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先日、原書房様から頂いた水生大海さんのデビュー作「少女たちの羅針盤」を読み終わりました。この作品は、あの島田荘司先生が選者を務める第一回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の優秀賞受賞作。大賞受賞作の松本寛大さんの「玻璃の家」も先日読みましたが、こちらはアメリカを舞台にし、島田先生の提唱する「21世紀本格」を実践した作品で、この賞から飛び出したのも納得の力作でした。対照的に「少女たちの羅針盤」は女子高生4人組が結成した演劇ユニット「羅針盤」を軸とした青春ミステリ。謎の脅迫者に怯える女優を視点とした現代パートと「羅針盤」結成からメンバーが突然の死を迎え活動を休止するまでを描いた4年前の過去パートが交互に描かれる構成。現代パートは、撮影の合間に脅迫を繰り返される事で精神的に追い詰められて行く様子がサスペンス溢れる描写で描かれており、一体誰が脅しているのか、そもそも誰が脅されているのか、と興味は尽きません。それを支えるのが過去パート。メンバーの視点で描かれて行く「羅針盤」の活動は思わず応援したくなる紆余曲折振り。ストリートライヴやコンクールと新たなチャレンジをする度に新たな問題にぶつかり、それを乗り越えようともがく4人。青春ミステリ好きなんで、こういうの大好き。それでいながらも、話が進むに従い徐々に火種になるのではと思わせる描写が増えて行き、遂には・・・。眉に唾をつけなければ、まんまと騙される見事な伏線の数々が回収されるラストは本当に新人離れしています。若干、綺麗な結末になり過ぎた感もありますが、大賞受賞作を含めて今年読んだ新人作家さんの作品では1番のお気に入りです。このクオリティの作品を今後も安定したペースで供給して欲しいです。個人的には、青春ミステリの新たな名手としてシリーズ作品を読んでみたいです。最後になりましたが、一言お礼を。ミステリ読みにとって、こんなに楽しくありがたい試みに混ぜて頂いた原書房編集部の皆様、本当にありがとうございました。
2009年07月14日
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とても面白そうな企画があったので紹介します。来月、原書房から刊行される「少女たちの羅針盤」をミステリサイトで感想を定期的に書いている人にプレゼントしてくれるそうです(http://d.hatena.ne.jp/rikiyaishige/20090629)勿論、読んだ感想を書くのが条件。作者は新人さんですが、第一回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の優秀賞を受賞した実力者なので期待度は高いです。 僕もダメ元で応募してみたので、興味のある方は応募してみてはいかがでしょうか。
2009年06月30日
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昨日は丸善丸の内本店での「第9回本格ミステリ大賞受賞記念トークショー」というイベントに出席して来ましたー。詳しいトーク内容は、きっちりトークを書き留めていた方が何名かいたので、そちらに譲りまする。典型的なO型ズボラ人間の私にトークショーの再現なんて繊細な作業は無理じゃ。なので、参加していた先生達の印象を。・北村薫先生毎度お馴染みの司会進行役で開始前の場繋ぎを含め、最も露出が多いのがこの人。温厚な人柄が滲む語りと天然?なユーモアセンスで会場の爆笑を誘っておりました(笑)今年で本格ミステリ作家クラブの会長を退任するみたいですが、来年以降も司会はやるとのこと。これは朗報(気になったのでサイン貰った時に聞いた) ・有栖川有栖先生場馴れしていて安定して面白いのですが、今回は(私が勝手に)相方だと思っている綾辻先生がいないからか大人しめな印象。去年が受賞者として主役ポジションで大忙しだったから今回は伸び伸びな感じ。評論に対する考え方の一端を聞けたのは収穫。・黒田研二先生最初、大人しかったけど中盤から本領発揮。切れ味鋭いトークでドッカンドッカン笑わせていましたが、評論部門受賞作「謎の解像度」の非常に分かり易い部分を「アホ向け」と表現したのが最高風速かと(笑)サイン頂いた時に東野圭吾「ちゃれんじ」のエピソードについて聞けたので良かった。まさか、あの描写で手心が加わっていたとは・・・。・円堂都司昭先生開票式の様子を見る限り、こういうイベントは苦手だろうなーと思っていましたが、自分の番が回って来ると喋る喋る。評論を書く上で分かり易さを重視し、四字熟語や難しい言い回しを使わない点やネタバレの代わりに様々な例え話を引用するというのは成る程という感じ。そんな中、浦安引越し記念でディズニーランドを引用したという話には笑わせて貰いました。でも、サインはやっぱり控え目な感じ(笑)・牧薩次先生今回も代理として辻真先先生が登場(笑)とにかく、こういう公の場でお話を聞けるだけで貴重な体験。歴史と含蓄に溢れたコメントには、喋り終わる毎に拍手が巻き起こっていました。印象的だったのは、他の先生方が「仮題・中学殺人事件」から強い影響を受け、全員が自然と出会いのエピソードを披露していたところ。次世代への影響力は絶大と再認識。若干、時間をオーバーしてトークショーが終了し、抽選会が開始。これは会場内で購入した書籍1冊につき1枚抽選券が貰え、本格ミステリ作家クラブの作家さんの寄せ書きが貰えるかもというサービスでしたが、当たらんかったー。去年も一昨年もダメだったから3度目の!と思ったけど、こういう運は無いよね。2年連続で開票式には当たったんだから贅沢は言えないけど、やっぱり残念。その後、サイン会の時間になり、購入した5冊にサインを頂いて会場を後にする。予定通りALPHAさん、みほろさんと更に開票式で知り合ったパズル君とも会えましたが、MYSCONでヘルパーをしてくれたraphaさんも会場にいたのにはビックリ。帰りの電車内で土砂降りの雨が降ってきたけど、地元は通り過ぎた後だったから助かったわい。「市川尚吾作品集」を読み終わり、満足して寝。こんな週末。あと、宣伝を1つ。「MYSDOKU~ミステリ読書会~」というイベントの企画をやっています。MYSCON公式HPで詳細を告知しています(http://myscon.net/archives/2009/06/20090613_0202_245.html)記念すべき第一回の課題図書は、米澤穂信先生の「秋季限定栗きんとん事件」ですが、これは「今年話題なので沢山の人に集まって貰えそう」で尚且つ「自分自身もネタバレ有りでガンガン語りたい」と公私を見事に兼ね備えたチョイスなだけに楽しみ。ぶっちゃけまくるぜー。既に何名かの方から応募して貰えているので、興味のある方は是非ともご参加下さい。「ぼくが思うに、これは応募フォームから申し込むだけで片がつく」
2009年06月15日
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昨日は、昨年に続いて第九回本格ミステリ大賞公開開票式に出席して来ました。二年連続で当選の大幸運…と思いきや他にもお二方が二年連続という方がいて、抽選なのにリピーター率高し(笑)投票結果としては昨年程の接戦にはならず「完全恋愛」と「謎の解像度」が危なげなく受賞。「造花の蜜」-「幻影城の時代」の幻影城ラインで受賞するかなと予想してましたが、見事に外れ(笑)でも、結果的に応援してた二作が受賞したのは嬉しかった~。北村薫先生の人柄の滲み出たユニークな総括(笑)を挟み約1時間の自由時間へ。そう、サインおねだりの時間ですyo!!昨年で、すっかり味をしめて今年も馬鹿みたいに持参しましたが、持ち込んだ本の四割近くは作家さんが会場におらず空振り(汗)大荷物だったんで現在は筋肉痛(大馬鹿)でも、今年は去年よりも余裕を持って作家さんと話せたんで大満足!!水先案内をして下さる心強い味方(マイミク・のりりんさん)もいたしね~。特に印象に残ったのは、即席でカラスのイラストを描いて下さった道尾秀介先生と評論部門を受賞し、この後のスピーチが緊張すると言っていた円堂都司昭さん。円堂さんは、毎年「本格ミステリベスト10」の読書投票で私のコメントを使って下さってる間接的な大恩人なので挨拶が出来て良かった。でも、サインする間、横から円堂さんにダメ出しを繰り返してたのりりんさんは鬼だったと思う(笑)他にも、ちょい悪探偵・真野原の台詞「言うだけなら無料です」を書き加えてくれた山口芳宏先生と昨年のOジローに続いてコミカルな恐竜を描いてくれた大倉崇裕先生も相変わらず良い味だしてます。びっくりだったのが、机の上に置いてあったからという理由で私が不在の間にサインをして下さった芦辺拓先生(爆笑)いや、まさか作家さんが勝手にサインを書いてしまうとは…何と言うフリーダムさ。あと、有栖川有栖大ファンの彼女用に一冊サインして貰ったのは我ながら大ファインプレー!(笑)北海道との遠距離恋愛なんでいつ渡せるかは微妙なんだけどね~。ホントにサインして下さった作家さんには感謝感謝ですよ、はい。何気に恥ずかしかったのは昨年の私の拙いレポを事前に読んで来ましたという参加者の方が数名いらっしゃったこと(大汗)参考にして貰えたのは過去の参加者冥利に付きますが、余りにも意外で逃げ出したい心境でしたよ~。もうちょい、MYSCONの宣伝したりすれば良かったな~と今更思います。もし、このレポ読まれてたら来週土曜に湊かなえ先生と小路幸也先生のお話を聞きに来ませんか??(詳細はこちらをどうぞ、http://myscon.net/)私は昼の受付担当予定なんで声かけて頂けると目茶苦茶嬉しい!話が逸れましたが、そうこうしている間に受賞者である辻真先先生が会場に登場!!円堂さんも加え、記者会見が開始。受賞者のコメント、質問タイムと進みましたが、印象的だったのは辻さんの「私も山魔みたいな作品を書きたいんですよ」という発言に対し、私の後の席に座っていた綾辻先生が「マジかよ…」と呟いたのが聞こえた事でした(笑)辻先生のコメントは、サービス精神旺盛さが凄い。ポテト達が活躍する次作のアウトラインをガンガン喋り、さらりと「スーパーが高齢出産するのにポテトが近くにいなくて…」とか言うんですよ!(笑)記念撮影後に辻先生からサインを頂き、一緒に写真まで撮って大満足で帰路に。当初、新宿周辺にいた愚弟と夕飯でもと思ってたけど体力的に無理そうなんで退却~。でも、帰宅ラッシュにぶつかって大荷物もあって帰るまでに物凄い消耗したよ(泣)そんなこんなでしたが、今年も素晴らしいイベントに参加できてミステリ者として幸せですわ~。運次第とはいえ、来年は三年連続三回目を狙うぜ!(笑)その前に来月、丸善丸の内本店で開催される座談会に三年連続三回目の参加をする予定。あ、会場で配布されてた宛先に開票式の感想を送ると謝礼として次号のジャーロが光文社からプレゼントされるので、昨日の参加者の皆様は、お見逃しなく!
2009年05月14日
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前回に引き続いて宣伝を1つ。5月23日開催のMYSCON10昼の部に「東京バンドワゴン」シリーズで大ブレイクした小路幸也先生が来て下さいます!(http://myscon.net/)湊かなえ先生だけでも超豪華なのに、この組み合わせは凄い!!お二人とも首都圏に住んでいる訳ではないだけに、今回は生でお話を聞ける貴重なイベントになると思います。まだまだ参加者募集中なので是非是非、お誘い合わせの上、ご参加下さい!
2009年05月12日
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皆さん、お久しぶりです~。約半年振りの日記ですが、お陰様で元気に過ごしてます。実は、今回は宣伝に来ました(笑)というのもMYSCONというミステリ系イベントのスタッフに加えて貰ったからでした。今年で10周年の老舗イベントとなっており、今年の受付開始が今夜22:00開始となっております(http://myscon.net/archives/2009/03/20090315_2336_198.html)その場で昼の部に来るゲスト(作家さんです)も発表されるのですが、10周年に相応しい本当に凄い方ですよ!!このページを観て応募したと言って頂けると本当に嬉しいので、少しでも興味がある方は是非是非、応募をお願いします!沢山の方のご参加をお待ちしています!!
2009年03月27日
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お久しぶりです~。かなり久々ですが、元気にやっております!w会社の昼休みとか利用してmixiは毎日書いてますが、いかんと思いつつ楽天は疎遠になりがちです(汗)近況としては、彼女が出来ました!ただし、遠距離恋愛(埼玉ー北海道)ですが-。遠距離恋愛なんて初ですが、普通に寂しいです・・・。でも、本に携わる仕事をしている話の会う相手なので頑張って行こうと思います!あと、読書メーター(http://book.akahoshitakuya.com/u/8699)というものに登録しました。読んだ本の管理が簡単にできて中々に面白いです。既に登録している人がいたら、お気にいり登録して貰えると嬉しいです!読書の秋は終わってしまいましたが、これから登録して読書生活の楽しみを増やすのも一興だと思いますよ。
2008年11月19日
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またも本当に久々の更新になってしまいました~。気が付けば夏本番で、既に夏バテの兆候が出て非常に苦しんでおります・・・。幸いというか、今週末からの盆休みで1年半ぶりに札幌へ帰省できるので避暑も兼ねて楽しんで来ようかと思います!今回も最近読んだ本を貼り付けておきますが、感想を書く気力がないので長編と短編で特にお気に入りな作品をラストに5冊ずつ並べるだけに留めておきます。どうしようもないレベルの手抜きですが、秋頃から自宅にネットを導入するかもなので、そうしたらもう少し何とかしたいですねぇ。傾向としては、相変わらずミステリを中心にしつつSFが若干多め。あと、夢枕さんの「陰陽師」シリーズを読み始めたのが特徴ですね。・愛川晶 「神田紅梅亭寄席物帳 芝浜謎噺」・有栖川有栖 「鏡の向こうに落ちてみよう 有栖川有栖エッセイ集」・有栖川有栖 「壁抜け男の謎」・アンソロジー 「小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所」・アンソロジー 「Re-born はじまりの一歩」・石持浅海 「君の望む死に方」・石持浅海 「耳をふさいで夜を走る」・乾くるみ 「クラリネット症候群」・円堂都司昭 「謎の解像度 ウェブ時代の本格ミステリ」・大倉崇裕 「無法地帯 幻の?を探せ!」・大倉崇裕 「やさしい死神」・大倉崇裕 「聖域」・小川一水 「復活の地 1」・小川一水 「復活の地 2」・小川一水 「復活の地 3」・大崎梢 「サイン会はいかが? 成風堂書店事件メモ」・恩田陸 「中庭の出来事」・恩田陸 「いのちのパレード」・加藤実秋 「インディゴの夜」・北方謙三 「楊家将(上)」・北方謙三 「楊家将(下)」・北村薫 「ひとがた流し」・機本伸司 「神様のパズル」・きむらゆういち 「あらしのよるに 2」・久保寺健彦 「みなさん、さようなら」・篠田真由美 「北斗学園七不思議 2 闇の聖杯、光の剣」・柴田よしき 「謎の転倒犬 石狩くんと(株)魔泉洞」・二郎遊真 「マネーロード」・竹本健治 「キララ、またも探偵す。」・巽昌章 「論理の蜘蛛の巣の中で」・筒井康隆 「パプリカ」・梨屋アリエ 「ピアニッシシモ」・西澤保彦 「腕貫探偵、残業中」・橋本紡 「彩乃ちゃんのお告げ」・長谷部史親 「欧米推理小説翻訳史」・藤岡真 「六色金神殺人事件」・本格ミステリ作家クラブ編 「深夜バス78回転の問題」・牧薩次 「完全恋愛」・万城目学 「ザ・万歩計」・汀こるもの 「まごころを、君に THANATOS」・森博嗣 「そして二人だけになった」・森博嗣 「スカイ・クロラ」・森博嗣 「銀河不動産の超越」・山口雅也 「キッド・ピストルズの最低の帰還」・山本弘 「シュレディンガーのチョコパフェ」・夢枕獏 「陰陽師」・夢枕獏 「陰陽師 飛天ノ巻」・夢枕獏 「陰陽師 付喪神ノ巻」・夢枕獏 「陰陽師 鳳凰ノ巻」・夢枕獏 「陰陽師 生成り姫」・夢枕獏 「陰陽師 龍笛ノ巻」・夢枕獏 「『陰陽師』読本 平安の闇に、ようこそ」 ・夢枕獏+天野喜孝 「鬼譚草紙」以下、特にお気に入りだった作品。<長編>・大倉崇裕 「無法地帯 幻の?を探せ!」・小川一水 「復活の地」・北村薫 「ひとがた流し」・機本伸司 「神様のパズル」・藤岡真 「六色金神殺人事件」<短編>・愛川晶 「神田紅梅亭寄席物帳 芝浜謎噺」・西澤保彦 「腕貫探偵、残業中」・山本弘 「シュレディンガーのチョコパフェ」・山口雅也 「キッド・ピストルズの最低の帰還」・夢枕獏+天野喜孝 「鬼譚草紙」
2008年08月04日
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先週の予告通り、毎度お馴染みの「MYベスト10」をお送りします。今回は2008年度上半期ベスト10と題しまして、私が昨年の12月頭から今年の5月末までの半年間で読んだ本の中から自らの好みで選んだ小説作品のランキングを発表します。例年通り「長編」と「短編」の2部門に分けていますが、これも例年通り「ベスト10」ながら20位から発表させて頂きますwまずは、長編部門からですが、20位から11位はまとめて、10位から1位までは1作ずつ簡単なコメント付きで書いていきます。 <長編部門> 20位・有川浩 「空の中」 19位・道尾秀介 「ラットマン」 18位・宮部みゆき 「ブレイブ・ストーリー」 17位・西尾維新 「DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件」 16位・倉阪鬼一郎 「四神金赤館銀青館不可能殺人」 15位・久保寺健彦 「ブラック・ジャック・キッド」 14位・近藤史恵 「サクリファイス」 13位・森見登美彦 「有頂天家族」 12位・乾くるみ 「リピート」 11位・三津田信三 「厭魅の如き憑くもの」一気に11位まで書きましたが、多ジャンルに分かれた前回に比べて今回は原点回帰と言うべきか本格ミステリ作品が多くなった感があります。特に16位に選んだ「四神~」には実験的なトリックが登場するのですが、そのトリックのインパクトだけで16位に選らんでおり、どんだけ好みだったんだ自分!と呆れておりますw 10位・西澤保彦 「聯愁殺」いつまで経っても文庫化されない西澤作品の鬼子でしたが、論理的な積み重ねに独特の世界観も合いまった傑作で完成度は非常に高くて後半に取って置いて良かったです。また、こういう作品を書いて欲しいですねぇ。 9位・真山仁 「ハゲタカ」ご多分に漏れずドラマ版から入りましたが、原作は原作で痺れました。現実の出来事をベースに日本経済の実態を分かり易く描いている良作です。2作目を経て、まだまだシリーズが続きそうな雰囲気があるので今後も注目です。 8位・乙一 「The Book jojo`s bizarre adventure 4th another day」乙一さんによる待望のジョジョ・ノベライズですが、原作の雰囲気を壊さない戦闘シーンや豊富な小ネタの数々はファンには堪らないです。ここから両作者のファンになって行って欲しいと素直に思える作品で、これまで読んだ中で最も理想的なノベライズ作品なんじゃないかなと思います。 7位・古川日出男 「サマーバケーションEP」昨年の長編年間1位に選んだ「アラビアの夜の種族」とは全く毛色が違うものの引き込まれずにはいられない現代の寓話という感じで非常に楽しめました。東京の地理を多少でも思い描ける様になった引越し後に読めて本当に良かったですw 6位・三津田信三 「首無の如き祟るもの」惜しくも本格ミステリ大賞は逃したものの本格ミステリとしての仕掛けの見事さと相変わらずの雰囲気ある文体が光ります。「厭魅~」等と比べて格段に向上している文章の読み易さもプラス要素。既に4作目「山魔~」が出ているので、そちらもチェックせねば! 5位・伊坂幸太郎 「ゴールデンスランバー」今回も仙台を舞台にし、得意の伊坂節や魅力的なキャラが多数登場する反面、見事だけど何とも言えない読後感のあるラストは意外でした。過去の伊坂作品と比べ、随所で変化の兆しの様なものが見え隠れしている印象を受けました。こういう作品を読むと今後の伊坂さんの活躍を期待せずにはいられないです。 4位・桜庭一樹 「私の男」遂に直木賞受賞という大快挙をやってのけた話題作。いつも以上に物静かながら気迫のようなものを感じさせる文体だけでなく、過去に遡るという構成で更なる効果を生んでいると思います。個人的には「赤朽葉家の伝説」の方が好みなのですが、こちらの存在感はちょっと忘れ難いですね。 3位・有川浩 「海の底」冒頭からクライマックスを思わせる展開がとにかく素晴らしい。謎の甲殻類の襲撃の為、潜水艦に逃げ込んだ問題児の自衛官2人と少年少女を軸に全編に緊迫感溢れる展開がエンターテイメント小説の真髄を教えてくれます。作者ならではの甘い恋愛模様も巧く作用した傑作です。 2位・有栖川有栖 「女王国の城」本格ミステリとしては「首無~」の方を高く評価していますが、やはり青春ミステリの草分けとしての魅力は何年経っても色褪せずに楽しませてくれました。その今シリーズもいよいよ次の5作目で完結予定ですが、最終作の登場まで首を長くして待ちたいと思います~。 1位・誉田哲也 「武士道シックスティーン」このランキングを作る際、予想外に好きな作品が登場し、思いの外上位に並べる事も多々あったのですが、こうして1位に選んだのは初です!それだけ今作に惚れ込んだという事でタイトルが気になって何となく手に取った自分を自画自賛してやりたいですよwあえて、詳しい内容は書きませんが青春小説の新たな地平を切り開いた大傑作なのではと思います。