに限界にきていた。
 こっくりこっくり首を動かしては、ラビに「起きろ!」といわれる始末。
 時刻はすでに朝方6時。
 ラビは見た感じ大丈夫そうだったが、海ちゃんはどうしてもダメだった。
 無心でボタンを押し、気がつくと「敵将、討ち取ったりぃ!」というセリフが聞こえてくる。
(まずい…このままだといつかやられる…)
 と内心思いながらも、勝ち続けていった。
 まさに無の境地。
 ふと気がついたらすでに朝の9時近くになっていた。
 この数時間の間はよく覚えていないのだが、間違いなくゲームは進められていた。
 となりのラビを見ると、奴までグロッキー状態ながらも、コントローラーを押し続けていた。
 そして全部のステージを出し、任務が完了したした時、
「おやっさん、燃え尽きちまったよ…」
「海ちゃん、俺もさ…」
 そういって二人は倒れ込んだ。

[次回予告]
 そのまま倒れ込んだ二人。
 しばらくしてラビは帰ることになった。
 しかしその帰る手段が…

次回 第29話「ラビット、出迎えご苦労」にご期待下さい

※この物語は事実を元に構成された真実です

原作 海ちゃん
制作協力 みっつ


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