実は今夏に「武士道セブンティーン」という続編が出るらしいので滅茶苦茶楽しみです!! <短編部門> 20位・津原泰水 「ルピナス探偵団の当惑」 19位・大倉崇裕 「三人目の幽霊」 18位・綾辻行人 「深泥丘奇談」 17位・石持浅海 「心臓と左手 座間味くんの推理」 16位・斎藤肇 「たったひとつの 浦川氏の事件簿」 15位・橘玲 「悪玖夢博士の経済入門」 14位・万城目学 「ホルモー六景」 13位・歌野晶午 「ハッピーエンドにさよならを」 12位・光原百合 「最後の願い」 11位・有川浩 「クジラの彼」毎回、長編部門以上に悩む短編部門ですが、今回もご多分に漏れず悩みに悩みましたよ。さて、11位までは長編同様に本格ミステリ率が高くなっていますね。それ以外では、書かない恐怖を煽ってくれた「深泥丘奇談」やコミカルなファンタジーとしてだけでなく、今後の展開が非常に楽しみになった「ホルモー六景」も印象的です。 10位・北村薫 「1950年のバックトス」バラエティに富んだ短編揃いで名手・北村さんらしい満足度の非常に高い作品集。多彩なネタの切り口は勿論、それを見事に調理し、独特の風味を出す文章力と発想は毎度ながら脱帽です。 9位・小林泰三 「モザイク事件帳」パロディ中心の短編集としては、かなりの抜擢といって良い高い順位に位置付けましたが、いや好みど真ん中なので仕方ないですw本格ミステリの道具立てを使い、何でこんな事にと感じる馬鹿馬鹿しさやブラックさが堪らんです、ハイ。 8位・有川浩 「阪急電車」今津線の阪急電車を舞台に乗客の人間模様を描いた群像小説。有川作品ならではの甘い恋愛話も登場したかと思うと、ドロドロとした話も挿入されてといった具合にメリハリがあって自分も乗客になったつもりで頭から尻尾まで楽しめましたw 7位・森見登美彦 「きつねのはなし」十八番の京都を舞台とした不可思議な話・・・とは言え、他の森見作品とは一線を画すシリアスかつホラータッチな雰囲気が非常に新鮮です。馬鹿な大学生達が大騒ぎという話も大好きですが、こういう作風の広さを見せられると痺れますね。 6位・加納朋子 「モノレールねこ」好みの作品が多い為、このランキング常連の加納作品ですが、やはり今回も選びました。ノンシリーズの短編集なのでバラエティ豊かで楽しめましたが、お気に入りは表題作と「バルタン最後の日」ですね。どちらも絶品。 5位・藤野恵美 「ハルさん」東京創元社の伝統芸・日常の謎を扱った作品ですが、片親で子育てをした父親が娘の結婚式直前に2人で過ごした日々を回想するという設定が既に反則ですよ~。引き込まれない訳がない!wミステリとしても及第に楽しめますし、あまりにも見事なラストは非の打ち所がない。 4位・恒川光太郎 「秋の牢獄」常に期待を裏切らない書き手だけあって収録された3編全てが傑作と言って差し支えなし。題材自体に真新しさは薄いのですが、それを独特の世界観に嵌め込む手腕は圧巻ですよ。何と言うか、これからどこに辿り着くのか目が離せないですよ。 3位・森見登美彦 「四畳半神話大系」「きつねのはなし」とは全くもって対照的に感じる「馬鹿な大学生が大騒ぎする作品」ですww大学入学直後の選択肢から枝分かれした四通りの世界を描いて行きますが、ゲーム的な設定なので受け容れ易いのではないでしょうか。この破天荒さが森見さんらしさですし、間違いなく今後も追い掛ける作家さんですね。 2位・小川一水 「老ヴォールの惑星」2006年の「SFが読みたい!」で1位に選ばれ、非常に完成度の高い傑作揃いの作品集。特に地下迷宮に投獄された人々が動物の様な生活を強いられながらも人間らしさを求める「ギャルナフカの迷宮」が素晴らしく、、絶望に近い状況ながら常に前向きに進もうとする登場人物達に強烈に引き付けられました。未読の長編が多く手元にあるので読むのが非常に楽しみです! 1位・津原泰水 「ルピナス探偵団の憂愁」1作目「~当惑」に続けて読めたというタイミングの良さが全てを決めたと思います。高校生探偵団の活躍が「who」ではなく「why」に重点を置くという一風変わった形式で描かれた「~当惑」に比べ、ミステリ色は薄れた感もあります。しかし、探偵団の1人の死が告げられる冒頭に衝撃を受け、あまりにも美しいラストには号泣しました・・・。当然ですが、読む前に「~当惑」を読んだ上で読み進める事をお薦めします。そんな訳で、2008年度上半期「MYベスト10」は上記の結果に決定しました!まだまだ先ですが、6月頭から11月末までに読んだ作品で作成する下半期ランキングを併せて年間ランキングを作成したいと思います。
2008年06月23日
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皆さん、お久しぶりです!イベントのレポートやら情報やらの更新は何度かあったものの日記という意味では非常に久々になります。と言っても、毎度お馴染みな最近読んだ本の感想を貼り付けるだけですがwいつの間にか地味に6月も中旬になってしまい、とっくに毎度勝手にやっている「MYベスト10」の上半期verを発表している時期になっていて焦りに焦っております(汗)そんな訳で今回は5月末までに読んだ作品を並べ、次回に昨年12月から今回分の中から「MYベスト10」を作成したいと思います。では、以下が5月末までに読んでいた作品です。・あさのあつこ 「ほたる館物語 1」・あさのあつこ 「ラスト・イニング」・芦辺拓 「裁判員法廷」・綾辻行人 「深泥丘奇談」・アンソロジー 「本からはじまる物語」・石持浅海 「賢者の贈り物」・乾くるみ 「リピート」・歌野晶午 「ハッピーエンドにさよならを」・加納朋子 「ぐるぐる猿と歌う鳥」・北村薫 「1950年のバックトス」・北森鴻 「蛍坂」・小林泰三 「モザイク事件帳」・近藤史恵 「サクリファイス」・坂木司 「先生と僕」・新世紀「謎」倶楽部 「EDS 緊急推理解決院」・似鳥鶏 「理由あって冬に出る」・古野まほろ 「探偵小説のためのエチュード「水剋火」」・真山仁 「ハゲタカ2(上)」・真山仁 「ハゲタカ2(下)」・光原百合 「最後の願い」・森見登美彦 「四畳半神話大系」・山口雅也 「モンスターズ」・山口雅也 「マザーグースは殺人鷲鳥」・山口雅也 「チャット隠れ鬼」最近では珍しく、ミステリ率が非常に高いですね。短編集も多く読めて非常に幸せですw以下、特に印象的だった作品の感想を駆け足で。 ・綾辻行人 「深泥丘奇談」綾辻行人さん、久々の新作はホラー短編集。自身がモデルと思しき語り手が遭遇する不可思議な出来事が語られて行きますが、あえて描写しない怖さという表現が滅茶苦茶怖く感じました。あと、語り手の妻(小野不由美さん?)の存在感が絶妙。 ・石持浅海 「賢者の贈り物」石持さんらしい論理展開が存分に楽しめる短編集。登場する謎もユニークなものが多く、自然と組み立てられる推理もアクロバットなものが多くなるもののラストで綺麗に締められていて肩の凝らない気軽な楽しみ方ができました。 ・乾くるみ 「リピート」乾作品も3作目ですが、偶然にも「タロット」シリーズというシリーズを順に押さえていたみたいです。今作のカードは「運命の輪」現在の記憶を持ったまま10ヶ月前の自分自身に戻れるという「リピート」という現象への参加を持ち掛けられた人々が遭遇する連続殺人を描いていますが、SFミステリとしてだけでなく、数々の仕掛けが最後まで楽しませてくれる傑作。個人的には「イニシエーション・ラブ」よりもこちらが好み。 ・歌野晶午 「ハッピーエンドにさよならを」タイトル通りにバッドエンド標準装備な短編集。極めて歌野作品らしいブラックユーモアと本格ミステリの要素をブレンドした作品の数々は癖になります。こういう作風が好きな私にとっては大いに楽しめた1冊ですねw ・加納朋子 「ぐるぐる猿と歌う鳥」唯一、未読だったミステリーランド作品。異色作が多いレーベルとしては、極めて模範的な読み心地で誰でも安心して楽しめるのではないでしょうかw多くの加納作品同様、派手さはないものの小学生の心情を丁寧に描きつつラストで明かされる仕掛けには素直に感心。 ・北村薫 「1950年のバックトス」短編の名手・北村さんのノンシリーズ短編集で、ジャンルも長さもバラバラな作品が収録されていますが、流石は北村薫というべき巧さが随所で光り、一気に読むのは勿体なく感じます。どれも十二分に楽しめたのですが、表題作の鮮やかなラストが印象的。タイトルも絶妙です。 ・小林泰三 「モザイク事件帳」様々なテーマに沿った短編を収録した作品。テーマは「犯人当て」「倒叙ミステリ」「安楽椅子探偵」「バカミス」「??ミステリ」「SFミステリ」「日常の謎」と本格ミステリ好きには堪らないものばかり。「密室・殺人」のみ既読だった作家さんですが、かなり好みの作品が多くて評価急上昇。バカミスを描いた「更新世の殺人」の文字通りの馬鹿馬鹿しさと探偵役2人の競演となっている日常の謎を扱った「路上に放置されたパン屑の研究」がお気に入り。特に「路上に~」の真相には大爆笑させて貰いましたww ・近藤史恵 「サクリファイス」文庫化された作品を徐々に読み進めていた近藤さんが、昨年の本屋大賞で2位に選ばれて一気にメジャーになってしまった作品。これまでの作品とは大きく違い、ロードレースを題材にしていて意外だったものの青春小説としてもミステリとしても十分に楽しめました。たまたま「Over Drive」を読んでいた事もあってイメージし易かったのですが、ページ数的に少し短めなのは残念。 ・真山仁 「ハゲタカ 2」先日読んだ「ハゲタカ」の続編。今作でも日本経済を巡るシビアな現実が描かれて行きますが、シリーズ化されて世界観が広がった事で逆に前作の緊迫感が薄くなってしまった感はあります(それでも十二分に面白いのですが)あと、終盤の展開は個人的には「う~ん」と思ってしまう内容でしたが、3作目を示唆させるラストなので続編に期待。 ・光原百合 「最後の願い」久々に読んだ光原さんの作品は期待通りに連作短編集で傑作でした。劇団立ち上げを目指す若者が各短編で持ち上がる謎を解明する事を切っ掛けにして徐々に仲間を増やして行くという展開には、たっぷりと感情移入させて読ませて貰いました。個性の発揮が大前提となる舞台に個性豊かな人物達が集う・・・これが面白くない訳がないw最終話で旗揚げを迎える面々の今後の活躍を読みたいと思うのは贅沢でしょうか。 ・森見登美彦 「四畳半神話大系」ラストは森見作品の既刊で唯一未読だった「四畳半神話大系」ですが、これぞ森見ワールドという破天荒さを存分に堪能させて貰いました!w大学入学直後の選択肢から分岐する四通りの世界を描いて行きます。そこで語られる僅かな設定の差異や人間関係、各話に共通して発生するイベントと読み所が満載。極上のエンターテイメント作品と呼ぶに相応しい完成度の傑作だと思いますが、デビュー2作目で確固たる世界観を構築しているのは末恐ろしいですよ。という訳で、あっさりした感想になった作品もありますが、以上感想でした。おそらく、来週中には「上半期MYベスト10」を貼り付ける事になると思いますが、それまで頭を悩ませて考えたいですねw
2008年06月16日
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2連連続で先週日曜日に参加して来ました~。今年は有栖川さんがいた為か爆笑トークの連続で会場は爆笑の渦でしたw特に綾辻さんとの掛け合いが最高でしたねwサイン会にも参加出来ましたし、大満足ですよ。で、詳しいレポートなんですが今回はメモもレコーダーも持参しなかったので断念します。代わりに会場でお会いできたmihoroさんのayalistを紹介しておきます(http://www.geocities.jp/y_ayatsuji/)アバウトなレポと謙遜していますが、十分に雰囲気は楽しめますし、写真も多数アップされているのでミステリ好きは是非是非アクセスを。とにかく、本当に楽しいイベントだったので来年も必ず参加したいですよ!!いい加減、溜まりに溜まった読んだ本の感想を書きたいですが、まだ暫く掛かりそうです~。
2008年06月10日
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先週の土曜日に山口雅也先生の最新作「キッド・ピストルズの最低の帰還」刊行記念サイン会に参加して来ました。会場は三省堂神保町本店で14時開始予定でしたが、1時間前には早々と到着。入り口付近から至る所に最新作を筆頭に山口作品が平積みされていました。事前に電話でサイン会の予約申し込みをしていたので、とりあえず「キッド・ピストルズの最低の帰還」を購入。刊行自体は5月21日だったのですが、幸か不幸か私の近所の本屋は田舎過ぎて置いておらず、サイン会直前に初めて手に取れました(笑)キッドをモチーフにしたド派手な装丁と「すべてのパンク・キッズとパズル・キッズよ、待たせたな。」という粋な帯の文言が素晴らしいです。購入後、まだまだ時間があったのですが、ここは本屋。時間を潰すのには困らないと新刊を中心に店内をグルグル。流石は三省堂本店と言うべき品揃えで、過去数年分の「SFが読みたい!」やミステリ関連の企画本も揃っており飽きさせません。そうこうする内にサイン会の為の列整理が始まりましたが、列後方が店の外れにある階段へと流れていた事もあり、折角なので山口先生の登場を見てから並ぼうと待っておりました。開始時刻を5分程過ぎた所で山口先生が会場入りし、よく写真で目にする黒の帽子にサングラスで颯爽と登場。やはり格好良い!そこまで見届けてから列最後尾へ向かいましたが、結局順番が回って来たのが開始1時間後。と言うのも今回のサイン会、過去の全著作が対象という訳で必ずしも1冊で終了ではなく、特に前半に大量に持ち込んだ方が多かったみたいでした。私の場合、現在も昔読んだ作品の大半が札幌の実家なので、今回は引越し後に読んだ「奇偶」の講談社文庫版上下巻だけを持ち込み。1つ前に並んでいた年配の男性の方は、全て三省堂のカバー付きの文庫本にサインして貰っていたみたいなので会場で購入したみたいでした。その資力が羨ましいものの何冊まで持ち込んで良いものか全く見当が付かなかったので、どちらにせよ私の度胸では2、3冊が関の山でしょうね(笑)あと、並んでいる間に読んでいた森見登美彦さんの「四畳半神話大系」が滅法面白く、待ち時間も気にならなかったのは幸いでした。そして、遂に私の順番が回って来ましたが、先日の本格ミステリ大賞公開開票式同様にHNの「みっつ」でサインをお願いしました(笑)山口先生 「HNの由来を聞いても良いですか?」私 「いや、本名がOOなので、そこから何ですよ~。すみません、妙な名前でお願いし」山口先生 「いや、でも人間っぽい名前だから良いですよ。もっと凄いHNってあるし(サイバーほにゃららと名前を挙げるも緊張の為、覚えておらず/汗)あと、バロンとか。男爵って(笑)」私 「確かに凄い名前ですよね~」言われてみれば、世の中には凝りに凝ったHNってあるから「みっつ」は普通な部類かも。というより、書き込んだりする時に楽なのが変更しない理由です(笑)山口先生 「こういうHNの人達がオークションとかで激しく戦うのよ。見ていると面白いよ」私 「はぁ、そういう話ってよく聞きますよね~。」この辺り、やはり緊張の為、ろくな答えが出来ませんでしたが、蒐集家やマニアを題材にした作品を多数書いている山口先生ならではの話かも。具体的にどんなオークションでとか聞いてみれば良かった!!山口先生 「HNって事はHPとか持ってるの?」私 「はい、今日の事も書かせてもらいます」山口先生 「じゃあ、みっつで検索すれば出るかな?」私 「あ~、どうでしょうか」リップサービスでも聞いてくれたのは嬉しかったですが、多分「みっつ」で検索すると「問題点はみっつあって」とか文脈で出る気がします(笑)もし、山口先生がアクセスしてくれてレポートを読んでくれたら光栄ですね・・・。3冊のサインも終了し、お礼を言って席を立ちましたが、そのまま立ち去り難く、写真を撮って良いか係りの方に聞くと、わざわざサインする合間に撮影させて貰えました!いや、他の方のサインしている所で十分だったので本当に恐縮ですよ(汗)それが冒頭の写真なのですが、サインする時に外していたサングラスまでして貰ってカメラ目線な有り難い1枚になりました。「2ショット?」とも聞かれましたが、携帯電話での撮影だったので流石に遠慮。それにしても自分自身の要領の悪さを実感するのは、サイン会後に秋葉原のヨドバシカメラでデジカメを購入した事ですね。先に買っておけ自分!(汗)そんなこんなで、悪天候の中でしたが無事にサイン会に参加出来て一安心。山口先生も物静かでダンディな雰囲気で好印象でしたし、益々応援しますよ!!さてさて、これから「キッド・ピストルズの最低の帰還」をじっくりと楽しもうと思います。
2008年06月02日
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ジュンク堂である「第8回本格ミステリ大賞発表記念座談会」に申し込みました(http://www.junkudo.co.jp/newevent/evtalk.html#20080608ikebukuro) 先日の公開開票式でも告知していたイベントです。 でも、いつになるか分からなかったのですが、先程みほろさんのHP(ayalist/http://www.geocities.jp/y_ayatsuji/)を見て慌てて応募(みほろさん、いつも情報提供ありがとうございます!) 先着150名みたいですが、さっき電話した時点で50名位は埋まっているそうです。 昨年も参加したイベントだけに楽しみですが、座談会後のサイン会で有効なのが会場販売分の書籍のみというのは少しショック。 というか、このイベントを意識して乾くるみさんの「リピート」買っちゃったんでけど!ww 素直に有栖川さんの新作とか購入しますよ・・・。 ともかく、当日が楽しみです~。
2008年05月19日
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まず、結果から書いておくと小説部門は有栖川有栖さんの「女王国の城」が評論・研究部門は小森健太朗さんの「探偵小説の論理学」が受賞しました!詳しい開票結果は以下の通り。 <小説部門>・有栖川有栖 「女王国の城」 20票・三津田信三 「首無の如き祟るもの」 15票・柄刀一 「密室キングダム」 9票・米澤穂信 「インシテミル」 6票・歌野晶午 「密室殺人ゲーム王手飛車取り」 4票 <評論・研究部門>・小森健太朗 「探偵小説の論理学」 10票・法月綸太郎 「法月綸太郎ミステリー塾」 9票・石上三登志 「名探偵たちのユートピア」 9票本来なら決定直後にメール更新で速報を打ちたかったのですが、肝心のメールが来ないというアクシデント(?)につきレポートで一気に書きます(汗)昨日、本格ミステリ作家クラブ主催の「第8回本格ミステリ大賞公開開票式」に参加して来ました。夕方からで会場は護国寺にある光文社本社ビルとのこと。午前中は台風通過という事で雨だったみたいですが、午後からは小雨程度という幸運にも助けられ、時間に余裕があり過ぎたこともあって池袋から徒歩で護国寺へ。事前に地図で調べていたので迷わず行けましたが、それでも1時間近く余裕があったので近所の喫茶店で時間を潰し、開場時間と同時に光文社へ。ただ、途中で見掛けた講談社の存在感が凄まじく、あまり光文社のビルは覚えてないです(汗)期せずして出版社という場所に初めて入りましたが、ロビーと会議室の往復だけだったので良く分かりませんでしたw会場となる会議室へ向かうと既に招待客の姿がチラホラ。隣の席になった現役高校生1年生というコナン君(いや、冗談抜きにコナン君で通る字面だったんですよ!館シリーズを思い出しましたw)と喋りましたが、学校を早退した理由が架空の親戚の逝去という本格ミステリファンの鏡のような理由が面白かったwwにしても、高1で新本格を耽溺しているとは・・・。同じ頃、日本のミステリは、赤川次郎と西村京太郎の専売特許で2時間ドラマの様なミステリ小説しかないと無知まっしぐらで三国志とか歴史ものに引き篭もっていた私とはえらい違いですよwいや、普通に羨ましいです、はい。で、そうこうする内に開始時刻の16時になり、北村薫さんの挨拶を挟み、いよいよ開票作業がスタート。厳粛な雰囲気の中、綾辻さんが投票を読み上げ、開票作業は進みましたが、小説部門と評論・研究部門が同時に集計されたのには驚きました。勝手に小説部門終了後、評論・研究部門と思っていたもので(汗)ともかく、小説部門で出足から快調に票を伸ばしたのは、大本命と思っていた「女王国の城」。それを「首無の如き祟るもの」が追うという展開。上位2作程ではないですが「密室キングダム」も票を集め、「密室殺人ゲーム王手飛車取り」にも入る中、途中まで「インシテミル」が0のまま推移し、かなり心配しましたが徐々に票を集めて一安心。楽しんで読んだ作品だけに0行進は嫌でした。中盤以降、更に票を集めた「女王国の城」が独走状態を築き、そのままゴール。ネット投票もして肩入れしていた「首無~」は惜しくも2位。一時はダブルスコアを付けられていた事を考えると後半、かなり健闘しましたが、やはり「学生アリス」15年ぶりの新作は強かった。最終順位を考えると「2008本格ミステリ・ベスト10」の上位作品から山沢晴雄さんの「離れた家」を除き、そのままという順当な結果に落ち着いた感があります。ちなみに、上位作品への投票者で覚えている人を上げると「女王国の城」綾辻さん、太田さん、北村さん、喜国さん、倉知さん、黒田さん、近藤史恵さん、辻真先さん、光原さん「首無の如き祟るもの」我孫子さん、石持さん、歌野さん、倉阪さん、柴田さん、千街さん、二階堂さん、法月さん、松尾さん「密室キングダム」乾さん、加賀美さん、霞さん、斉藤肇さん、西澤さんという感じでした(あまりメモらなかったので曖昧ですが/汗)あ、黒田さんが評論・研究部門の用紙で小説部門に投票してしまい、少し座が慌ただしくなりましたが、お人柄故かすぐに笑いに変わり、会場の空気が和んだのが印象的でしたね(終盤で大勢が決していたこともありますが)中途で結果が見えた小説部門に対し、デッドヒートになったのが評論・研究部門。こちらも授賞する事になる「探偵小説の論理学」が快調に飛ばし、圧勝と思いきや「法月綸太郎ミステリー塾」と「名探偵たちのユートピア」も票を集めだし、終盤は混沌とした争いへ。無学なので1作も読んでいませんでしたが、単純にグラフを眺めているだけでも楽しめましたw無事に開票も終了し、1時間後の17時半に記者会見を行うという流れに。それまでの空いた時間は過去に参加された方のレポで非常に羨ましく感じていたサインタイムwこの時の為に鞄一杯に用意して来た本を携え、会場に来ていたミステリ作家さんにアタックして来ましたが、お世辞抜きでどの作家さんも嫌な顔一つせずに気さくに応じてくれて感謝感激!「みっつ」という音で聴いても妙なHNに笑いながらも皆様、丁寧に書いてくれましたよ(途中から紙に書き、これで!とお願いしましたw)結局、十分な時間があったので持って来た作品で会場にいた方からは全員頂けました。12名分(綾辻さん、有栖川さん、乾さん、歌野さん、大倉さん、加賀美さん、北村さん、黒田さん、柄刀さん、二階堂さん、法月さん、三津田さん)あと、著作が無かったので泣く泣く諦めたのが、霧舎さん、篠田さん、道尾さんでした。思い出深いのは、字が下手でと言いながら「オージロー」まで書いてくれた大倉祟裕さんと後半に会場にやって来て作品からは考えられない明るさでサインに応じてくれた三津田信三さんですねw三津田さんは、連続してサインに応じた為に私のサインペンを使い続け、それを笑いの種にしてくれるキャラが非常に面白く、更に好きになりましたよw昨年、出席した座談会といい、本格ミステリ作家クラブの方達は本当に暖かくファンに接してくれるので有り難いですね。サインして下さった作家の皆様、ありがとうございました!!そうこうしている内に17時半になり、記者会見開始。小森さんが所用で不出席という事で、質問の焦点は有栖川さんになりました。基本的に司会者の北村さんとの兼ね合い、途中で毎日新聞の記者からの質問という感じでしたが、いい加減にメモを取ったので再現が困難ですが、とりあえず箇条書きで様子を書いてみようと思います。この賞は本格ミステリの為の賞なので、本格ミステリが書き続けられる限り存在するし、存在する事に意味がある。なので、誰が獲っても良いと思っている。そして、賞を獲ったからといって急にパワーアップする訳ではないし、それを励みに更に精進しなければいけない。(北村さんの「この喜びを最初に誰に伝いたいか」という質問に対し)一緒に上京して来た妻に伝えたいが、どこかで携帯を無くしてしまったみたいで伝えられていない(会場、爆笑)中々、新作が出なかったのは東京創元社の現行の催促が厳しくないから(会場、笑)このシリーズは、書きたいように書いたデビュー作から続くシリーズであり、非常に愛着がある。でも、5部作完結編となる次作で区切りを付けて別れる時期かもしれない。その5作目は、どんな様式になるか混沌状態で上梓には時間が掛かりそう。私にとって長い長いデビュー作のようなもの。完結させ、更に上を目指したい。まだまだ内容の濃い話をしていましたが、私が覚えているのは、この程度。あとは、他の方のレポかジャーロを参考に。流石は、関西人らしい笑いも取りつつの会見で非常に楽しかったです。一般参加者にも何でも良いから質問ないですか?と、振って貰ったのですが、誰も質問できず。私も「今年の阪神強いですよね!」とか、全く関係ない話しか浮かびませんでしたよwそんなこんなで、無事に終了し、歌野さんの1階出口までの見送りという至れり尽くせりな待遇を受け、帰路へ。途中まで、特に親しくして貰ったコナン君や某ミス研部長のluneさんとも一緒でした。ミス研の人とは初めて会ったので、活動内容とか聞くだけで興味深かったですし、流石は部長だけあってミステリに詳しく、喋っていて楽しかったですね。幸か不幸か、うちの大学にはミス研なかったですし(でもミステリ読み始めた卒業の年だから何にせよ無意味かw)あと、驚いたのは3回連続で当選しているという女性の方が居た事です(汗)いや、世の中には物凄い豪運の持ち主がいるんですね~。私も2年連続!・・・は、かなり難しいですが、来年も応募だけはしますよ~!それと今年も6月の座談会には是非とも参加したいですねぇとにかく、本当に充実した1日を送れました。以上、拙いレポでしたが、最後までお付き合い頂き、ありがとうございます!作家の皆さん、スタッフの皆さん、参加者の皆さん、お疲れ様でした。
2008年05月14日
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随分とご無沙汰になってしまいましたが、久々の日記です。GWを挟み、かなり暖かくなって来ましたね~。このまま夏突入で、去年の悪夢再びになりそうで怖いですwでは、今回も先に最近読んだ本を並べます。・あさのあつこ 「バッテリー 4」・あさのあつこ 「バッテリー 5」・あさのあつこ 「バッテリー 6」・芦辺拓 「紅楼夢の殺人」・天野純希 「桃山ビート・トライブ」・有川浩 「空の中」・有川浩 「海の底」・石神茉莉 「人魚と提琴 玩具館綺譚」・恩田陸 「猫と針」・霞流一 「死写室」・近藤史恵 「二人道成寺」・西尾維新 「刀語 第十一話 毒刀・鍍」・西尾維新 「刀語 第十二話 炎刀・銃」・真山仁 「ハゲタカ(下)」・三津田信三 「首無の如き祟るもの」・皆川博子 「倒立する塔の殺人」今回も中々にバラエティに富んでいますが、長々と読んで来たシリーズもののラストが多い気がします。以下、感想です。 ・あさのあつこ 「バッテリー」長々と読んだシリーズの最たる例・・・と言うより、1巻を読んでから最終巻に至るまでの道のりが長かった。多分、3年近く掛かっていますよ(汗)文庫化待ちに徹した上に、3巻から先を中々読まず、今回やっと3冊一気に読むというバランスの悪さ。その為か、序盤と中盤以降では受ける印象がだいぶ違った気がします。特に主役を食った感すらある横手の瑞垣登場以降は、バッテリーを軸にしつつも周りの脇役の動きが非常に光り、かなり幅の広い楽しみ方が出来ました。とにかく、児童文学という枠組みからは良い意味で逸脱したシリーズに間違いありません。後日談を瑞垣視点で描いたという「ラスト・イニング」も非常に気になるので呼んでみようかと思います。 ・芦辺拓 「紅楼夢の殺人」数年前の本格ミステリ大賞候補にもなった作品で、中国の古典「紅楼夢」を舞台に不可能犯罪が描かれるという変り種。最初は登場人物の多さと舞台となる「大観園」の広大さ(巻頭に図がなければ投げ出していた!)に圧倒されますが、慣れてくると事件の魅力と相まって一気に読み進められました。トリックを含めて結末も納得いくものでしたし、中国古典好きとしても楽しめた作品でした。 ・天野純希 「桃山ビート・トライブ」今年の小説すばる新人賞受賞作品ですが、粗筋に惹かれて読んでみました。安土桃山時代末期を舞台に個性的な音楽の才能を持つ4人の若者が一座を結成し、権力者に媚びない独自の音楽を追い求めるという中々に面白い設定の作品。若干、話的にアップダウンが少ないのが残念ですが、史実の出来事と絡ませた終盤のカタルシスは一読の価値有りだと思いますし、こういうコンセプトの作品は嫌いではないです。今後の作品にも注目してみようかと思います。 ・有川浩 「空の中」 ・有川浩 「海の底」最近、よく読んでいる有川さんの初期作品。どちらも十八番の自衛隊を軸に青春小説の要素を注ぎ込んだ作品ですが、謎の生命体とのコンタクトを描いた「空の~」に突如、横須賀を襲撃する甲殻類の脅威を描いた「海の~」とSF色も強く非常に楽しめました。特に「海の~」は、開始10ページ程度で一気に物語が混迷を極めるクライマックス振りが素晴らしく、更に潜水艦に閉じ込められた少年少女と破天荒な自衛官2人を中心に様々な立場で災害に立ち向かう人々が魅力的で読み応え十分。大傑作ですよ。先に両作の後日談を含む短編集「クジラの彼」を読んでいてのが少し悔やまれますが、それはそれで安全弁としてハラハラしながらも安心して楽しめたので良かったかなと思いますw ・西尾維新 「刀語」毎月1冊12ヶ月連続刊行が売りの講談社BOXの「大河ノベル」作品ですが、西尾さんと並行して流水御大、今年は島田荘司さんと多作型作家じゃないと途中で大変な事になりそうな企画ですねwまだ「戯言」シリーズ未読で単発やノベライズしか読んでいなかった私にとって始めて読んだ西尾さんのシリーズ作品でした。今シリーズ、基本路線は格ゲーで、日本全国を旅しながら毎巻毎に特殊な刀を持つ敵と無刀の主人公が戦うという流れで、マンネリになりそうな所を巧く引っ張っているという感じです。特に素晴らしいのは、日本最強の剣聖と戦うという四話目で西尾さんの才能を思い知りましたwこれは素直に凄いですよ。軽快な会話や漫画的な展開といい一種のライトノベルとして非常に読み易いのですが、少し気になったのは粗筋にページを律儀に費やしている点でしょうか。ともかく、読後感も悪くないですし、試みを含めて12冊読んで損のない作品でしたが、図書館を利用しなければ手が出ないのは事実ですね~。 ・真山仁 「ハゲタカ」いや、これは圧倒的に面白かった!NHKのドラマ版は再放送を含めて数回観ていましたが、原作と違う点が多く、そういう意味で後に読んでも全く問題なかったです。狂乱のバブルを経て、現実を直視せねばいけない状況に追い詰められた日本経済に降り立ったハゲタカ・鷲津のシビアな手腕には痺れますし、見え隠れする鷲頭の過去にも興味を引き付けられます。作中の事件は現実に日本で起こった出来事をベースしているので、私の様な無知な若造にとって非常に勉強になりましたw現在、続編を読書中ですが、こちらも目が離せない作品で先が気になりますね。 ・三津田信三 「首無の如き祟るもの」ラストは高い評価しか聞かない三津田さんの「首無~」です。シリーズ3作目になり、少しホラーの要素は薄めになった感もありますが、それを補う様に凝った構成になっただけでなく、文章的にも簡潔で読み易くなったのは有り難いですね。トリックの壮大さは期待以上な上に、毎回楽しみにしているラストのサプライズも健在ですし、とにかく頭から尻尾の先まで楽しみぬける本格ミステリに仕上がっていると思います。以上が今回の感想でした。前回の日記で書いた「本格ミステリ大賞」が近日中にあるので、会場からの速報とレポは何とかしようと思います!あと、こちらも毎年恒例の「インターネットで選ぶ本格ミステリ大賞」に候補作全て読めたので投票しましたが、有栖川さんの「女王国の城」と三津田さんの「首無~」で迷った挙句、結局は「首無~」にしました。無難ですが、素直に決めました。まだ締め切り前なので候補作全て読めた方は投票してみてはどうでしょうか?そんな訳で、速報&レポをお楽しみに!
2008年05月07日
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ちょっと前からですが、mixiに参戦しました。今後はこちらは趣味(読書オンリーですがw)でmixiには日常の出来事を書いて行こうかと思います。常連の方でマイミクになっても良いという方がいれば連絡下さい。
2008年05月02日
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今回も貼り付け更新で失礼します。今月16日で関東に引っ越して1年になりますが、正直言ってあっという間でした。もう1年経ったのという感じですねぇ。いまだに東京に出ると戸惑いが多いですが、そもそも東京まで行く用事も全然なく、埼玉の片田舎で細々とやっておりますw色々、思う所もあったのですが、今回は予想外のビッグボーナスがあったので、そちらをピックアップしつつ、お馴染みの読書話に終始しようかと思いますwさてさて、ビッグボーナスとは以前応募した本格ミステリ作家クラブが主催する「第八回本格ミステリ大賞公開開票式ご招待」に当選し、来月の開票式に出席することになりました!!綾辻行人さんと北村薫さんのサイン入りの招待状を頂いただけでも嬉しいのですが、当日はミステリ作家さんも多数出席するはずなので憧れの作家さんを生で見られる大チャンス到来ですよ!以前参加された方のレポート等を読むと気軽にサインにも応じて貰えるみたいなので何冊か仕込んで行きたいですw幸運にも今年の候補作は現在読書中の三津田信三さんの「首無の如き祟るもの」以外は既に読み終わっているので、親近感十分に開票を楽しめますし、速報やレポもやりたいですね。とにかく、来月の中旬が待ち遠しいです!では、ここからは例によって最近読んだ本のリスト&特にお気に入りの作品の感想です。・有川浩 「阪急電車」・アンソロジー 「吹雪の山荘 赤い死の影の下に」・小川一水 「老ヴォールの惑星」・乙一 「The Book jojo`s bizarre adventure 4th another day」・おーなり由子 「てのひら童話 1」・岸田るり子 「ランボー・クラブ」・北森鴻 「香菜里屋を知っていますか」・朱川湊人 「都市伝説セピア」・中町信 「三幕の殺意」・成田良悟 「がるぐる!<上>」・成田良悟 「がるぐる!<下>」・西尾維新 「刀語 第九話 王刀・鋸」・西尾維新 「刀語 第十話 誠刀・銓」・畠中恵 「アコギなのかリッパなのか」・東野圭吾 「ダイイング・アイ」・真山仁 「ハゲタカ(上)」・結城信孝(編) 「絶体絶命 ギャンブル・アンソロジー〔ゲーム篇〕」 ・有川浩 「阪急電車」つい先程読み終わったのですが、これは傑作でした!タイトル通りに今津線の阪急電車を舞台にした物語で章毎に視点を変えつつ、乗り合わせた常客達の人間模様が描かれて行きます。有川さんらしい甘酸っぱい直球の恋愛話も登場しますが、意外にもドロドロした話も多くて話にメリハリがありました。往路・復路を描き、最終的に物語を綺麗に収束させているのも良いですね。個人的には、討ち入りをした美人の姉さんと孫を連れた老婦人のパートが好きですw ・アンソロジー 「吹雪の山荘 赤い死の影の下に」笠井潔、北村薫、若竹七海、法月綸太郎といった豪華メンバーのリレーによる本格ミステリ作品ですが、面白いのは参加作家の持ちキャラが必ず1人登場している点。長編とは違って飄々と活躍する法月綸太郎はやはり大好きですし、苦心の跡が窺える北村作品の「私」の扱いは楽しいですね。リレー作品らしく複雑に二転三転する事件も納得できる形で終わっていますし、オールスター夢の競演まで楽しめたので大満足の作品でした。 ・小川一水 「老ヴォールの惑星」2006年の「SFが読みたい!」で1位に輝いた短編集ですが、その肩書きは伊達ではなく、十二分に高いエンターテイメント性を備えた傑作揃いの作品に仕上がっています。特に地下迷宮に投獄された人々が動物の様な生活を強いられながらも生きて行こうとする「ギャルナフカの迷宮」とほぼ海のみで構成された惑星を漂流しながら行き続ける男を描いた「漂った男」には圧倒されました。絶望に近い状況ながら常に前向きに進もうとする登場人物達には読み手を強烈に引き付ける力が感じられましたし、どちらのラストも素晴らしい幕引きになっていると思います。これは、本当に凄い作品ですよ。 ・乙一 「The Book jojo`s bizarre adventure 4th another day」乙一作品を読む前から話だけは聞いていた乙一さんによる「ジョジョの奇妙な冒険」第四部のノベライズ作品。大好きな漫画だけに随所に盛り込まれた小ネタから乙一さんのリスペクトが感じられました。自身の作風を活かしつつオリジナルの敵スタンド使いを生み出し、原作のキャラと戦わせ、尚且つ納得の行く結末まで用意するという離れ業を描き出しています。原作ファンも唸る作品に仕上がっていると思いますが、少し残念だったのは第四部で一番好きな岸辺露伴が狂言回しにしても活躍の場が少なかった点ですねw ・北森鴻 「香菜里屋を知っていますか」幅広い作風の北森さんですが、バー「香菜里屋」を舞台にした今シリーズも4作目。そして、予想外にも大きくシリーズとして動いている作品でもありました。バーの客が持ち込むチョッとした謎をマスターの工藤が解くという基本的なスタイルはそのままですが、今作では連作的に工藤の周囲でも物語が進み、そして・・・。表題作では何度か視点が変わり、お祭り的な側面もありますが、やはり何とも言えない読後感を残す、続編が非常に気になる作品に仕上がっています。 ・朱川湊人 「都市伝説セピア」最近、直木賞受賞作「花まんま」が文庫化されていましたが、このデビュー作が初の朱川作品でした。収録された短編全てに一種のノスタルジックな感覚と怪しげな雰囲気が装備されており、現代敵ながら江戸川乱歩を連想する世界観は非常に新鮮でした。ホラーやファンタジー、SFといったジャンルの垣根を軽々と飛び越えているという感じで短編好きにとってはバラエティ豊かで飽きがこない満足度の高い作品でした。いつか「花まんま」も読まねばですよ。 ・成田良悟 「がるぐる!」ラストはライトノベル作家で今最も好きな成田さんの「がるぐる!」です。今作は無法地帯と化した人工島を舞台としたシリーズの3部作完結編で上下巻併せて700ページと中々に読ませてくれる作品です。これまでの伏線は勿論、過去の作品に登場したキャラも続々登場して大暴れと「バッカ―ノ」的な馬鹿騒ぎも健在で作者の面目躍如といった感じでしょうか。相変わらず個性的過ぎるキャラの書き分けも巧みですし、まだ途中までしか読んでいない「バッカ―ノ」よりも現時点では、こちらのシリーズの方がお気に入りですね。とにかく、この人の作品は手当たり次第に読んで損なしだと再確認しましたw以上、今回も駆け足ですが、とりあえず読書感想も書けました。ただ、冒頭でも書いた様に引っ越して1年と言う事で今度は読書以外の近況やら何やらを出掛ける予定のない今週末に暇を見つけて書こうかと思います!こうやって予告して自分にプレッシャーを掛ければ書くのではと自分に期待していますw
2008年04月16日
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大体、3週間おきの更新が定番となって来ましたが、今回も例によって会社から更新です。そろそろ本格的に春がやって来るという訳で暖かくなって来ましたが、かなり今年は花粉が多いようで職場では花粉に苦しんでいる人が非常に多いです。花粉無縁地帯の北海道で生きて来て、これまで話でしか知らない花粉の脅威を目の当たりにし、かなり脅えています(汗)今は他人事ですが、いつ自分の身に降りかかり、苦しむかと思うと恐ろしいですよ・・・。ではでは、ここからはお馴染みの最近読んだ本を並べた上で特に印象的だった作品の感想を書いておこうと思います。以下が最近読んだ本です。・赤川次郎 「回想電車」・円城塔 「オブ・ザ・ベースボール」・大塚英志 「木島日記 乞丐相」・北森鴻 「写楽・考 蓮丈那智フィールドファイル3」・雫井脩介 「犯人に告ぐ(上)」・雫井脩介 「犯人に告ぐ(下)」・島田荘司 「犬坊里美の冒険」・高田崇 「麿の酩酊事件簿 月に酔」・橘玲 「悪玖夢博士の経済入門」・筒井康隆 「自選短編集 2 ショート・ショート篇 怪物たちの夜」・恒川光太郎 「秋の牢獄」・西尾維新 「刀語 第六話 双刀・鎚」・西尾維新 「刀語 第七話 悪刀・鐚」・西尾維新 「刀語 第八話 微刀・釵」・西島大介 「凹村戦争」・法月綸太郎 「犯罪ホロスコープ 1 六人の女王の問題」・東川篤哉 「もう誘拐なんてしない」・東野圭吾 「時生」・舞城王太郎 「好き好き大好き超愛してる。」・森見登美彦 「きつねのはなし」それでは、改めて感想です。 ・北森鴻 「写楽・考 蓮丈那智フィールドファイル3」北森さんの民俗学ミステリ「蓮丈那智」シリーズも3作目ですが、相変わらず安心して楽しめる優良作品でした。学問上の謎と現実の事件の組み合わせも見事ですが、折角のオチを堂々とネタバレしている作品があったのは少し勿体無く感じました。あと、少しずつですが巻を追う毎にシリーズとしての動きがあるだけに今後の展開が楽しみですね。 ・雫井脩介 「犯人に告ぐ」2004年の「このミス」1位作品で警察小説の傑作と言われる作品ですが、その肩書きは伊達ではなかったです。何と言っても連続児童殺害犯の「劇場型犯罪」に対抗し、警察がニュース番組を活用した「劇場型捜査」に乗り出すという設定と思い通りに進まない一進一退の捜査状況に引き込まれました。山場の多い終盤の盛り上がりと絶妙な読後感を生み出すラストは好きですね。 ・島田荘司 「犬坊里美の冒険」「御手洗」シリーズに度々登場する犬坊里美が主役を務める所謂スピンオフ作品。犬坊里美が司法修習生として動き回るだけに当然、法律絡みの話が多いですが、司法試験を通っているとは思えない程に無知な里美のお陰で読者も付いて来られるようになっております(笑)お得意の豪快なトリックも悪くないですが、気になったのはラストで強引に綺麗にまとめ過ぎている点で正直言って今一つな幕引きだと思います。 ・橘玲 「悪玖夢博士の経済入門」図書館で何となく読んでみましたが、様々な職種の人々の悩みを破天荒なやり方で経済学的に解決(?)する連作短編集。解決方法が非常識極まりなく、とにかく突っ込みどころ満載ですが、その無茶苦茶具合が個人的には心地よく感じました。特に社会心理学の回が大いにツボで思わず笑ってしまいましたが、ちゃんと連作らしいクロスオーバーも見せていますし、意外にきっちりした作品・・・かもしれないです(笑) ・恒川光太郎 「秋の牢獄」デビュー作「夜市」以来注目している作家さんの最新作。どの短編も道具立ては真新しくないと言うか誰もが一度は聞いた事がありそうな設定ですが、この人が描くと新鮮な題材に感じられます。相変わらずホラーとしてもファンタジーとしても読める幅広さと独特の感性で不可思議な世界に酔えました。3編共に味わい深いですが、個人的には「神家没落」が好みです。常に新作が楽しみな作家さんですね。 ・法月綸太郎 「犯罪ホロスコープ 1 六人の女王の問題」本を出す度に必ず久々と言われる法月さんの久々の短編集です(笑)基本的にジャーロに掲載された短編がメインですが、既読の犯人当てアンソロジーに収録されたものもあり、どこまでも純粋な本格ミステリばかりです。時代の流れと言うか、最近の時事ネタも作品に絡めているのが妙に印象深かったです(だってビリー隊長の話とかが平気な顔で出てくるのですよ/笑) ・東川篤哉 「もう誘拐なんてしない」当代随一のユーモアミステリの書き手・東川さんの最新作でタイトル通りに誘拐ものです。惚けた味わいのキャラが演じるドタバタギャグは健在で肩も凝らずに楽しめました。ミステリとしては、お馴染みと言えるトリックが登場するだけに驚きは薄目でしたが、終盤にあくまで東側さん風ですが盛り上げてくれたので満足な作品でした(笑) ・東野圭吾 「時生」実は、この作品で文庫化された東野作品は全て読破出来ました!幅広い作品の東野さんといった具合に今作もSF的な要素を踏まえつつ巧い具合に物語が展開されています。基本的にタイムスリップものの変種という感じですが、駄目人間な主人公にもどかしさを感じさせ、何だかんだ応援したくなる雰囲気を自然と作り出しているのは流石。非常に収まりの良いラストも見事ですよ。 ・森見登美彦 「きつねのはなし」ラストは大注目の森見さんの作品ですが、読むまで狸が主役の「有頂天家族」の対の様な作品を想像していたのですが、全く違いました(笑)それどころか、これまで読んだ森見作品で圧倒的にシリアスと言うか、同じく大学生が主役でも馬鹿騒ぎ的な賑やかさではなく、淡々と魔都としての京都を描いて見せている感じですね。正統派の幻想小説として寒気すら感じる不気味な雰囲気が堪らないですよ。何と言うか、惚れ直しました。今回は期せずして短編集を多く読んでいますね~。期待に違わず、どれも非常に楽しめましたし、やはり自分は短編好きだと再確認できた気がします。実は今週の日曜が26歳の誕生日なのですが、毎度の事ながら実感ないですね(笑)それにしても早いもので、こちらに来てそろそろ1年なのですね~。次の1年も良い年にしたいものです。あ、花粉の被害は最小限で(笑)
2008年03月28日
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人間、何に対しても慣れてくるもので、不便で仕方ないと思っていた貼り付け更新も苦にならなくなって来ましたw前回の更新時に大騒ぎしていた仙台での結婚式にも無事に参加でき、久方ぶりにあった親戚と楽しい週末を過ごせました。残念ながら牛タンを食べる時間や中心街を散策する時間はありませんでしたが、それは今度の楽しみに取っておきます・・・。若干、翌週に疲労を引き摺りましたが、基本的に一定のリズムで読書は継続出来ており、読みたかった作品を読めたこともあって中々に充実しているのではと思います。最近読んだ本は下記の通りです。・有川浩 「図書館危機」・有川浩 「レインツリーの国」・有川浩 「クジラの彼」・伊坂幸太郎 「ゴールデンスランバー」・上橋菜穂子 「夢の守り人」・M 「L change the World」・大崎梢 「晩夏に捧ぐ 成風堂書店事件メモ(出張編)」・太田忠司 「奇談蒐集家」・桜庭一樹 「私の男」・瀬名秀明 「贈る物語 Wonder」・筒井康隆 「出世の首」・西尾維新 「刀語 第二話 斬刀・鈍」・西尾維新 「刀語 第三話 千刀」(←「つるぎ」なのですが表示されませんでした/汗)・西尾維新 「刀語 第四話 薄刀・針」・西尾維新 「刀語 第五話 賊刀・鎧」・早川書房編集部編 「星界マスターガイドブック」・東野圭吾 「天空の蜂」・古川日出男 「ゴッドスター」・横山秀夫 「深追い」以下、例によって特に気に入った作品の感想を書いて行きます。 ・有川浩 「図書館危機」 ・有川浩 「レインツリーの国」 ・有川浩 「クジラの彼」いきなり有川作品3連発ですw上から順に行きますが「図書館危機」は前回感想を書いた「~内乱」の続編でシリーズ3作目。前回のラストを踏襲しつつ今作でも巧い具合に話を展開していますし、最終巻を読まざるを得ない見事な引きも見事。基本的に脇役好きとしては、鉄板と断言出来る主役の恋愛模様よりも同期の2人の方が気になります!タイトルからして「~革命」と気になりますし、どんなラストになるのか早く読んでみたいですね。「レインツリーの国」は「~内乱」の作中に登場した本を実際に他社から出版したというスピンオフ作品。200ページ程度と短めですが、密度は非常に濃く、安穏と生きている身としては色々と考えさせられるメッセージ性も備えています。ちょっとビターな恋愛も真正面から描いており、かなり読ませる作品になっていると思います。多くの人に読まれて欲しい作品という感じですね。ラストの「クジラの彼」は、恋愛小説中心の短編集なのですが、この作者らしい「ベタ甘ラブロマ」(あとがきより)と同時に自衛官の恋愛という点が非常にユニークです。しかもアプローチの仕方も多彩でマンネリなんて考えられないバラエティに富んでいます。個人的にお気に入りなのは、自分に年齢が近いキャラが登場し、札幌を舞台にしている「国防レンアイ」ですね~。あと、表題作を始めスピンオフ短編も収録されていたので本舗の「海の底」「空の中」も読んでみようかと画策していますw ・伊坂幸太郎 「ゴールデンスランバー」仙台行きには間に合いませんでしたが、久々に読めた伊坂さんの最新作。「魔王」以降の伊坂さんなりの政治色を作品に反映させるという路線は健在で、今作ではケネディ暗殺を題材にしています。当然ながら待ち望んだ伊坂節も健在ですし、濃い目のキャラが織り成す物語には引き込まれます。ただ、初期の作品に比べると終盤の展開が意外に感じますが、爽快感を感じさせずにはいないラストはやはり素晴らしいです。間が開いてしまったので気付かなかったリンクも多々ありそうなので、いずれ洗い直したいですねw ・上橋菜穂子 「夢の守り人」文庫化に合わせて読み進めている「守り人」シリーズ3作目ですが、あまり主要キャラが登場しなかった前作に比べ、1作目に登場した大多数のキャラが活躍し、後日談もカバーされていて非常に嬉しかったです。その為。前2作の不利な状況を少数で打開して行くという基本路線とは異なっていて少し違和感も感じますが、その魅力的な世界観や背景は読んでいて圧倒されっ放しでしたw意図的に情報を集めないようにしているので、今後どういう方向にシリーズが展開して行くか非常に楽しみですよ。 ・M 「L change the World」現在、上映中の「DEATH NOTE」のスピンオフ作品を覆面作家がノベライズした作品です。全文先行掲載された文芸誌「小説すばる」を借りて読みましたが、映画の内容とか全く知らなかったので非常に新鮮な気持ちで楽しめましたwミステリ色は西尾維新さんの作品の方が強いですが、後日談の強みと言える様々なエピソードや小道具は非常に効果的に使われていましたし、綺麗なラストも好きですね。やはり作者が気になりますが、本格ミステリ的な要素が薄い点とあとがきで川端裕人さんに謝辞をしている点からSF畑の中堅作家と推理します!具体的にピンポイントでは無理ですww ・桜庭一樹 「私の男」最後の最後で読みたくて仕方なかった「私の男」ですが、評判通り凄まじい作品でした。どうしょうもない位に重いテーマを独特の文体で一種の軽やかさすら感じさせて読ませる手腕は圧巻。物語が花の結婚から遡及して描かれて行き、2人の原風景に迫って行くという手法も効果的ですね。入れ替わる語り手が各々の視点から得体の知れない何かを意識する描写には鳥肌が立ちました。ノワール作品としては「白夜行」を思い出しますが、それ以上の闇や救い難さを感じますし、骨の髄までどっぷりと浸れる作品かと思います。何と言うか、桜庭さんの目指す遥か高みの一端を教えられた感がありましたが、当然ながら今後も食らい付いて行きたいですね。そういえば、先日放送された「情熱大陸」に桜庭さんが出ていて直前に教えて貰ったので幸運にも観れました!でも、まさかサイン会に参加して1年も経たない内に直木賞作家になるとは・・・。本当に末恐ろしいですねぇ。以上が感想でした~。改めて並べてみると最近多く読んでいた本格ミステリは休止状態でしたね。でも読みたかった作品が一気に読めたので大満足ですwあ、ラストにこぼれ話を1つ書きますが、一昨年から使っていたニンテンドーDSが故障しやがりました(汗)正確にはAボタンが効きにくくなり、気付かずに「FF4」を連射してプレイしていた所、アクティブ・バトルなのでモンスターに一方的に撲られて全滅寸前でした。昨年末のPS2に続いてなのでやり切れないですが、幸い画面をタッチすれば平気なので最悪の事態ではないです、多分。とはいえ、不便は不便ですし、時代遅れにも初期型だったので、いずれLiteに買い換えようかなと思います。とはいえ、これで6月に出る「メタルギア・ソリッド4」の為にPS3を買うという野望が遠のいたのは間違いないですし、何とも巧く行かないものですよ・・・。
2008年03月07日
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皆さん、こんにちは。今回も貼り付け更新で失礼しますw今週末は従兄弟の結婚式で仙台へ行く為、更新に行く機会が無さそうだったので苦肉の策という訳です。その仙台行きも安価な高速バスなので今日の深夜出発するので、仕事終わりで即旅路に着きます。到着は明日早朝、明後日の昼の式に出、夕方に再びバスで帰る、という強行軍。来週の週頭に尾を引かないか心配ですね・・・。せめて、比較的自由時間の多い明日は牛タンでも食べて仙台を満喫したいですよwそれでは、いつもの更新という訳で以下が最近読んだ本です。案の定、ミステリ中心の読書生活が続いていますね。・有川浩 「図書館内乱」・石持浅海 「温かな手」・大倉崇裕 「三人目の幽霊」・大倉崇裕 「七度狐」・大崎梢 「配達あかずきん」・太田忠司 「五つの鍵の物語」・太田忠司 「甘栗と金貨とエルム」・田中芳樹 「隋唐演義 五 玄宗と楊貴妃ノ巻」・津原泰水 「ルピナス探偵団の当惑」・津原泰水 「ルピナス探偵団の憂愁」・東野圭吾 「虹を操る少年」・万城目学 「ホルモー六景」・道尾秀介 「ラットマン」・森見登美彦 「有頂天家族」・結城信孝(編) 「白熱 ギャンブル・アンソロジー〔競馬篇〕」では、上記の中で特に印象的だった作品の感想です。 ・有川浩 「図書館内乱」つい最近完結したシリーズの2作目ですが、そもそも1作目「~戦争」を読んだのが刊行された直後だったのでブランクが空いてしまいました。とはいえ、独特過ぎる設定がインパクト大だったので違和感なく読めましたし、非常に濃いキャラ達の内面を掘り下げて世界観を広げる事に成功しているのも好印象ですね。なんやかんやでシリーズとしての本筋も進んでいますし、残り2作でどうやって図書館を巡る状況と恋愛模様が展開して行くか非常に楽しみですw ・石持浅海 「温かな手」石持さんの最新作は連作短編集でした。このシリーズはアンソロジーで2編だけ既読でしたが、ちょっと不思議な探偵役を軸にした肩の凝らない本格ミステリという感じで安心して読めました。表題作にして最終話も綺麗にまとまっていて読後感も良いですし、これからも妙な設定で本格ミステリを書いて行って欲しいですw ・大倉崇裕 「三人目の幽霊」 ・大倉崇裕 「七度狐」こちらはシリーズ2作続けて読んだので一気に書きます。「落語」シリーズと呼ばれる2作ですが、本格ミステリと落語の相性の良さを再確認させる面白みが溢れています。本格ミステリ大賞の候補になった「七度狐」の古典趣味的な展開や何とも言えないラストも見事ですが、短編好きとしてはやはり「三人目の幽霊」が気に入りました。適度な長さの中で落語とミステリを同時に楽しめる贅沢な短編集ですよ。お薦めです。 ・大崎梢 「配達あかずきん」話題になった作品でしたが、やっとこさ読めました。書店員を主役としたミステリで登場する謎も本屋絡みのものばかりで、舞台と同様の駅ビルの本屋を訪れる機会が最近多いのも想像し易く、プラスに作用しました。そんな訳で、初めて読む作家さんでしたが、存分に楽しませてもらいましたし、既刊のシリーズも読んでみたいと思います。あと、巻末に書店員の対談も収録されている様に実際に書店で働いた経験のある人が読むとどう思うのか気になりますね~。 ・田中芳樹 「隋唐演義 五 玄宗と楊貴妃ノ巻」仕事を終え帰宅し、真っ先に1日に1話ずつ読み続け、80日掛けて4冊読破しました(1冊20話、1巻目は札幌で既読)基本的な流れは以前に読んだ別訳の「隋唐演義」と同様でしたが、細部は忘れている部分が多く新鮮な気持ちで楽しめました。巻末に収録された対談や付録も楽しいですし「三国志」程に読み込んでいないので、いずれ再読したい作品ですね。 ・津原泰水 「ルピナス探偵団の当惑」 ・津原泰水 「ルピナス探偵団の憂愁」こちらもシリーズ作品を一気に読みましたが、思っていた以上に良かったです!「~当惑」は高校生探偵団が遭遇した幾つかの事件を描いた短編集ですが、いきなり犯人を明かしていたりと「who」ではなく「why」に重点を置いた作品ばかりで不可解な事件が論理的に解体されるのが圧巻です。そして「~の憂愁」は真っ当な続編かと思いきや冒頭で探偵団の1人の死が告げられ、かなり困惑しました。しかも2話目以降、時代を逆行する形で短編が配置されており、行き着く先のラストシーンでは泣きました・・・。津原さんは、これから読んで行きたい作家になりました。名前だけ知っていた「ブラバン」が気になりますね。 ・万城目学 「ホルモー六景」タイトルから分かる通り、デビュー作「鴨川ホルモー」の世界を舞台とした6編からなる短編集。前作の主要キャラも多数登場し、語られなかった部分を補完しつつも新たな繋がりの数々が描き出されていて、このシリーズの勢いは停まらないですね。気になったのは、あえて語り尽くさなかった話があった点で、これは次作以降への助走なのでしょうか?読後、不思議な事に恩田陸さんの「光の帝国」みたいなイメージを受けましたwともかく、絶対に出るであろう続編に期待大! ・道尾秀介 「ラットマン」道尾さんの最新作ですが、私は連載されていた「ジャーロ」で読みました。というか、これ目当てで買ったのに単行本化前に読まないでどうする、自分!wライブハウスで発生した事件と主人公の体験した過去の事件が交差するという構成で内容的には動きも少なく、比較的シンプルかなと思います。ただ、焦点を変えると新たな姿を現す真相の数々とそれを実現させる伏線の妙には脱帽ですよ。個人的には「向日葵の咲かない夏」の方が好みですが、かなり完成度の高い本格ミステリなのは間違いないですね。 ・森見登美彦 「有頂天家族」狸が主役という事しか知りませんでしたが、元々が人間中心でも不可思議な世界観なので狸が主役なら全く違和感なかったですねw相変わらずの飄々とした文体が良い感じですし、登場する狸や天狗も存在感ありますね。今回もホームタウンの京都を舞台に好き勝手やってくれたという感じで楽しめました。読後、1作だけでは勿体無い世界観と思いましたが、どうやら続編が連載中のようなので続編を待ちたいですねぇ。そういえば、未読の「四畳半神話大系」が角川文庫から来月刊行予定なので即座に購入します♪駆け足でしたが、以上が最近読んだ作品でした。仙台に行く前に伊坂幸太郎さんの「ゴールデンスランバー」を読みたかったですが、ちょっと無理でしたね。それと桜庭一樹さんの「私の男」が図書館の予約でもうすぐなので次回更新時には感想が書けそうです。あと、前回の日記で少し書いた「マイ・ベスト・ミステリー 6」収録の有栖川さんの「学生アリス」シリーズの短編を立ち読みで読みましたが、タイトルが確か「望月周平の密かな旅」で時間軸的には「女王国の城」の少し前を望月視点で描いています。青春ミステリとしても楽しめるシリーズだけに普段は脇役の望月が語り手にしていても爽やかな余韻を残してくれますし、これを「一番好きな自作短編」に選んでくれた有栖川さんも益々好きになりましたwそういえば、本格ミステリ大賞の候補作が発表されて「女王国~」も選出されていました。残り4作は「首無の如き祟るもの」「インシテミル」「密室キングダム」「密室殺人ゲーム王手飛車取り」というラインナップで、何と「首無~」以外は既読な上に未読の「首無~」も手元にあるという状況で、大賞が決まる前に候補作5作が読めているという奇跡が起こせそうですw本格ミステリ作家クラブのアンソロジー「深夜バス78回転の問題」の応募券で本格ミステリ大賞公開開票式の招待状が当たるかもしれないという企画に応募予定ですし、昨年運良く参加出来た大賞記念の座談会には今年も行きたい!折角、首都圏の近くに住んでいるので今年はもっとサイン会とかイベントに行きたいものです。その前に仙台に行って来ますww
2008年02月15日
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ども、お久しぶりです。中々、ネットカフェに行けない間に感想を書きたい本が沢山溜まってしまったので、今回は職場から貼り付けで更新します。画像リンクを張る時間も無く、普段以上に読み難くなってしまいそうですが、良ければお付き合い下さい。・赤川次郎 「セーラー服と機関銃・その後 ―卒業―」・赤川次郎 「シリーズ・キャラクター総登場短編集 2 名探偵、大行進!」・我孫子武丸 「狩人は都を駆ける」・有栖川有栖 「女王国の城」・アンソロジー 「新本格猛虎会の冒険」・イッセ―尾形/森田雄三 「ヘイ、タクシー」・久保寺健彦 「ブラック・ジャック・キッド」・佐藤友哉 「世界の終わりの終わり」・島本理生 「リトル・バイ・リトル」・島本理生 「生まれる森」・ドクター・スヌーピー(作)チャールズ・M・シュルツ(絵)鷺沢萌(訳) 「ドクター・スヌーピーの犬の気持ちがわかる本」・成田良悟 「バッカーノ! 2001」・西尾維新 「DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件」・日本推理作家協会(編) 「名探偵の奇跡 最新ベスト・ミステリー」・日向蓬 「マゼンタ100」・古野まほろ 「天帝の愛でたまう孤島」・本多孝好 「真夜中の五分前 side-A」・本多孝好 「真夜中の五分前 side-B」・三津田信三 「厭魅の如き憑くもの」・森博嗣 「ゾラ・一撃・さようなら」・山口芳宏 「雲上都市の大冒険」・山口雅也 「play」・山田正紀 「白の協奏曲」・山本弘 「MM9」・横山秀夫 「臨場」以上が前回更新後から読んだ本ですが、何と言っても待望だった有栖川有栖さんの「女王国の城」を読めました!(感想は後程)あと、図書館を最大限に利用して最近出たばかりの作品を多く読めているのが嬉しい限りですね。そんなこんなで、下記が特に印象的だった作品です。 ・我孫子武丸 「狩人は都を駆ける」「弥勒の掌」以来の我孫子さんの最新作ですが、間もなく新作が出るらしい綾辻さん、新作「犯罪ホロスコープ」が出たばかりの法月さんといい新本格の重鎮が元気で喜ばしいです。以前読んだ「ディプロトドンティア・マクロプス」の前日談を描いたハードボイルドタッチの短編集とあって非常に取っ付き易く、それでいてラストには本格的な要素もきっちり盛り込んでくれていて楽しめました。 ・有栖川有栖 「女王国の城」今回のメインディッシュですが、前評判を裏切らない期待以上の傑作でした!一般的には「15年振り」で私にとっては確か「3年振り」の「学生アリス」最新作でしたが、序盤から物語に引き込みグイグイと読ませ、長さを感じさせず、そして終盤で展開されるあくまで論理的な解決には痺れました。特にラストで何もかも謎が綺麗に解体されるシーンは素晴らしいですね。後書きによると五部作になるらしく、あと1作で完結予定なのが少し寂しいですが、様々なアンソロジーに発表された短編を集めた短編集は楽しみです。最近出た文集文庫の「マイ・ベスト・ミステリー」にも望月が主役(?)の短編が掲載されているみたいなので読んでみたいですねぇ。 ・アンソロジー 「新本格猛虎会の冒険」読みたいけど中々入手出来ないアンソロジーでしたが、ついに入手しました。これは阪神ファンのミステリ作家が阪神ネタを中心にした短編を書き下ろしたという凄い企画なのですが、あの北村薫さんの作品が強烈なバカミスとなっているのには驚かされましたよww有栖川さんの短編も楽しめましたが、最もお気に入りなのは久々に読めた黒崎緑さんのボケ・ホームズとツッコミ・ワトソンが登場する1編ですね。この本が刊行された2003年に阪神が実際に優勝したというのは、いくら何でも出来過ぎだと思いますがw ・久保寺健彦 「ブラック・ジャック・キッド」個人的に注目している「日本ファンタジーノベル大賞」に関係する作品と合っては読まねばいかんでしょう。途中まで、どこがファンタジーと首を傾げましたが、冒頭から「ブラック・ジャック」を愛してやまない少年の視点を通してコミカルながら生々しく小学校生活を描いていて引き込まれました。生半なファンタジー作品を送り出さない賞らしく、読む前に想像していたイメージと全然違いましたが、もっと読みたいと思わせる魅力を備えた作品だと思います。うろ覚えですが、この作家さんは他の賞も取っているらしく、そういう意味でも実力がありそうなので今後も楽しみですよ。 ・西尾維新 「DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件」Lのスピンオフ映画が公開され、その映画のノベライズを覆面作家が描くご時世ですが、やっと私は西尾維新さんのノベライズを読めましたwどんな話か知らずに読みましたが、既に起こった連続殺人事件を追い掛けるという設定ながら本格ミステリとしての要素が非常に濃く、これでもかという具合にケレン味ある謎が登場しております。原作キャラも良い感じですが、南空ナオミさんのイメージは非常に変わりました(これはこれで賛否ありそうですがw)原作を知っている方が、ノベライズなので当然楽しめるのですが、それ以上に骨の髄まで今作を堪能する為には原作を読んでいたほうが絶対に良いと断言できます。 ・古野まほろ 「天帝の愛でたまう孤島」前回の日記でも取り上げた問題作の三部作完結編です。タイトル通りに今作は孤島を舞台とした古典的なクローズドサークルもので好きな設定な事もあって前2作以上に楽しめました。古今東西のネタの洪水も健在ですが、感覚的に慣れて来たのか全く問題なく読み進めることが出来て人間何事に対しても耐性は出来るものだと感心しましたwwミステリとしては、前2作同様に比較的まとまっているので文句はないですが、少し広範にお約束的な部分も出て来たのが不満と言えば不満です。3部作のラストとはいえ、まだまだ続けれそうな雰囲気もありますが、それを置いても今作のラストの展開は某青春ミステリのシリーズを彷彿とさせるものがありますね。ともかく、今後もガンガン書いて行きそうな雰囲気があるので可能な限りは付いて行こうかと思いますw ・三津田信三 「厭魅の如き憑くもの」こちらも「女王国~」同様に待望の読破でしたが、一昨年の本ミス等で話題になって当然の傑作でした。全体的に典型的な閉鎖的な日本の田舎を描きつつ、ホラーの要素をふんだんに盛り込んだ怪しげな雰囲気はそれだけで読み応え十分です。二転三転して読者を惑わせつつ、きっちり落とし所で決める辺り満足出来るのですが、更にプラスアルファを用意しているのが何とも言えない読後感を生みますね。手元にある「首無の如き祟るもの」も早く読みたいですし、春頃に出る最新作も楽しみにしたいです。 ・山口芳宏 「雲上都市の大冒険」ラストは昨年の鮎川哲也賞受賞作です。昭和初期を舞台とした時代設定からも古典的な探偵小説の匂いがしますが、メインの密室からの消失トリックは目から鱗でした。選評にも載っていますが、前例のないトリックと言える発想なのではないでしょうか。あと、一筋縄で行かないキャラクターをした探偵も中々にユニークで解決編周辺の態度は個人的には非常に好きですねwシリーズ化を想定したと思われるエピローグも良い感じですし、新作が出たら読んでみたいと思えるデビュー作でした。期せずしてミステリ作品が多く並びましたが、どれも時間を忘れて楽しめた作品ばかりでした。今も道尾さんの最新作「ラッドマン」を読んでいますし、暫くはミステリ中心で読書生活が進みそうですねw
2008年02月01日
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下の日記で本の感想を書いてしまったので、こちらでは年末から最近までの近況を書いて行こうかと思います。と言っても、やはり本中心ですがwあ、そういえば芥川賞と直木賞の季節なのですね!既にメッタ斬り!でも特設ページが出来ていますが、私も直木賞は桜庭さんの「私の男」が当確だと思います。でも前回の北村さんの例があるだけに予断は許しませんが、流石に2連続で波乱は無いでしょうね。ちなみに今回の候補作で唯一既読は「私の男」ではなく、古処誠二さんの「敵影」でしたwたまたま図書館で読んだのですが、我ながら不思議ですよ(汗)そんな訳で「私の男」をすぐにでも読みたいのですが、手元に伊坂さんの「ゴールデンスランバー」やら森見さんの「有頂天家族」やら三津田さんの「首無の如き祟るもの」と即読みたい本が積まれていて嬉しい悲鳴状態です・・・。ともかく、明日と明後日の休みを利用して1冊ずつ消化して行こうかと思います。話が脱線しましたが、昨年末は28日で仕事納めで、その翌日に羽目を外しに東京へ繰り出し、色々と買物して来たのですが、買って来たゲームをプレイしようと思って大ショック。何と愛用のPS2が全く起動せず、茫然自失してしまいました・・・。PS3を買うかどうか愚弟と協議したのですが、結論は出ずに大晦日を迎え、今年は自宅で「行く年来る年」を観ながら1人心静かに越年ww結局、正月早々に近所のゲームショップで中古でPS2を8000円で購入し、事なきを得ましたが、これでPS2は3台目と既に消耗品と化していることには愕然とします・・・。そんなこんなありましたが、7日から仕事始めでバリバリと働いていますよw今年の目標を書いておくと、とりあえず自宅でネットを出来るようにするは当然ですが、そうすると現状の危機的な読書状況が改善されないので、まだ今暫くしてから導入する予定です。もう少し懐具合も暖かくしておきたいですし。あと、来月の中頃に従兄弟の姉さんの結婚式で仙台に行きますが、これは1泊2日とか強行軍になりそうです。とりあえず、GWには札幌に帰省出来れば良いのですが、まだ未定ですね。あと、お盆には仙台での墓参りを兼ねて東北ぶらり一人旅もしたいのですが、盛岡の金色堂しか観たい物が思い浮かばないので実現は難しそうですw何にせよ先立つものが必要不可欠なので今年も仕事は勿論、残業を多くこなし、少しずつ遊び金を貯蓄して行きたいと思います!wあと、折角関東にいるので今年は昨年以上にサイン会やらイベントに参加したいと思いますが、その為には情報が不可欠で、その為には家でネットが・・・やはりネット導入が最優先ですねwwともかく、適当極まりないですが、今年も宜しくお願いします♪
2008年01月12日
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今更ですが、皆さん、あけましておめでとうございます!!やっとこさ、今年最初の更新に来れました~。本当は正月近辺に更新する予定が、1週間も延びてしまいました・・・。ともかく、今年も無事に年が越せて元気にやっています(笑)とりあえず、最初に最近読んだ本の感想書きたいと思いますが、先に前回時間切れで書けなかった作品からです。 ・古川日出男 「サマーバケーションEP」「アラビア~」以来の古川作品ですが、こちらは夏休みをテーマに現代の東京を見ず知らずの者同士が成り行きで横断するという大人しめな作品です。しかし、今作も引き込んで読ませる力は絶大で一緒に歩いている気になってドンドン読めてしまいますよ。次々に集まってくる妙な人達との出会いと別れ、やはり並みの作家さんではないです。少しは東京の町並みが想像出来る様になっていて良かったですw ・誉田哲也 「武士道シックスティーン」ラストは女子剣道を描いた「武士道シックスティーン」ですが、何となく手に取ってみて良かった思える大好きなタイプの作品でした。思い切り武道に打ち込む少女と気弱で剣道歴も浅い少女が出会い物語が展開されて行くのですが、章毎に各々の視点で語られるのが効果的ですね。メリハリもあってラストまで一気に読ませる優れたエンターテイメント作品だと思います。以上、2作でしたが、どちらも何となく読んだ割に大いに楽しませてもらい嬉しかったですね。図書館を利用するようになり、こういう少し気になる作品を早目に読める様になったのは大きなメリットだと思います。では、以下は最近読んだ作品です。 ・歌野晶午 「舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵」近年、かなり捻くれた作品が多い歌野さんの最新作は、ちゃんとした探偵役が登場する連作短編集でしたwしかし、一筋縄で行かないからこその歌野作品。今作でも解決した事件の違う一面をサラリと描き、終盤にもサプライズも用意されていて楽しませてくれました。再登場の気配の全くしない放浪探偵の様にシリーズ探偵を重宝しない歌野さんだけに続編は難しそうですが、その代わりに「メフィスト」で連載中の「密室殺人ゲーム2.0」がまとまるのを気長に待ちたいですね。 ・加納朋子 「モノレールねこ」久々に読めた加納作品ですが、今作はミステリではなくて読み心地色々な短編を集めたバラエティに富んだ作品でした。どれも絶品ですが、特に表題作と「バルタン最後の日」が大好きですね。どちらも名人芸と言える読み心地に引き込まれましたよ。あと、駄目な身内を題材とした「マイ・フーリッシュ・アンクル」と「ポトスの樹」も素晴らしく、綺麗な落とし所が見事です。やはり、寡作でも加納さんはマークしていて損がないと再確認させられた作品でしたw ・島田荘司 「リベルタスの寓話」御手洗シリーズの中編2本を収録した最新作。長編ではなく、決して書き込みの多くない作品だけに寄り道少なく、得意の魅力的な事件に力技炸裂の解決と一気に読ませてくれます。両作共に東欧の民族紛争を絡め、深刻な国際問題を改めて提示するかと思えば、表題作ではオンライン・ゲームやリアルマネー・トレードといった社会問題まで登場させるエネルギッシュさは凄いです。 ・西澤保彦 「フェティッシュ」唯一、未読だった西澤作品。幅広い年齢層の視点から特異体質を持つ謎の美少年を描きつつ、それを軸として様々な事件が続出するという構成になっていますが、タイトルや装丁からの印象通りに西澤流の陰惨さが際立ちます。何と言うか「猟死の果て」や「ファンタズム」を経て、今作を経由し、大作「収穫祭」に至るという進化の過程が分かった気になりましたwこれからは新作を待つしかないですが、この路線でどこに進むのか、シリーズ作品同様に注目したいです。どうでも良いですが、このタイトルでリンク検索したら物凄い一覧が登場して思わず笑ってしまいましたw ・古野まほろ 「天帝のはしたなき果実」第35回メフィスト賞受賞作の大作で驚くべき事に既に3作目まで刊行されています。私は2作目の「~つかわせる御矢」まで現時点で読みました。何か久々にメフィスト賞らしい作品を読んだという気分になりましたよwとにかく、冒頭から独特極まりない言語やルビ、アニメネタ(主にガンダム系)に圧倒されっ放しで流水御大がデビューした時って、こんな感じだったのかと思いましたw全体的にぶっ飛んだ世界観ながら解決編は比較的真っ当で、主人公達が1人ずつ探偵役を気取り推理を提示する当りは中々に楽しかったのですが、正直言って読むのに高いモチベーションが必要ですね~。かなり賛否両論あるでしょうし、個人的には好みから大きく外れますが、メフィスト賞作品としては大成功な気がします。こういう作品に光を当てるのが役目だと思いますし。とりあえず、三部作のラストを早目に読みたいと思います。 ・宮部みゆき 「ブレイブ・ストーリー」アニメ映画化もされたファンタジー大作ですが、職場で朝の就業前や休み時間のみ利用して1ヶ月半掛けて読破しました。新聞連載を読む様な感覚が新鮮で楽しかったですねwまだ映画版は観ていないので、この長さの作品を2時間でどうやってまとめたのか興味ありますが、ページ数に比例して丁寧にキャラや世界観を描いているので非常に分かり易いです。テーマとなるワタルとミツルの家族との関わり方も大人が読んでも違和感が無いものになっていて誰もが楽しめるというファンタジーの王道を行っている感じがします。ちょっと文字数の関係で、他の事が書けそうに無いので別の日記に書きます。
2008年01月12日
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今回は、ちゃんとネットカフェから更新ですw前回の下半期ランキングと上半期ランキングを併せた年間MYベスト10を作成しました。時間の関係もあるので、今回は一気にベスト10を発表し、まとめとして感想を書きたいと思います。では、長編部門から発表です! <長編部門>10位・上橋菜穂子 「狐笛のかなた」 9位・米澤穂信 「ボトルネック」 8位・森見登美彦 「太陽の塔」 7位・道尾秀介 「向日葵の咲かない夏」 6位・万城目学 「鹿男あをによし」 5位・恒川光太郎 「雷の季節の終わりに」 4位・沖方丁 「マルドゥック・スクランブル」 3位・酒見賢一 「後宮小説」 2位・桜庭一樹 「赤朽葉家の伝説」 1位・古川日出男 「アラビアの夜の種族」 どうしても最近読んだ作品の方が印象が強くなってしまうのですが、それを踏まえても上半期1位の「アラビアの夜の種族」の衝撃は圧倒的でした。ワールドクラスと言って良い位に物凄い物語ですよ。並べてみるとミステリやファンタジーの要素のある青春小説は今年も強かったですが、10・8・6・4・1の作家さんは今年初読みという事で読書の幅が広がったかなと改めて思います。あと、どの作家さんも比較的若くて来年以降も活躍が期待出来るので未読分を含めてドンドン読んで行きたいですね。 <短編部門> 10位・北森鴻 「メイン・ディッシュ」 9位・平山夢明 「独白するユニバーサル横メルカトル」 8位・森岡浩之 「夢の樹が接げたなら」 7位・神林長平 「戦闘妖精・雪風<改>」 6位・森絵都 「風に舞いあがるビニールシート」 5位・加納朋子 「レインレイン・ボウ」 4位・京極夏彦 「後巷説百物語」 3位・柳広司 「百万のマルコ」 2位・米澤穂信 「遠まわりする雛」 1位・森見登美彦 「夜は短し歩けよ乙女」綺麗にトップ3が下半期ランキングの通りになってしまいましたが、オールタイムベストクラスと言っても良い3作なので動かし様がなかったです。前回も書きましたが、特に「夜は~」は「アラビア~」とは違う種類の圧倒的な衝撃を受けた作品でしたwこちらも9・8・7・6・1の作家さんは初でしたが、ジャンル的にバラバラで面白いですwとりあえず、今年も無事に「MYベスト10」を発表出来てホッと一息ですが、最近読んで感想を書きたい本が溜まっているので以下から最近読んだ本の感想を書きます。来年のランキングに名を連ねそうな作品も早くもありますし、楽しみは尽きませんね。 ・石崎幸二 「首鳴き鬼の島」古き良き探偵小説な雰囲気たっぷりな作品。懐古主義なだけでなく現代の先端技術を巧く処理しているのが見事で、謎解きシーンには引き込まれました。王道を進む良質な本格ミステリですね。 ・石持浅海 「心臓と左手 座間味くんの推理」一方、こちらは安楽椅子探偵ものの作品ですが、収録された短編全てに石持さんらしい論理的な解決が用意されていて大満足。石持作品には珍しい名探偵・座間味君が再登場するだけでなく「月の~」とのリンクを見せるラストの締め方も見事です。 ・海堂尊 「夢見る黄金地球儀」デビュー作「チーム・バチスタの栄光」以来ですが、一気に人気作家になった実力を堪能させてもらいました。舞台設定やキャラの立て方がユニークでドタバタ具合も嫌味がないです。終盤で明かされる某キャラの裏側で少し伊坂幸太郎さんの「砂漠」を思い出しましたwシリーズ作品には、かなり置いて行かれているので来年は少し追っ掛けてみようかと思いますw ・倉阪鬼一郎 「四神金赤館銀青館不可能殺人」 ・倉阪鬼一郎 「留美のために」今年何作か読んだ倉阪さんですが、今年刊のこの2作は只事ではないですよ。「四神~」は、途轍もないトリックを圧倒的フェアな状況で抜け抜けとやってみせた怪作で読後は唖然呆然でした。本格ミステリ好きなら読んで損なしですよ!次に「留美~」ですが、こちらも物凄い着想を見事に作品化していて圧倒されました。いや、考え付くだけで凄いのに更に輪を掛けているのには付いて行けませんよw ・斎藤肇 「たったひとつの 浦川氏の事件簿」何年か前の本格ミステリ大賞候補になった作品で気になっていました。斎藤さんの作品は「思い」三部作しか読んでいませんが、こちらも独特の感性で中々に捻くれた作品に仕上がっています。奇妙な事件や状況に遭遇した浦川氏を描いた連作作品ですが、ある仕掛けが非常に秀逸で個人的には大好きですよ。 ・西澤保彦 「聯愁殺」 ・西澤保彦 「腕貫探偵 市民サーヴィス課出張所事件簿」執拗に文庫化を待った「聯愁殺」ですが、我慢出来ず遂に読みましたw論理に拘りのある西澤さんらしく、1つの事件に対して徹底的に妄想入り乱れる推理合戦を展開し、存分に楽しみました。そして、何とも言えない終盤の展開も「らしい」ですねぇ。対照的に「腕貫探偵」は、各話毎に市民サーヴィス課出張所に持ち込まれる妙な話を連作形式で描いています。何度か登場する人物もいて連作としてもミステリとしても楽しめます。これで未読の西澤作品は現時点で「フェティッシュ」だけなので早目に読んでおこうかと思います。 ・藤野恵美 「ハルさん」ミステリ・フロンティア作品なので期待していましたが、これは良かった!娘「ふうちゃん」の結婚式の当日に式場へと向かう父親「ハルさん」が思い出す思い出の数々を日常の謎で包んだ連作作品です。妻を早くに亡くし、父子家庭として苦労し、徐々に成長して行く姿を丁寧に描いており、かなり感動しますよ。心温まる素晴らしい作品だと思います。お薦め!本当は、もう何作か感想を書きたかったのですが、時間的に厳しいので今回は諦めます~。と言うか。今年も後10日程で終わりですね!来週の金曜で会社も正月休暇に入るので年末年始は家で大人しくしてようかと思いますw次回の更新は、多分年を跨いで来年の4日、5日位に来れれば良いのですが、どうなるかは未定の予定ですwwともかく、少し早いですが本年もお付き合い頂き有り難うございました!良いお年を。
2007年12月22日
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さて、今回は平日の真昼間に更新ですが、仕事が休みなのではなく、会社のパソコンにあらかじめ書いた文章を貼り付けているのでしたw昼休みを利用して人知れず作業しているのですが、次にじっくり更新に行けるのが不明なので苦肉の策として最近続々と刊行されているランキング本について旬を逃がさない内に書き込みます。 まだ発表されていないランキングもありますが、今回は早川書房の「ミステリが読みたい!」と宝島社の「このミステリーがすごい!」と原書房の「本格ミステリベスト10」の3冊を取り上げます。1つずつ感想を書いていきますが、未読の方の為に具体的なランクイン作品については言及しません。 <ミステリが読みたい!>今年から刊行の新興勢力ですが、元々「SFが読みたい!」で脈々と培って来た経験からか堅実にまとまった印象があります。若干、海外作品のランキングが冒頭に来ているのに戸惑いを感じますが、海外作品に強い印象のある早川書房ならではなのでしょうか??実は、この本だけ未購入なので詳しいランキングは記憶頼みですが、ほとんど未読作品が並んでいたというのが現状ですねw傾向的には、本格ミステリよりも少し前の「このミス」的な色合いが強い感じもしますが、それなりに先達ランキングとも差別化されていて良いのではないでしょうか。あと、大概の本屋にも並んでいる事からも気合を感じますし、来年以降も続けて欲しいです。 <このミステリーがすごい!>こちらは伝統と実績の20周年を迎え、特別価格500円と気合入り過ぎですね。例年は即買いはしないのですが、今年は当てられて買ってしまいましたw今年のランキングは本格ミステリと警察小説が上位にバランス良くランクインし、1~3位の接戦具合は見物ですが、作家別投票で1位になった作家さんの作品は票割れしているので物凄く高い評価を今年受けたのが分かりますね。かなり好きな作家さんなので非常に嬉しいです!私の隠し玉に特別エッセイも加わっているのも嬉しかったのですが、反面、特別価格の影響か例年よりも今年を振り返る趣旨の企画が少ないのが残念。特に「バカミスの世界」が無いのは私にとってデザートがないのと同様ですよwその分、躍進著しい海堂尊さんの書き下ろしや「このミス大賞」の受賞作の冒頭を掲載したりと自社製法で賄っているのは好き嫌い別れそうです。とはいえ、このコストパフォーマンスは中々出来ないですし、何やかんやで楽しませてもらったと思いますw <本格ミステリベスト10>さて、ラストは最もご贔屓にしている「本格ミステリベスト10」なのですが、これまで札幌駅周辺の大型書店で購入していたので気付きませんでしたが、生半可な規模の書店には置いていないのです(汗)最寄の本屋は勿論、それなりに大きい書店にもなく、近隣の市で最も大きな駅の本屋で発見した時には大袈裟ではなく感動しましたよwただ、その後で青くなった事態がありまして。それは以前書いた「ネット投票」のコーナーで恥ずかしながら今年も私のコメントが紹介されていたのですが、それが何と〇〇で出ていたのでした!別に伏字にしなくても良いのですが、恥ずかしいので伏字にしておきます~。全く記憶に無く、おそらくネットカフェで時間に追われて焦って投票した結果だと思いますが、来年からは気をつけねば・・・。さて、メインとなるランキングでは、1位・2位と見事に未読でしたが、30位までで15作読み終わりと私にしては上出来な結果でした(10位と12位は最近読みました。どちらもお気に入りです)馴染みの企画が多数あって「このミス」と比べて濃い内容なので、じっくりと読みたいと思います。目玉は、綾辻行人さん、西澤保彦さん、霧舎巧さんの座談会と有栖川有栖さん、三津田信三さんのインタヴューでしょうね。駆け足で書きましたが、これから以上のランキングを参考にして更に読書に勤しみたいです。全く知らなかった作品が多数出て来るのは非常に嬉しいですし、ここから未知の作品に新鮮な気分でチャレンジ出来るのは本当に幸せな事ですね。そんな中で最も気になったのは、どのランキングでも高い評価を受けている山沢晴雄さんの「離れた家」です。中短編集と聞いては、短編好きの私にとって無視出来ないですよ!!・・・と言う様なコメントを来年末も書けて毎年毎年、本を読む楽しみが広がって行く事を願っております。
2007年12月10日
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前回アクセス時に「本格ミステリ・ベスト10」の読者投票に参加し、もう年末かと思っていましたが、毎年恒例の「MYベスト10」の事を忘れていましたw本来なら12月頭~5月末までを上半期、6月頭~11月末を下半期として分類しているのですが、今年は引っ越しの為に上半期を短くしてしまい下半期も来週末は更新に来れなさそうなのを鑑みて前倒しで現時点までで読んだ作品を2007年の対象作品としました(汗)時間の関係で20位から5作品ずつまとめて感想を書いていきますが、最近読んだばかりの作には重点を置こうかと思います。でも、やはり20位から書きますwそんな訳で「2007年下半期MYベスト10」を発表したいと思います! <長編部門> 20位・恩田陸 「ロミオとロミオは永遠に」 19位・島田荘司 「改訂完全版 異邦の騎士」 18位・西澤保彦 「収穫祭」 17位・柄刀一 「密室キングダム」 16位・浅田次郎 「憑神」今年刊行された大作と名作、映画化された話題作とバラエティ豊かな作品が並びましたが、どれも読み応え十分で楽しませてもらいました。特に最近やっと読めた「密室キングダム」は圧巻の本格ミステリで、900ページ以上にわたって手を変え品を変えた密室が続出するという豪華版。ミステリ好きなら絶対に読んで損の無い1冊ですね。 15位・道尾秀介 「ソロモンの犬」 14位・枡野浩一 「ショートソング」 13位・森岡浩之 「星界の紋章」 12位・上橋菜穂子 「精霊の守り人」 11位・万城目学 「鴨川ホルモー」個人的に大好きな青春小説の要素の濃い作品(11,14,15位)を選びました。短歌に興味を持たせてくれた「ショートソング」の印象が特に強いですが、間もなく外伝「ホルモー六景」が出る「鴨川ホルモー」も度肝抜かれましたw12月に3作目が刊行される「守り人」シリーズと続編が待たれる「星界」シリーズも今後追い駆けて行きたいです。 10位・山口雅也 「奇偶」 9位・米澤穂信 「インシテミル」 8位・島田荘司 「龍臥亭事件」 7位・宇月原晴明 「安徳天皇漂海記」 6位・上橋菜穂子 「狐笛のかなた」それぞれの趣向で本格ミステリの幅の広さを感じさせてくれた8,9、10は、どれも読んでいて非常に楽しかったです。「守り人」シリーズ以上に「狐笛のかなた」には引き込まれました。あと、宇月原さんの「安徳天皇漂海記」は現実と虚構を奔放な想像力で見事に繋げた素晴らしい歴史ファンタジーでした。歴史好きには強烈にお薦めです。 5位・森見登美彦 「太陽の塔」 4位・万城目学 「鹿男あをによし」 3位・沖方丁 「マルドゥック・スクランブル」 2位・酒見賢一 「後宮小説」 1位・桜庭一樹 「赤朽葉家の伝説」 いよいよベスト5ですが、迷った末の結果がこれです!4位と5位は、青春小説とファンタジーの融合具合が絶品で、万城目さんと森見登さんは今年読んで本当に良かったと思います。「マルドゥック・スクランブル」のカジノ・シーンは小説で読めるギャンブル描写の最高峰でしょう。疾走感溢れるアクションも嫌いでないです。酒見さんの「後宮小説」は、これまでノーマークだったのが本当に悔やまれますが、いや本当に圧倒されましたよ!!そして、1位に選んだ桜庭一樹さんの「赤朽葉家の伝説」からは独特の感性で紡がれた凄まじいまでの物語の力を感じました。元から好きな作家さんでしたが、今作で今後の読書生活で外せない作家さんになったと思います。 <短編部門> 20位・田中啓文 「UMAハンター馬子 完全版」 19位・石持浅海 「人柱はミイラと出会う」 18位・愛川晶 「神田紅梅亭寄席物帳 道具屋殺人事件」 17位・佐藤友哉 「子供たち怒る怒る怒る」 16位・宇月原晴明 「廃帝綺譚」奇しくも最近読んだ作品がズラリと並びましたが、落語とミステリを巧く絡めた18位、舞城作品を彷彿とさせながらも我が道を行く17位、「安徳天皇漂海記」のその後を中華王朝の存亡と絡めて描いて見せた16位とどれも楽しめました。ミステリとSFの違いはあれど軽快に読ませる19位と20位も好きですね。 15位・梶尾真治 「ちほう・の・じだい」 14位・筒井康隆 「日本以外全部沈没」 13位・平山夢明 「ミサイルマン」 12位・北村薫 「語り女たち」 11位・森見登美彦 「[新釈] 走れメロス他四篇」SFの面白さを存分に堪能させて貰った14位と15位、「独白するユニバーサル横メルカトル」再びな独自路線を突っ走った「ミサイルマン」も悪くないです。名人・北村薫さんの筆力が光る「語り女たち」も素晴らしいですし、名作を物凄い形に換骨奪胎した森見登さんには「いいぞ、もっとやれ!」と言ってあげたいですw 10位・京極夏彦 「前巷説百物語」 9位・宮部みゆき 「ぼんくら」 8位・桜庭一樹 「青年のための読書クラブ」 7位・舞城王太郎 「みんな元気。」 6位・森岡浩之 「夢の樹が接げたなら」シリーズの黎明を丁寧に描いた「前巷説百物語」に何を書いても達者すぎる宮部さんの「ぼんくら」と時代ものも多く読んだ年でしたね。連作作品として独特の世界観を構築している「青年のための読書クラブ」はサイン会にも行けて思い出深い作品になりました。短編でも存分に個性発揮の舞城さんの「みんな元気。」にどの短編をとっても設定から素晴らしい「夢の樹が接げたなら」とお気に入りの作品ばかりです。 5位・神林長平 「戦闘妖精・雪風<改>」 4位・森絵都 「風に舞いあがるビニールシート」 3位・柳広司 「百万のマルコ」 2位・米澤穂信 「遠まわりする雛」 1位・森見登美彦 「夜は短し歩けよ乙女」さて、短編部門もベスト5の発表です!5位の「戦闘妖精・雪風<改>」は本来なら長編といって良い作品ですが、1話完結としても十二分に楽しめるので短編部門にしました。「SFマガジン」に連載中の3作目も楽しみです。「風に舞いあがるビニールシート」は、作者の力量の高さが窺える絶品ばかりで魅了されました。柳広司さんの「百万のマルコ」は、小粒ながら妄想に彩られた魅力的な謎の数々に監獄内の推理合戦と個人的に大好きな趣向の作品ですね。2位には、先日読んだばかりの米澤さんの「遠まわりする雛」を選びましたが、これは大好きな作品になりました!待望の「古典部」シリーズの短編集な上に登場する謎も「らしさ」全開ですし、些細な描写を伏線とする連作趣向も良いです。お気に入りは、ほろ苦い「手作りチョコレート事件」ですが、傑作揃いの作品だと思います!思わず長々と語ってしまいましたが、下半期の1位は森見登さんの「夜は短し歩けよ乙女」です。陳腐な言葉では言い尽くせないですが、ある意味で私にとって読みたい小説の1つの理想形になってしまった作品です。面白い小説が読みたいと言われたら迷わず薦めたい、そんな作品かもしれないですね。そんな訳で、以上の結果となりました。今回発表した作品に上半期のベスト10作品を加え、そこから今年の「MYベスト10」を選ぼうかと思います。来月の中頃には発表出来ればと思います~。以下、上半期のベスト10と時間の許す限り、最近読んだ作品の感想を書きますw 上半期MYベスト10 <長編部門>1位・古川日出男 「アラビアの夜の種族」2位・恒川光太郎 「雷の季節の終わりに」3位・道尾秀介 「向日葵の咲かない夏」4位・米澤穂信 「ボトルネック」5位・京極夏彦 「邪魅の雫」6位・東野圭吾 「白夜行」7位・中井英夫 「虚無への供物」8位・島田荘司 「占星術殺人事件」9位・北森鴻 「狐罠」10位・恩田陸 「ドミノ」 <短編部門>1位・京極夏彦 「後巷説百物語」2位・加納朋子 「レインレイン・ボウ」3位・平山夢明 「独白するユニバーサル横メルカトル」4位・横山秀夫 「第三の時効」5位・北森鴻 「メイン・ディッシュ」6位・伊坂幸太郎 「フィッシュストーリー」7位・横山秀夫 「動機」8位・恩田陸 「図書室の海」9位・竹本健治 「フォア・フォーズの素数」10位・畠中恵 「ねこのばば」 ・霧舎巧 「新本格もどき」久々の霧舎作品ですが、今作はタイトル通り新本格派の有名作品と探偵をモチーフに軽いタッチで描いています。元ネタを全て読んでいたので頭から尻尾まで楽しめました。 ・鳥飼否宇 「樹霊」今年の本格ミステリ大賞の候補作だっただけに気になっていましたが、壮大なトリックは一読の価値ありです。探偵役がデビュー作「中空」以来、お馴染みの鳶山で舞台が北海道なのも嬉しい所。ただ、かなり極端な犯人の動機は微妙に感じました。 ・西澤保彦 「キス」怪作「両性具有迷宮」等で馴染みの「森奈津子」シリーズの短編集。それだけに非常にアブノーマルな世界観ですが、独特のタッチで軽快に読ませてくれます。「神麻嗣子」シリーズ同様に主要キャラの出番が激減しているのは近年の西澤作品の傾向なのでしょうか?? ・三津田信三 「凶鳥の如き忌むもの」かなり評判の良いシリーズなので期待していましたが、これは面白かった!全体的に動きが少なく会話シーン中心ですが、怪しげな雰囲気の中で繰り広げられる仮説の数々は読み応え十分。終盤で一気に明かされる真相も納得出来ましたし、未読の2作品も読んでみようかと思います。
2007年11月23日
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前回の日記で書いた本格ミステリ・ベスト10の読者投票に参加してきました。今年の投票内容は以下の通りです。1位・柳広司 「百万のマルコ2位・桜庭一樹 「赤朽葉家の伝説」3位・米澤穂信 「インシテミル」4位・西澤保彦 「収穫祭」5位・道尾秀介 「ソロモンの犬」前回の日記を書いた直後に米澤さんの「インシテミル」を入手できたので投票出来ましたが、やはり有栖川さんの「女王国の城」と柄刀さんの「密室キングダム」を読み逃がしているのは残念無念・・・。とりあえず、この「本格ミステリ・ベスト10」の本誌が出るまでには読んでいたいなと思いますw投票締め切りが、11月5日の24時とまだ余裕があるので興味があれば是非とも投票してみて下さい!以下、例によって最近読んで印象的だった作品です。 ・石持浅海 「人柱はミイラと出会う」これは図書館で借りて読みました。大好きな石持作品とはいえ、特に情報なく手に取ったので設定に度肝を抜かれましたwお歯黒や参勤交代が現代日本で罷り通っている社会とは、山口雅也さんの「日本殺人事件」に感じが近いですねwロジカルで読み易い好短編集だと思います。 ・北山猛邦 「少年検閲官」こちらも図書館で借りました。ライトノベル的な幻想的な雰囲気で本格ミステリを描く北山さんですが、今作は「書物がなくミステリの概念が無い世界」という東野圭吾さんの「名探偵の呪縛」を彷彿とさせる設定ですね。謎解きも魅力的ですし、ラストも綺麗に決まっています。この世界観での続編が読んでみたいです。 ・柄刀一 「時を巡る肖像 絵画修復士御倉瞬介の推理」やはり図書館で借りた本です。絵画修復士が遭遇した事件を描いたミステリ短編集で過去の名画と現代の事件を結ぶという手法がユニークでした。全体的に流石は柄刀さんと思えるのですが、短編集だからか動機とかおざなりにされている部分も多々あったのが気になりました。 ・平山夢明 「ミサイルマン」こちらも図書館で借りましたw昨年「独白するユニバーサル横メルカトル」で度肝を抜かれた平山さんの新作ですが、こちらも負けず劣らずの濃い作品でした。やはりグロテスクな描写が苦手な人にはお勧め出来ませんが、独特の突き抜けた雰囲気は癖になりそうです。 ・万城目学 「鴨川ホルモー」 ・万城目学 「鹿男あをによし」「さっきから図書館で借りた本ばかりじゃねぇか、この野郎!」と思っている方もいるかもしれないですが、こちらは購入しましたww「本格ミステリ・ベスト10」の読者投票の為に今年刊行ですぐに借りれる作品を優先で読んだ結果が上記なのですが、この2作はその思惑に立ちはだかる作品でしたw噂の万城目学さんの作品ですが、どちらも面白かった!京都や奈良を舞台にファンタジーの要素を加えつつ、どこまでもテンポ良く読ませる良質なエンターテイメント作品に仕上がっていると思います。青春小説好きにとっては見逃せない作風ですし、共通点の多い森見さんよりも一般受けしそうな感じもします。ただ、現時点では反則的に面白い文章が際立つ森見さんの方が個人的に好みですがwともかく、今後を楽しみに思える作家さんが増えました。 ・三津田信三 「スラッシャー 廃園の殺人」初めて読んだ三津田さんの作品ですが、スプラッター映画を連想させる描写は「殺人鬼」等の綾辻行人さんを彷彿とさせます。そんなに長くないので一気に読めましたが、残念なのはメインの仕掛けが以前読んだ某作品と被っていた点ですね~。とりあえず、他の作品も読んでみようかと思います。 ・山田正紀 「雨の恐竜」今年立ち上げられた理論社の新レーベル「ミステリーya!」の作品。これまで「神狩り」や「ミステリ・オペラ」みたいな難解な作品ばかり読んできた山田正紀さんだけにジュブナイル的な作品はどうかと思いましたが、全く問題ありませんでしたwあとがきにある「私のなかには十四歳の少女が存在する」の言葉に偽りなしの見事な作品です。このレーベル、面白そうな作品が多いので今後も追って行きたいですね。 ・米澤穂信 「インシテミル」待望だった米澤さんの新作です。徹底的なクローズドサークルを舞台にストレートな新本格ミステリで好感度は非常に高いですw次々に登場する道具立ても楽しいですし、真相へと至るアプローチの仕方がユニークながら非常にフェアで素晴らしい。強烈にお勧めな作品です。
2007年11月03日
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今回は2週間ぶりと予定通りの更新です。皆さん、おはようございます。新しい職場にも少しずつ慣れて順調な感じで日々を過ごしております。一定のリズムで読書も出来ていますし、もうすぐ引っ越してから読んだ本も200冊になりそうで1日1冊のペースは今年も守れそうですw早いもので引っ越しから半年が経って冬の足音も聞こえてきました。年末と言えば今年のランキング等が発表される季節ですが、今年も原書房の「本格ミステリ・ベスト10」の読書投票には参加する予定です。対象作品は奥付が2006年11月から2007年10月の国内本格ミステリの新刊となっています。ただ、買う機会を逃した感のある有栖川さんの新作、柄刀さんの「密室キングダム」や米澤さんの「インシテミル」を現時点で読めていないのは無念です・・・。今の段階での投票予定作品は柳広司さんの「百万のマルコ」と桜庭一樹さんの「赤朽葉家の伝説」と西澤保彦さんの「収穫祭」は確定。あと、歌野晶午さんの「密室殺人ゲーム王手飛車取り」と道尾秀介さんは「片眼の猿」と「ソロモンの犬」のどちらにするかで迷うという感じですね。投票締め切りが11月5日の24時までみたいなので直前に投票しようかと思います~。「本格ミステリ・ベスト10」本誌やサイト上にコメントが掲載されますし、何冊もミステリを読まれた方は折角なので投票してみてはどうでしょうか?では、恒例の最近読んで特に印象に残った本です。 ・赤川次郎 「セーラー服と機関銃」何度も映像化された超有名作ですが、初読みでした。私が産まれる前に出た作品とはいえ、流石は大ベストセラー作家と言うべきか古臭さを感じさせない文章で違和感は無かったです。全体的にテンポも良く、突然ヤクザの組長になってしまった女子高生・星泉の言動に感情移入できましたし、脇役も中々に魅力的です。ラストも鮮やかで続編も是非とも読んでみたいですね。 ・菊地秀行 「吸血鬼ハンター"D"」シリーズこちらは私が産まれた当時から続くシリーズですwかなり前に映画版を観た程度でしたが、何となくシリーズを追ってみようと読み始めました。謎を秘めた主人公に各巻毎に立場も魅力も異なるヒロイン、一筋縄ではいかない技量を持つ敵、臨場感溢れる戦闘描写と冒険活劇に必要な要素を全て兼ね備えている作品だと思います。現在、3作目まで読みましたが、映画版の原作にもなった「D-妖殺行」が最もお気に入りです。リンクに画像が無いのが残念ですが、シリーズを追うとイラストを手掛ける天野喜孝さんの作風の変化も楽しめそうですw ・島田荘司 「水晶のピラミッド」 ・島田荘司 「アトポス」しばらくぶりに「御手洗」シリーズを読みました。しかも大長編でw初期の作品とは両作品とも趣が異なり、ハリウッド映画を軸に海外を舞台としつつも正に本格ミステリ的なエピソードが数百ページに渡って語られる等、非常に作者の気合を感じます。その分、御手洗の出番は減っていますが、如何にも名探偵という感じがしますw壮大なトリックも健在ですし、その解体も鮮やかで楽しめました。特に「アトポス」の終盤の流れは好きですね。現在、またも大作「ハリウッド・サーティフィケイト」を読んでいます~。 ・筒井康隆 「時をかける少女<新装版>」こうやって並べると最近、古典を多く読んでいますねw大分前ですが、去年公開されたアニメ版をテレビで観て改めて読んでみました。確か中学生位の時に読んだはずですが、良い感じに内容を忘れていましたwアニメ版の印象が強くて全体的に無駄が無くてあっさりした印象でしたが、だからこそ様々な映像化で肉付けされ続ける確かな骨格を持っているのかなと思いました。これからも永遠の名作として読み継がれるのでしょうね。 ・三浦しをん 「まほろ駅前多田便利軒」前回書いた森絵都さんの「風に舞いあがるビニールシート」と同時受賞の直木賞受賞作品です。東京のはずれの「まほろ市」を舞台に便利屋の多田と居候の行天が奇妙な依頼を解決して行くというミステリ的設定の作品ですが、非常に手軽な感じで楽しめる作品ですね。ちょっと唐突な展開をみせる局面もありますが、最後まで緩い感じで読めましたw個人的には「風に~」の方が好きですね。どうでも良いですが、祥伝社の競作企画「まほろ市の殺人」といい「まほろ市」という名前は架空都市としては使い易い名前なのでしょうかw調べてみたらウィキにも載っていました。 ・07th Expansion 「ひぐらしのなく頃に」ラストはゲームです。今更ですが「ひぐらしのなく頃に」をプレイしました。と言っても画像のPS2版ではなく、秋葉原で入手した同人ゲームでプレイしまして確か先月の中頃に出題編・解答編・礼とシリーズ全てを遊び尽くしました。興味を持った切っ掛けが愚弟の持っていたコミックス版なので出題編の被る部分をプレイするのは根気が必要でしたが、全体的に非常に楽しめたと思います。残酷描写は多々あるものの多発する謎によって興味を引き、ぐいぐいと先を読ませる力のある優れたエンターテイメントになっています。同サークルの新作「うみねこのなく頃に」も手元にありますが、中々プレイする余裕が無いので何とか時間を作りたいですね~。
2007年10月20日
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前回の日記を書いたのが9月4日なので1ヶ月ぶりの更新ですね(汗)皆さん、こんにちは。この1ヶ月の間に色々とありましたが、最大の変化は仕事が変わったという事です。これまでに全く経験の無い職種ながら条件は非常に良いお仕事なので1も2もなく飛び付きましたが、その為の面接やら準備やらで引越し以来の忙しさでしたよ。そんなこんなで新しい職場で働きだしましたが、幸い土日祝は休みなので今後は余裕があれば週末に更新できるかと思います。まぁ、一番良いのは自宅にネットを繋げる事ですが、まだ暫く先になりそうです・・・。久々の観光ネタとしては、かなり前ですが新宿の「ルミネtheよしもと」と渋谷の「ヨシモト無限大ホール」へ行きましたw生でお笑いを観るのは久々でしたが、有名・無名(単純に私が知らない場合も多いですがw)問わず楽しめました。流石はプロですよ。あと、前回書いた有栖川さんのサイン会はバタバタしていたので断念しました~。そういえば、今日の午後からですね!まだ本も入手していないので、早く購入したいですねぇ。では、以下は最近読んで印象深かった作品です。 ・歌野晶午 「ジェシカが駆け抜けた七年間について」既刊の歌野作品では唯一未読でコンプリートを目論んで手に取りましたが、直後に「ハッピーエンドにさよならを」という新作が出ているのを知りましたww女子マラソンを題材とした作品ですが、全体的にスタンダードな印象。「葉桜~」は別格としても「世界の終り、あるいは始まり」や「女王様と私」の様な一種の突き抜け感も無くて物足りなさがありました。あと、何となく古本屋で購入したのですが、何故かサイン本で得した気分になりましたw ・シェル・シルヴァスタイン 「ぼくを探しに」図書館で見掛けて読んでみた絵本ですが、かなり好みの1冊でした!単純な点や線、丸で描かれ、大きな余白に言葉を乗せた構成でシンプル極まりないですが、かなり深みのある本だと思います。続編の「ビックオーとの出会い」も良かったですし、いずれ手元に置きたいですよw ・戸梶圭太 「溺れる魚」何作か読んでいる戸梶さんですが、やっと代表作を読めました。エンターテイメント性十分で楽しませて貰いましたが、思った以上にまとまったラストに驚きました。これまで読んだ作品が暴走過剰だったのだと初めて知りましたw続けて読んだ「ドクター・ハンナ」の暴走具合は中々でしたよw ・成田良悟 「バッカーノ!」WOWOWでアニメ化された事で興味を持って読みましたが、これは面白かったです。伊坂さんの「ラッシュライフ」や恩田さんの「ドミノ」のような群像劇をラノベでやったという感じで非常に好みに合う作品です。禁酒法時代のアメリカという如何わしい時代を舞台に独特のテンポで躍動するキャラ達が活きていますし、シリーズ化されているのも嬉しい所。これから追っ掛けて行こうかと思います。 ・西澤保彦 「収穫祭」やっと読んだ西澤さんの最新作。幻冬舎から出た大長編と言えば、どうしても「依存」と比較してしまいますが、今作のダークさは相当なものですよ。相変わらず伏線を見事に使いこなしていますが、本格ミステリとしての驚き以上に過去の西澤作品で垣間見えた異常心理を突き詰め抜いた一種の集大成的な作品という印象を受けました。爽快感とは無縁ですが、ページを捲ってしまう魅力のある作品でした。あと、有名な騙し絵を使った表紙が怖すぎますw ・舞城王太郎 「みんな元気。」「スクールアタック・シンドローム」久々の舞城さんですが、分冊された文庫版で読みました。期待以上に暴力性と無茶苦茶さが健在で個人的に同じく短編集だった「熊の場所」よりも好きです。表題作と書き下ろしの「ソマリア。サッチ・ア・スウィートハート」が特にお気に入りですが、全体的にパワー溢れる短編ばかりで大満足でした。 ・宮部みゆき 「ぼんくら(上・下)」宮部さんの時代物を読んだのは初でしたが、何でこの人は何を書いても巧過ぎるんでしょうwwすぐに作品世界に引き込まれ、どんどん読んでしまいました。登場人物の個性の出し方や流れる様な文体と非の打ち所の無い作品だと思います。リンクもあったので他作品も読んでみようかと思います。 ・森絵都 「風に舞いあがるビニールシート」森絵都さんの短編集を読んだのは初でしたが、収録された6編全て読み応え十分。そのまま長編に出来るのではと言う内容ばかりですw題材もバラエティに富んでいますが、個人的には読み初めと印象がガラリと変わる「ジェネレーションX」が大好きです。余談ですが、読み終わってから直木賞受賞作だと知りましたww
2007年10月06日
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前回の日記を書いた時点でも涼しくなりかけでしたが、流石に9月に入ると格段に過ごし易くなって来ました。もう秋なので当然ですが、秋と言えば「読書の秋」ですねwとはいえ、特別に読むペースが早くなる訳でもないのでマイペースに読書に勤しみたいのですが、この季節特有の新刊ラッシュが悩ましいですww今月末に出るらしい学生アリスの最新作は勿論、まだ実物は見ていないけど発売中の米澤穂信さんの最新作「インシテミル」もクローズドサークルの本格ものという事で気になります。他にも年末のランキングを睨んで続々とミステリの新作が出るので全てをカバーするのは不可能ですよ~。とりあえず、やっとこさ入手した西澤保彦さんの「収穫祭」を読まないとですね。以下、例によって最近読んで特に印象的だった作品の感想です。 ・浅田次郎 「憑神」地味に初・浅田次郎ですw映画化された当時は特に興味を持たなかったのですが、何となく手に取ってみました。全体的にユーモラスなのですが、きっちり読ませ所は押さえているという感じでラストまで非常に楽しめました。幕末の激動の中を江戸に生きる人間達から貧乏神まで魅力的に描かれていますし、一風変わった切り口で幕末を描いているという意味でも楽しめました。どうやって映像化したのか興味ありますし、いずれ他の浅田作品も読んでみたいです。 ・上橋菜穂子 「闇の守り人」「守り人」シリーズ2作目です。「精霊の~」も良かったですが、今作も遜色なく堪能できました。前作の端々で散りばめられたバルサの過去を徹底的に描いており、徐々に浮かび上がってくる育ての親・ジグロの横顔と緊迫感溢れるラストは圧巻の一言。凄みを感じるのは前作で良い味出していた名脇役のタンダやトロガイといった面々が不在でもグイグイと読ませてくれる力がある点ですね。新潮文庫で続巻が文庫化されるのを楽しみに待ちたいと思います。あと、同じく新潮文庫から刊行されている「狐笛のかなた」も読んでみましたが、単発作品とはいえ文句なしの世界観が構築されていて十二分に楽しめる傑作でした。こちらもお薦めです。 ・恩田陸 「夏の名残りの薔薇」視覚的にイメージし易い恩田作品の中でも今作は「去年マリエンバートで」という映画へのオマージュという事もあって特に印象が強いです。引用文も多く、本当にお気に入りの映画なんだなと読み進めましたが、すぐに「あれれ??」という感じになりますw構成が命という作品だと思いますが、どうやって畳むんだと思っていた矢先のラストは突き抜けた感がありますね。ホラータッチの「禁じられた楽園」も読みましたが、こちらは中盤までは楽しめたもののラストは「う~ん」と唸ってしまいました。これで現在文庫化されている恩田作品は全て読めたので暫くは文庫化を大人しく待とうかと思います。 ・神林長平 「戦闘妖精・雪風(改)」最近、読むSF作品は神林さんの作品オンリーですが、その中でも代表作「戦闘妖精・雪風」は大傑作でした。続編「グッドラック」も読みましたが、1話完結的な今作の方がお気に入りです。謎の異星体ジャムとの孤独な戦いを人間と機械の関係やスピード感溢れる戦闘描写で描いていて痺れます。GONZO製作でアニメ化もされており、首尾よく愚弟がDVDを揃えていたので直ちに観れたのは僥倖でしたww ・京極夏彦 「前巷説百物語」「収穫祭」と同時に購入しました。「巷説」シリーズ4作目ですが、前作「後~」がシリーズの最終到着駅を描いた作品だとしたら今作は始発駅という感じでしょうか。駆け出しの又市が初々しいですが、馴染みのキャラも多数登場して賑やかですね。特に最終話「旧鼠」の展開は申し分なく、素晴らしい読後感で読み終われました。現在発売中の「怪」でシリーズ第5弾の「西~」も連載開始しましたし、今後も楽しみなシリーズになりそうです。 ・道尾秀介 「ソロモンの犬」道尾さんの最新作ですが、図書館に収蔵された掲載雑誌で読みました。雑誌で長編作品を最初から最後まで追ったのは初めてなので、何だか感慨深げですw内容的には青春小説の要素が強く、終盤まで比較的穏やかな感じですが、最後の最後に一気に来ますね。若干、好き嫌い分かれそうですが、個人的にはアリでした。それにしても前作「片眼の猿」や雑誌連載中の「カラスの親指」「ラットマン」といい動物名をタイトルに入れていますが、それが霞流一さんを連想してしまいますww <追記>ネットを徘徊していたら有栖川さんのサイン会情報がありました!どうしようかなぁという感じですが、まだ余裕があるので次回更新までに考えてみようかと思います~。電話予約も可なのは有難いですね。整理券確保だけの為に埼玉から東京まで行くのは辛いですし、そもそも「丸善丸の内本店」の場所も知りませんしw
2007年09月04日
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今回も2週間ぶりの更新です。前回、更新した直後から日本列島が信じられない暑さに見舞われ、一時期完全に夏バテしていました(汗)今年が、おそらく人生初の夏バテ経験で食欲がなくなったり、暑さにやられる日々でした。少なくとも北海道に居た時は、2日で1食しか摂れない事はなかったですよ・・・。とはいえ、少し涼しくなって来てくれたお陰で食欲も回復しました。そんなこんなで、お盆は札幌の実家にもお墓がある仙台にも帰りませんでしたが、来年はどちらかに行こうかなと思います。あと、今日から準々決勝の甲子園も去年ほどではないにしろ観戦しております。既に北海道・東北勢が消えてしまったのは残念で聖光学院と青森山田が潰し合ったのは痛かったですが、話題を独占した仙台育英の佐藤投手はプロでも楽しみですね。個人的に応援しているのは再試合まで戦った佐賀北で今日の帝京戦を勝ち抜いて欲しいです。ともかく、涼しくなるこれから残り少ない夏を楽しみたいと思いますw以下、最近読んで印象的だった作品の感想です。 ・恩田陸 「ロミオとロミオは永遠に(上・下)」何でも書ける恩田陸さんですが、今作は近未来SFでした。でも20世紀のサブカルチャーが物語に大きく関わって来たり、思春期の少年達が主役の青春小説的だったりとノスタルジーありますね。恩田作品に多く感じるラストの不満さが若干ありましたが、十分に楽しめた作品です。絶対に話に関わって来るだろうなと思っていたキャラが意外な活躍度だったのには普通に驚かされましたw ・酒見賢一 「後宮小説」最近注目しているファンタジーノベル大賞の第1回受賞作です。酒見さんは、かなり前に「墨攻」を読んで以来でしたが、何でもっと早く読まなかったと後悔させられる傑作でした。中国風の架空の国の存亡を後宮に入った田舎娘・銀河を中心としたユーモラスで軽快な語りで描いており、とにかく読んでいて楽しいと思える作品でした。強烈にお薦めですし、こんな作品を世に出した「ファンタジーノベル大賞」は恐るべきですね。 ・島田荘司 「魔神の遊戯」「御手洗」シリーズですが、最近の作品なので海外を舞台としております。相変わらず幻想的な謎が提出され、ぐいぐいと読ませますが真相は少し微妙なものでした・・・。ある仕掛けに気付けば芋蔓式に謎が解けてしまいますし、それがかなり露骨なのが問題かと思います。コンセプトの似た作品では「ネジ式~」の方が断然良かったです。 ・谷原秋桜子 「天使が開けた密室」創元推理文庫で出て以来気になっていたシリーズ作品で首尾よく既刊の3作を一気読み出来ました。元々、ライトノベルで出ていただけに非常に読み易く、ミステリとしても大掛かりなトリックに果敢に挑戦しているのは好感が持てますし、探偵役も含めてキャラもまずまずでしょうか。最新作の「砂の城の殺人」で一気にシリーズとして動き出したのには驚かされましたが、今後の展開を楽しみにしたいですね。あと、この作者のシリーズ作品以外のミステリも読んでみたいです。 ・森見登美彦 「[新釈]走れメロス 他四篇」あの森見登さんが名作をリメイクすれば、当然の様に京都を舞台にして暴走w収録された5編が少しずつ重なっているのも楽しかったですが、やはり原作を正に真逆にした表題作が秀逸ですね。うろ覚えの原作と読み比べてみたくなりましたw
2007年08月19日
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久々の更新です!前回の日記を書いた直後に無事に本棚は入手しました。結局、近所のリサイクルショップで購入した訳ですが、少し傷もあって大きさの割に5000円程度で手に入れました。下が、その本棚です。置いた場所は、私の寝床のロフトの上で運び込むのに多少苦労しましたが、念願かなって嬉しいですね。見難いですが、右上に単行本・ノベルスや漫画諸々、右下に文庫本を収納。ちなみに文庫本は札幌とは違って作家別五十音順ではなく、出版社別に並べています。気分を変える意味でやってみましたが、まとまって並べるとデザインの揃った背表紙が整然として良い感じです。現在の冊数は講談社文庫とハヤカワ文庫が1,2を争っているという感じですw本棚のあるロフトで読書する事が多いのですが、窓が近くにない為に空気が篭もり、ただでさえ暑いのに更に暑苦しいので日中は避けております。本州恐るべきと言うか、最近の暑さは辟易もので時間のある時は近所の図書館(田舎なので分館ですがw)に逃げ込み、2時間位で読み終われる「講談社ミステリーランド」やアンソロジー等で短編を拾い読みしてます。あと、新聞を取っていないので数日分の新聞をまとめ読みするのも日課となっていますねwとにかく、最大の避暑は家に居ない事だと学習しましたwwそんなこんなで、以下が最近読んで特に印象的な作品です。 ・冲方丁 「マルドゥック・スクランブル」最近、SFに興味を持ち出したのと前に読んだ「文学賞メッタ斬り!」で名前を知ったという縁で読んでみましたが、絶品でした。全3巻ですが、あっという間に読み終わりましたし、大森望さんが「カイジ」のノベライズと称したカジノシーンは圧巻。キャラも見事に立っていますし、かなりのエンターテイメント作品だと思います。姉妹編の「マルドゥック・ヴェロシティ」も当然読みたいです! ・笹生陽子 「ぼくらのサイテーの夏」ナツイチの冊子で粗筋を読んで興味を持った「楽園のつくりかた」の作者のデビュー作。何と言うか児童文学として適度なページ数の中で見事に話を広げて綺麗に畳んでいます。これまでに読んだ3作共に少年の成長物語したが、どれもシンプルながらきっちり楽しめる優れた作品ばかりでした。「楽園の~」は若干、ミステリの要素があるかなぁと思います。 ・島田荘司 「龍臥亭幻想(上・下)」先日感想を書いた「龍臥亭事件」の続編的作品。前作では、シリーズ番外編だけにワトソン役を返上した石岡ですが、今作では帯に「御手洗潔と吉敷竹史の推理がクロス」と書かれている通り、元通りのポジションに逆戻り。正直、石岡が特異な活躍をする作品の続編だけに島田作品の2大探偵の夢の競演は今一つ乗れませんでした。好みの問題もありますが、事件自体も淡々としていて前作の張り詰めた緊張感が感じられないのも残念。希少価値が高まって相対的に前作の評価が上がったという感じでしょうか。 ・勇嶺薫 「赤い夢の迷宮」最初、作家名を見て「誰だ!?」と思いましたが、お馴染みの「はやみねかおる」さんでしたw大人向け作品の為に名義を変えたみたいですが、確かに内容的に陰惨な部分は多々あるものの全体的に普段通りのあっさりとした描写で登場人物の性質の掘り下げが今一つな気がします。メイントリックも前に読んだ某作品と被っていた為に驚きは薄めで、エピローグのインパクトも微妙。相変わらず読み易い文体だとは思いますが、どうせなら「はやみねかおる」の匂いを完全に消す位の作品を読んでみたいです。 ・柳広司 「百万のマルコ」アンソロジーで表題作を読んだ事があったので期待していましたが、これは傑作でした!各話は短めですが、どの謎もマルコの胡散臭い語り口と相まって魅力的ですし、推理合戦をする囚人達も味があります。短編好きにとって堪らない作品ですし、文庫オリジナルで出してくれた東京創元社も偉いw年末の「本格ミステリ・ベスト10」の読者投票で間違いなく投票すると思います。年末の投票の話を書いて思い出しましたが、本屋で見かけた西澤保彦さんの「収穫祭」と柄刀一さんの「密室キングダム」は大作ですね!「収穫祭」の「依存を超えた!」という帯は半信半疑ですが、どちらも読んでみたいですねぇ。あと、有栖川有栖さんの「学生アリス」シリーズの最新作が9月刊行予定との事。「自己最長の大作」という事は「双頭の悪魔」以上という事で、出たら必ず買いますよ!w
2007年08月05日
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先週に引き続き朝からネットカフェに来ておりますw台風に地震発生と天災続きの日本列島ですが、皆様お元気でしょうか?結局、台風の為に連休は出掛けられなかったのですが、買いたい物がある時に限って問題発生と非常にタイミングが悪いです。その買いたい物とは、ずばり「本棚」です。引っ越してから3ヶ月で良い感じに本も溜まって来たので、そろそろ必要かなと思ったのですが、札幌から送って貰うのは論外なので現地調達する事にしましたwそんな訳で、この後にでも探して来ようかと思います~。大きいのはスペース的に厳しいので手頃なのが見付かれば良いのですが・・・。さて、先程ネットを立ち上げてニュースをチェックしたら前回日記に書いた第137回直木賞の結果が出ていました。正直、かなり驚いたのですが受賞作は勿論、受賞者の方も名前しか知らないので何も言えません(汗)本命だと思っていた北村薫さんや「赤朽葉家~」「夜は短し~」といった読んでいた作品ではないのが残念ですねぇ。とりあえず、選評やメッタ斬り!の感想を待ちたいです。では、以下から恒例の最近読んだ本の感想ですw ・我孫子武丸 「かまいたちの夜 挟み忘れた栞」いきなりゲームの画像ですが、これは「かまいたちの夜×3」の特典の本です。普通に古本屋で購入したのですが、バーコードも無くて後で特典だと気付きましたwゲームブックなのですが、内容がアダルトで驚きましたwこのシリーズ、1作目しかプレイしていないのですが、本編もいずれ購入したいですね。 ・北野勇作 「北野勇作どうぶつ図鑑」シリーズこちらは店頭で惚れ込みましたw以前読んだ「かめくん」の北野勇作さんの作品で、動物をモチーフにした全6巻に短編とショートショートが収録されているというものですが、更におりがみが付いているという盛り沢山な内容。画像は1巻目の「かめ」です。これまでに4巻まで購入して読みましたが、残りの2冊も早く手元に置きたいものです。 ・北村薫(編) 「謎のギャラリー 謎の部屋」北村さんの文庫化作品で唯一未読だったアンソロジーシリーズです。「謎」と銘打たれているだけあってミステリ色の濃い短編が多いですが、北村さんの幅広い読書力でマニアックな作品が多いのは嬉しいです。特に都井邦彦さんの「遊びの時間は終わらない」という短編は、前に何かで西澤保彦さんが絶賛していたので読みたかったのですが、確かに滅茶苦茶面白かったです。お薦め!既に姉妹編の「こわい部屋」も読んだので残った「愛の部屋」を探してみようと思います。 ・島田荘司 「龍臥亭事件(上・下)」 ・島田荘司 「ネジ式ザゼツキー」最後に「御手洗」シリーズから2作・・・と言っても両作共に変り種ですね。まず「龍臥亭事件」は、そもそもシリーズ番外編で御手洗が登場せず、ワトソンの石岡が主役となっています。「八つ墓村」の題材「三十人殺し」が登場したり、非常に横溝的な雰囲気で長さを感じさせない魅力を備えていると思います。個人的に既読のシリーズの中で1,2を争って好きですね。「龍臥亭幻想」という続編(?)があるみたいなので、そちらも読んでみたいです。比較的最近の作品である「ネジ式ザゼツキー」は、何が珍しいというと逆に石岡が登場しない・・・というのもありますが、御手洗が語り手になっていた点ですね。途中から別の人物が引き継ぐのですが、新鮮で面白かったですw作品としても奇妙な童話の世界の解体が見事で、どこか「京極堂」シリーズを連想しました。
2007年07月18日
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ネットカフェを利用するようになってから初めて朝に更新しておりますwこれまでは昼過ぎに来店するのがパターンでしたが、今回はモーニングパックを利用してみた次第です。今回も間隔が空いてしまいましたが、とりあえず桜庭一樹さんのサイン会の話から。先週の日曜日にリブロ池袋本店で「青年のための読書クラブ」刊行記念のサイン会に参加して来ました。14時開始にギリギリで到着しましたが、桜庭さんが登場する所もばっちりと観れましたwで、今回のサイン会は整理券番号順に並ぶという形だったのですが、比較的番号が若かったので早目にして貰えました。想像していた通りに桜庭さんは気さくな方で、サイン中に話し掛けられるとフレンドリーに会話されていたみたいです。臆病な私は話し掛けられず仕舞いでしたがw以下、サインと一緒に頂いた小冊子ですが、この冊子には桜庭さんからのコメントは勿論、今作に合わせて紅茶のパックも付いた心憎いプレゼントでした。ちなみに冊子の下に私の本名が書かれていますwwやはり名前を添えて貰うと嬉しいですね。そんな訳で、お土産も貰って思い出深いサイン会となりました!参加出来て良かったです♪そういえば、桜庭さんと言えば「赤朽葉家の伝説」が直木賞候補になったみたいですね。あと、読んだばかりだった森見登美彦さんの「夜は短し歩けよ乙女」も候補になっていて嬉しかったのですが、恒例のメッタ斬り!の予想ではないですが、今回は北村薫さんが大本命な気がします。北村さんの場合、これまでに受賞していないのが不思議なので何とも言えないですが・・。消極的ですが、同時受賞でどちらかが受賞を期待しております。では、今回も最近読んで特に印象的だった作品の感想です。 ・大塚英志 「多重人格探偵サイコ」シリーズ 巽昌章さんの「論理の蜘蛛の巣の中で」に登場していた縁で角川文庫から出ている3作を読んでみました。原作は飛ばし飛ばしでしか読んでいなかったので、活字で読む事で曖昧な部分をフォロー出来た感じがします。改めて原作を読もうと思ったのは勿論、先日読んだ「木島日記」ともリンクがあったので他の大塚作品にも手を出したいですね。 ・恩田陸 「まひるの月を追いかけて」文庫化されたので読んでみました。旅行を通して過去を追い求めると言う雰囲気は「黒と茶の幻想」に近いですが、全体的に派手さは薄いです。ただ、それだけに登場人物間の腹の探り合いが際立っていますし、章毎に用意されたサプライズで先が気になって仕方がなくなりましたw寝る前に読むには適さない作品ですねww ・北村薫 「語り女たち」こちらは少しずつ読みたくなる作品。現代版の千夜一夜物語と言える17編で構成されていますが、相変わらずの透明感ある文章とイメージを喚起させる挿絵の見事さが素晴らしいです。今作で直木賞獲っていても全く不思議ではないですが、残念ながら落選してしまったみたいです・・・。 ・佐藤友哉 「フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人」 ・佐藤友哉 「1000の小説とバックベアード」一気に2作紹介ですが、デビュー作と三島由紀夫賞受賞作を続けて読みましたw「フリッカー式」は舞城作品を思い出しましたが、比較すると突き抜け具合が半端な感じがしました。このラストを見せられたら続きを読むしかないですがw「ジョジョの奇妙な冒険」を始め、同世代人らしいネタは非常に楽しめましたw「1000の~」は全く展開が読めず、かなり圧倒されっぱなしでしたが、端々から感じられる作者の小説への思いは印象的でした。これからも読んでみたい作家さんですね。 ・森見登美彦 「太陽の塔」「夜は~」に続いて読んだ森見登さんのデビュー作。京都を舞台にした恋愛もの(?)という意味で「夜は~」と非常に近いのですが、こちらは語り手が妄想炸裂の男子学生オンリーな上に京大モテない四天王が登場するので濃過ぎですよwwクリスマス・イブの策謀(この下り、笑いっ放しでしたww)を含めて終盤の展開は言う事ないですし、いや期待以上です!w改めて「きつねのはなし」とか違った作風の作品も読んでみたいですね。時間無くて後半駆け足になってしまいましたが、最近読んだのはこんな感じでしたw
2007年07月11日
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今回は日曜日に更新です。皆さん、こんにちは。更新日の水曜日は何をしていたかと言うと、前回のネット徘徊で発見した桜庭一樹さんのサイン会の整理券を求めて東京へと行って来ました。昼頃にリブロ池袋本店に着いたのですが、何と肝心の本が店頭に無く、近くにあるジュンク堂に行ってみたものの無いという不測の事態に焦りまくりました(汗)しかも詳細のメモをしていなかったので記憶違いかと諦め、そのまま原宿へと行って来ましたw初の原宿だったのですが、気分的にも買物する気になれず、途中で見掛けた新古書店へと赴きましたが、これが大当たりで欲しい本を多数購入できました!原宿は服だけでなく、古本も安いという間違った価値観を刷り込まれて帰路に着きましたが、往生際悪くリブロに行くと店頭に並んでおりました・・・。以下、桜庭さんの最新作と整理券ですが、私は40番でした。後々考えてみたのですが、つい先日も「もやしもん」の5巻を買いに行った時も昼過ぎにならないと店頭に並んでいませんでした。で、札幌では朝一から新刊が並んでいた記憶があるのですが、元々の発売日が札幌は関東圏よりも1日以上遅い事を考えると入荷する時間帯が夜間とか余裕があるのかもしれないですね。ともかく、首尾よく整理券も入手出来たので来週の日曜日は桜庭さんのサイン会へと行って来ようかと思います~。これからは、恒例の最近読んだ本の中で特に面白かった作品の感想を書きますが、今回は傑作揃いだと思います。 ・桜庭一樹 「青年のための読書クラブ」とりあえず、この作品からでしょう。サイン会に行く気満々だった割に読むまで荒筋も知りませんでしたが、簡単に言うとお嬢様学校・聖マリアナ学園を舞台に読書クラブの面々が語る裏歴史物語。これまでの桜庭作品と違って地方都市の少女ではなく、首都圏に住むお嬢様が多数登場し、趣が少し異なるのも良かったです。読後に「まだまだ読みたい!」と思いつつも、いずれ今作のラストに行き着きたいなと思いましたw何と言うか、読書に対して真摯になれる作品なのかもしれないですね。カバーを外すと載っている聖マリアナ学園入学パンフレットや立ち読みが出来る特設ページもあります。 ・島田荘司 「異邦の騎士 改訂完全版」久々に読んだ「御手洗潔」シリーズですが、この作品を読んで続け様に手元にあったシリーズ作品3作品を読みました。評価の高い今作はメイントリックは途中で気付いたものの作品世界に引き込まれて一気にラストまで行ってしまったという感じです。既読の今シリーズでは最も好きですね。前にも書いたかもしれないですが、通常版でも読んでみたい作品です。 ・大森望/豊崎由美 「文学賞メッタ斬り!」既にシリーズ3冊目まで出ている「メッタ斬り!」ですが、やっと1作目を入手しました。結構、立ち読みで拾い読みしてたとはいえ手元でじっくり読むと更に楽しめますね(そりゃそうだw)過激発言のオンパレードですが、一定の物差しを持って書いているので好感が持てますし、文学賞を軸に文壇の裏側が覗けるのは嬉しい所ですね。ブックガイドにもなりますし、特に最近文庫化されている作品が多いのは文庫派の私にとって丁度良いですw ・森岡浩之 「夢の樹が接げたなら」既刊の「星界」シリーズを全て読んでしまったので手を出した作者のデビュー作を含む短編集ですが、これは傑作揃いでした!「星界」とも共通する「言語」に対するアプローチも然る事ながら特異な設定の活かし方が絶妙でした。特にお気に入りは、鎌倉時代の日本らしき世界に異星人が侵略したという「代官」で圧倒的な力を持ちながら統治に苦しむという状況が巧いです。読み所の多い短編集でした。 ・森見登美彦 「夜は短し歩けよ乙女」今回のラストは、山本周五郎賞に選ばれた今作ですが、これは素晴らしい作品ですよ!もう満点と言っても良い位に褒め言葉しか浮かびませんし、山本賞の北村薫さんの選評みたいにとにかく読んで下さいとしか言えませんw蛇足ながら書くと語り手の黒髪の乙女と先輩は勿論、様々な所に顔を出す脇役も個性が際立っていますし、少し不思議な出来事も自然に溶け込んでいて何とも言えない読み心地があります。とにかく、面白い小説が読みたいなら迷わず手を伸ばしてみて下さい!個人的には古川日出男さんの「アラビアの夜の種族」と今年読んだ長編作品では甲乙付け難いです。ちなみに、今回の山本周五郎賞は恩田陸さんの「中庭の出来事」と同時受賞でしたが、候補作には伊坂幸太郎さんの「フィッシュストーリー」や恒川光太郎さんの「雷の季節の終わりに」もあったみたいです。あと、先程立ち読みした「ミステリ・マガジン」の有栖川さんのエッセイによると「学生アリス」の新作が脱稿しているはずとあり、今年は本当に新作が読めそうですねwそんなこんなで、これから古本屋巡りへと繰り出しますが、今回は森見登美彦さんの作品と「御手洗潔」シリーズを何冊か必ず持ち帰りたいと思いますw
2007年07月01日
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今週は予告通りに水曜日にネットカフェに来れましたwしかも入会時に貰ったクーポンで今日は3時間パックで利用しているので、これまでよりも時間を掛けて日記も書けてネット徘徊も出来るのでした。まず、先日書いた「本格ミステリ大賞」発表記念座談会の日記をAyalistでリンクして頂きました。ミステリを読み始めて以来、綾辻さん情報を始め貴重な情報源として覗かせて頂いているHPなので興味がある方は行ってみて下さい。先日のレポを楽しみにしています♪管理人のmihoroさんも会場にいらしていたみたいで、いつか機会があればご挨拶出来ればと思っています。座談会の後日談として久々に電話して来た母上とのやり取り。母上 「あんた、サイン会行けたの?」私 「当然、行って来たよ」母上 「1日に4箇所も回ったのかい!」いぶかしみながら大量の本を送ったものの肝心の座談会について理解しておらず、私が東京でサイン会巡りをしたと思っていた様子。そんなハシゴ出来る訳ないでしょうが・・・。あ、あと座談会でも話題となった今月の「GIALLO」は今日の帰りに購入予定です。前後編で掲載される道尾さんの新作「ラットマン」も単行本で購入しようかと思っていたのですが、金額的には「GIALLO」を2冊買ったも同じ位ですし、綾辻さんと道尾さんの対談や竹本健治さんの「牧場智久」シリーズや山口雅也さんの「キッド・ピストルズ」シリーズも読めるので買う事にしました。最寄の本屋に置いている事を切に願いますwここからは、最近読んだ本の感想を書こうかと思います。前回は初読みの作家さんの作品で統一したので今回は馴染みの作家さんの作品で統一しますw ・上遠野浩平 「酸素は鏡に映らない」初っ端から私にしては珍しく「最新」の作品ですw偶然、古本で発見して講談社ミステリーランドでもあったので読んでみましたが、最も驚いたのは某シリーズとのリンクが激しい点ですね。勿論、メインとなる物語は十分に完結しているのですが、シリーズを全く知らないと特にラスト周辺で大量の疑問符が発生しそうです。そういう意味では評価は分かれそうですが、テンポも良くて変化球の多いミステリーランドとしてはまずまず直球気味な作品かと思います。 ・桜庭一樹 「赤朽葉家の伝説」個人的に期待大な桜庭さんの作品ですが、これは傑作でした!日本推理作家協会賞受賞作ですが、ミステリ部分よりも独自の存在感が光る赤朽葉家を巡る3世代の人々が紡ぐ物語に完全圧倒されました。昭和から平成への時代の流れを含めて読み所も多いですし、その端々に張られた伏線も効果的です。既読の桜庭作品では「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」と「少女七竃と七人の可愛そうな大人」と並んでお気に入りな作品になりました。 ・鳥飼否字 「痙攣的 モンド氏の逆説」文庫化されたら必ず読むようにしている鳥飼作品ですが、これは刺激的でした・・・。タイトルから連作ミステリと思って読み始め、冒頭のロジカルな解決と驚きの展開に満足し、連作の趣旨は分かったとばかりに読み進めると肩透かしを受け、終盤まで読むと完全にアレレ??となりましたww一言で言うとバカミスなのでしょうが、ある点からガラリと印象が変わるのが凄い。何にせよ楽しませて貰った作品でしたし、作中に登場する現代アートとかの道具立ても面白かったですね。 ・山口雅也 「奇偶(上・下)」画像はノベルス版ですが、私が読んだのは分冊刊行された講談社文庫版でした。「日本推理小説界四大奇書に連なる第五の奇書!」と帯にあり、難解なアンチミステリかと身構えて読みましたが、命題となる「偶然」の定義立てが興味深く、意外にスラスラと読めました。納得出来るか出来ないは兎も角、密室トリックの解明へ至るプロセスとぶっ飛んだ真相は圧巻。「第五の奇書」として定着するかは分かりませんが、ミステリ好きは読んで損なしですね。そんな訳で非常に簡単でしたが、以上が最近読んだ本の感想でした。ネット徘徊中してみるもので、桜庭さんの最新作が出るだけでなくサイン会もあるみたいです!整理券確保できるかどうか微妙ですが、行けるものなら行きたいですねぇ。サイン会で思い出しましたが、座談会後のサインを撮影して来たのを忘れていました(汗)折角なので下に画像を張っておきます。ではでは、また来週!w
2007年06月20日
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更新予定日だった水曜は洗濯が楽しくて行く機会を逃し、今週は土曜日にネットカフェへと来ておりますwさて、今日は書きたい事が沢山あるのですが、まず引越してから読んだ本をメモって行こうと思い、こういうフリーページを作りました。かなり手抜きですが、今後もここに書き加えていこうかと思います。では、ここから今回のメインの話題です。何度か日記にも書いた第7回「本格ミステリ大賞」発表記念座談会に先週の日曜日に愚弟と行って来ました!会場は御茶ノ水周辺という事で、今回初めて丸の内線を利用しましたw当日は生憎の雨でしたが、迷わずに会場も発見出来たものの比較的早めに着いてしまい喫茶店で時間を潰してから出直し。既に会場を発見した時点(開場30分位前)で待っている人が多数いましたが、開場予定時刻には長蛇の列が!と言っても定員150人のイベントなので、すぐに会場には入れたのですがwでも会場内の書籍販売は購入すれば座談会後にサインして貰える事もあり、かなり混雑していて驚きました!おそらく、私の人生の中で最も熱狂的な書籍購入現場でしたねw大学の教科書販売とは熱気が違いましたwwちなみに私は、札幌からサインして貰う本を取り寄せた事もあって当日購入する予定はなかったのですが、あまりにも座談会での巽昌章さんの評論部門大賞受賞作「論理の蜘蛛の巣の中で」へのリスペクトに興味が沸いて終了後に購入しましたよw以下、詳細なレポは時間の関係もあって厳しいので参加した先生の座談会での様子等の感想です。 ・綾辻行人さん札幌での「暗黒館の殺人」のサイン会でお会いした事があったのですが、やはり憧れの方なので興奮しましたw今回は質問カードが無かったので声を掛けられる事はありませんでしたが、目の前で「十角館の殺人」にサインして貰っただけで感謝感激ですw座談会では、場馴れしている為か的確なタイミングで合いの手を入れていましたが、京大の先輩である巽さん、選考委員だった賞でデビューした道尾さんと思い入れのある受賞者だけに嬉しそうでした。ちなみに愚弟曰く「一番偉そうだった」そうです。この罰当たりもん!! ・北村薫さん「課外授業・ようこそ先輩」で喋っている所を観た事がありましたが、生では当然初めて。のっけからミステリに関する短歌を引用する非常に「らしい」姿は「ショートソング」で最近短歌にかぶれている私にとって嬉しかったですwただ、今回は司会役だった事もあり、話を振る事に終始していたので少し残念。でも物腰の柔らかさが素敵ですし、じっくりお話を聴きたい方ですね。 ・巽昌章さん流暢という訳ではないですが、一番お話が面白かったですw含蓄のある話を長く話すので付いて行くのに一苦労でしたが、終盤のぶっちゃけ具合が素晴らしいwそれによると今後は評論だけでなく、創作にも関わるみたいなので楽しみですね。前に「有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー」で読んだ短編も面白かっただけに期待は大きいです。会場で買ってサインして貰った「論理の蜘蛛の巣の中で」は1日1回のペースで読んでおりますw ・法月綸太郎さん作者近影でお顔は知っていたものの喋るのは初めて聴きましたが、意外に声が高かったので一人で驚いていましたw評論同様、的確で誠実な語りは好感度高いですね。私がサインして貰った時は、最も列が長かったです。 ・道尾秀介さん冒頭で「シャドウ」を読まれた方、何人位いますか?と聴いた所、意外に手が挙がらなかったので残念がっていましたw周りがベテランばかりで影が薄くなりがちでしたが「シャドウ」を何となくの構想1日、僅か3週間で書き上げた発言には驚愕しました。夏頃に「ソロモンの犬」という最新作が出るみたいなので楽しみですし、もう発売している「GIALLO」には「ラットマン」という作品が2回に分けて掲載されるみたいです。更に座談会終了後には、大賞の授賞式に出席した作家さんの寄せ書き色紙が5名に当たるという抽選もありました。愚弟と2人で確率15分の1と悪くない数字でしたが、当然外れwこういうの当たったためしがないですが、やはり内心は期待していただけに無念でしたwそんなこんなで大いに楽しんで来た訳ですが、来年以降も開催される可能性があるみたいなので是非ともまた行きたいですね。ミステリに興味もなかった愚弟も刺激を受けたみたいで現在「シャドウ」を読んでおりますwただ、契約通りに当日の交通費と夕食代を私が出したのは中々に手痛かったですよ・・・。最近読んだ本の事も書きたかったですが、それは次回ということで多分来週は水曜に更新します。では、これから古本屋巡りへと繰り出しますよw
2007年06月16日
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今週も先週同様にネットカフェからアクセスしております。同じ時間帯に利用するので、もう店員さんと顔見知りになってしまいましたよw前回の日記で書いた「座談会」ですが、愚弟と行って来ようかと思います。意外にも興味を示したので、これも人生経験の一環とばかりに連れて行きますが、あくまで付き合って貰うという感じなので愚弟の交通費は私持ちになり、イベント後に折角の東京とばかりに私的な買物に愚弟が乗り出す事を考えると少し理不尽に感じますwwそんな訳で、サイン会様に本を送って貰ったのですが、以下がサインして貰う予定の本です。1人1冊が原則なので愚弟にも預けて1作家2冊ずつ選びましたw ・綾辻行人 「十角館の殺人」「迷路館の殺人」非常に無難なセレクトですが「館」シリーズの中でも1,2を争って好きな作品なので満場一致ですw ・北村薫 「空飛ぶ馬」「リセット」デビュー作の「空飛ぶ馬」はすんなり決まりましたが、残り1作が問題でした。悩んだ末に最近読んで印象的だった「リセット」にしました。 ・法月綸太郎 「法月綸太郎の冒険」「法月綸太郎の新冒険」我ながら凄いセレクトですが、法月さんの作品は長編よりも短編が好きなので仕方ありませんw ・道尾秀介 「向日葵の咲かない夏」「シャドウ」大賞受賞作の「シャドウ」は外せませんし、個人的に道尾作品で最も好きな「向日葵~」も鉄板でしたw最新作の「片眼の猿」も捨て難かったのですが・・・。評論部門で大賞を受賞した巽昌章さんの作品(評論集)は持っていないのですが、手持ちのお金に余裕があれば会場で買ってサインして貰おうかと思います。そんなこんなで今週末が非常に楽しみですし、次回の日記を書く時に当日の様子を書きたいと思います♪あと、最後に最近読んで面白かった本をメモ代わりに書いておきます。一時期、かなり読むペースが落ちましたが、最近は2日で1冊位は読めているので充実しているかなと思います。今回は、こちらに来て初めて読んだ作家さんの作品で書きます。 ・上橋菜穂子 「精霊の守り人」NHK-BSでアニメ化されて話題ですが、私も札幌で観た放送前の特番で興味を持った口ですwタイミングよく文庫化されたので読んでみましたが、一風変わった世界観のファンタジーという感じであっという間に読破できました。まだシリーズ的には冒頭らしいので今後の文庫化に期待したいですね。残念ながら、こちらではBSが観れないので、いずれアニメ版もちゃんと観てみたいです。 ・田中哲弥 「ミッションスクール」以前、何かでライトノベル三大奇書に挙げられていた作品で気になって読んでみましたが、いや確かに奇書ですよ、これはw全体に漂う理不尽と言うか不条理と言うか、説明し難い空気とテンポ良く進む物語が妙に癖になります。ある意味で強烈にお薦めですが、かなり好き嫌いが分かれそうな作品ですw ・枡野浩一 「ショートソング」作者が歌人という事もあって短歌が多数登場する吉祥寺を舞台とする青春小説なのですが、何よりも馴染みの薄かった短歌が非常に面白く感じられました。メガネでプレイボーイの天才歌人・伊賀とハーフで美少年だけど奥手な克夫という非常に対照的な語り手が交互に登場しするのも楽しいです。ひょんな切っ掛けで読みましたが、かなりお気に入りな作品になりました。ちなみに現在、集英社の「スーパージャンプ」で漫画が連載されており、そちらも非常に楽しみです。 ・森岡浩之 「星海」シリーズ星雲賞も受賞した大ヒットシリーズですが、今回が初読みでした。たまたま立ち寄った古本屋に揃って置いていたので買ってみましたが、正統派のスペースオペラを堪能できました。現在、本編の「~紋章」と「~戦旗」は全て読み終わり、画像の外伝となる短編シリーズ「~断章」を読んでおります。タイミングよく「断章」の2冊目も出たので、そちらも読んでみようと思いますが、少し進行が遅れている本編の続きも楽しみに待ちたいと思います。
2007年06月06日
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皆さん、こんにちは!w先週に続いて今週も同じネットカフェから書き込んでおりますww今日は更新以外にもベスト電器で買物をするという目的があったのですが、そちらは予想以上に早く、安く、終了したので先進的に楽な気持ちでアクセスしておりますw前回の日記でも書きましたが、先週末は神保町へと行って来ました!その前に秋葉原で買物をし、折角なので歩いて向かいましたが、見慣れない街だけに歩いているだけでも楽しかったですwで、肝心の神保町ですが、流石は日本一の古本屋街だけに壮観な眺めは凄かった!残念ながら、あまり古書に興味を示さない愚弟と一緒だったので、そこそこで切り上げて帰って来ましたが、とりあえずは十分に雰囲気を感じられたので満足でした。上野同様にゆっくりと周遊したい街ですね。あと、神保町にある「三省堂書店」の本店にも行ったのですが、そこでこういう張り紙が!!というか、ネット無縁生活の為に本格ミステリ大賞の結果も知りませんでしたが、道尾秀介さんの「シャドウ」が小説部門の大賞だったのですね~。その道尾さんに評論部門の巽昌章さん、更に綾辻行人さん、北村薫さん、法月綸太郎さんが参加する座談会とサイン会となれば申し込まねばと整理券をゲットしました♪関東に来れば、こういうイベントに行けるなとは思っていましたが、まさか神保町の三省堂で遭遇するとは出来過ぎな感がありますねwwここでタイトルにも書いた重要なお知らせなのですが、実は私の手元に整理券が2枚あります。私より先に入手していたらしい人から「貰ったけど、行けそうにないのでいりませんか?」と渡されたからでした(汗)思わず受け取ってしまいましたが、ミステリに無知な愚弟と行くのも微妙なので関東在住の方で6月10日にお暇な方がいれば連絡下さいwコメントにでも書いて頂ければ、今度ネットカフェに来た時に返信いたします。とりあえず、サインして貰う為の本を札幌から取り寄せたいと思いますwwでは、また早ければ来週にアクセスします!
2007年05月30日
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皆様、お久しぶりです!1ヶ月少し間が空いてしまいましたが、やっとこさアクセス出来ましたwただ、ネット環境が整った訳ではなく、今日は埼玉県某所のネットカフェを利用しています。もっと早く利用すれば良かったのですが、幸いと言うか何と言うか、これまでネットカフェを利用する機会がなく、何となく行き難いと思っていたのが災いしました(汗)とはいえ、このままではネット不登校になってしまうので一念発起して赴いた次第wこちらでの生活にも慣れ始めたものの思っていた以上に東京に行く機会がなく、もっぱら自宅周辺を探索する機会が多いですね。秋葉原には行ったものの噂の神田神保町には足を踏み入れていませんし・・・。思っていた以上に楽しかったのは上野で東京国立博物館の「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」には圧倒されましたw残念ながら時間が無くて常設展は観れませんでしたが、他にも興味深い博物館が多いのでいずれ朝から博物館巡りもしてみたいです。そんなこんなで、結構楽しめているもの誘惑が多くて読書時間が少なくなっているのが改善点ですね。ただ、乗り物酔いが酷い私としては珍しく電車内読書が平気で出来ているのは大いなる進歩でしょうかwネットが出来ず新刊情報に疎くなっていますが、読書量減の現状では丁度良い位ですよ(闇雲に本屋へ行くのも慣れましたしw)以上、近況報告でしたww今後も暫らく、こんな感じでの更新になりそうですが、宜しくお願いします。
2007年05月23日
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いよいよ明日引っ越す訳ですが、既に最低限の荷造りは終わっていたので本等の趣味的な部分の荷造りをしました。とはいえ、読んでいない本を積めるだけなので楽と言えば楽なのですが、その後の本棚整理がキツかった!こちらも読んだまま積んでいた本を本棚に詰めるだけなのですが、作家別に並べ様と思ったら端から端まで出し入れしなければならず思いの外に疲労しました・・・。その甲斐あって納得の整頓は出来たので良かったですよwあと、本格的にネット再開がいつになるか分からないので1ヶ月半位早いですが、今年度の上半期ランキングを簡単にベスト10でまとめておこうかと思います。 <長編部門>1位・古川日出男 「アラビアの夜の種族」2位・恒川光太郎 「雷の季節の終わりに」3位・道尾秀介 「向日葵の咲かない夏」4位・米澤穂信 「ボトルネック」5位・京極夏彦 「邪魅の雫」6位・東野圭吾 「白夜行」7位・中井英夫 「虚無への供物」8位・島田荘司 「占星術殺人事件」9位・北森鴻 「狐罠」10位・恩田陸 「ドミノ」ベスト3は期待も込めて若い作家さんを並べましたが、どれも独自の作風で楽しませてもらえた作品ですね。何にせよ「アラビア~」は非の打ち所がない傑作だと思います。 <短編部門>1位・京極夏彦 「後巷説百物語」2位・加納朋子 「レインレイン・ボウ」3位・平山夢明 「独白するユニバーサル横メルカトル」4位・横山秀夫 「第三の時効」5位・北森鴻 「メイン・ディッシュ」6位・伊坂幸太郎 「フィッシュストーリー」7位・横山秀夫 「動機」8位・恩田陸 「図書室の海」9位・竹本健治 「フォア・フォーズの素数」10位・畠中恵 「ねこのばば」こちらは私にとって非常に評価の高い京極さん加納さんで1,2と順当な結果ですね。3位に選んだ「独白~」は外し難い魅力を備えていますし、いずれ再び平山作品をベスト10に選んでみたいですよwという訳で、本当に簡単ですが現時点での上半期ランキングでした。下半期は、今回の分もがっつりと書ければ良いと思いますが、はてさてww
2007年04月15日
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気付いたら明日引っ越すので、ゆっくりネットしている時間も少なくなってしまいました(汗)なので最近読んだ本の感想を一気に掲載しておこうと思います。単行本・ノベルスを中心に以下の4作です。 ・関田涙 「蜜の森の凍える女神」第28回メフィスト賞受賞作です。初めて読んだ作家さんでしたが、非常に堅実な本格ミステリですね。吹雪の山荘、密室、毒殺と道具立ても満載ですし、大筋とは別の仕掛けも中々。ただ、良い意味でも悪い意味でも堅実で特に突き抜けた点は無かったと思います。女子高生探偵のヴィッキーのキャラも先行作品(愛川晶さんの根津愛など)と比べて地味目に感じました。とりあえず、シリーズとして何作か出ているみたいなので今後も読んでみようかと思います。 ・柄刀一 「fの魔弾」久々に読んだ柄刀作品ですが、流石の完成度。メインとなる密室の凝り具合だけでなく、過去の日本と現在のアメリカの描写が交互に挿入される構成と終盤に一本の線に繋がるのも巧いですね。バラバラに読んでいる事もあって、これまで経歴が今一つ不明だった探偵役・南美希風の人物像に触れているのも嬉しい所。文庫化された柄刀作品の大半は手元にありながら未読なので、これから読むのが更に楽しみになりましたw ・舞城王太郎 「熊の場所」やっとこさ読めた舞城さんの短編集。短編でも切れ味鋭い文章は健在ですし、むしろコンパクトで読み易い位ですね。収録された3編全て楽しめましたし、お馴染みの暴力性も存分に発揮されております。個人的に最も好きなのは表題作の「熊の場所」ですが、爽快感十分の「ピコーン」の壮絶さも流石。舞城作品は続々と文庫化されているので順次読んで行きたいですが、次は「山ん中の獅見朋成雄」を手に取りたいです。 ・森谷明子 「千年の黙 異本源氏物語」かなり前に「れんげ野原のまんなかで」を読んで以来の森谷作品ですが、こちらがデビュー作であると共に第13回鮎川哲也賞受賞作でもあります。2部構成となっており、消えた帝ご寵愛の猫の謎と幻の巻と言われる「かかやく日の宮」の謎が描かれていますが、紫式部を始め登場人物の人間模様も読み応え十分。あまり源氏物語に馴染みの無い私でも問題なく楽しめましたが、ある程度源氏物語を知っている方が当然楽しめるでしょうね。詳し過ぎると何らかの瑕疵も目に付くとは思いますがwともかく、ミステリとしては珍しい路線なので今後も活躍を期待したいですね。
2007年04月14日
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突如出現する巨大怪獣。地球侵略を企むナゾの宇宙人。そして人々に襲いかかる驚異の改造人間。いい年齢をしてナンパが大好きな、アタル、京介、正太郎の3バカトリオに、次々と恐怖が襲い掛かる!彼らを救うヒーローは残念ですが現れない!密室、誘拐、連続殺人。怪物たちは、なぜか解決困難なミステリを引き連れてくるのであった。空前絶後のスケールでおくる、本格特撮推理小説。西澤保彦さんの「笑う怪獣 ミステリ劇場」を読みました。今作は「本格特撮推理小説」と銘打たれていますが、正にその通りで怪獣や改造人間の登場が大前提となっているSF馬鹿ミステリ作品ですねwとはいえ、これまでの西澤作品の延長とすると至って普通に感じられるのが不思議ですw7編からなる連作作品となっているので以下1編毎の感想です。 「怪獣は孤島に笑う」巨大な怪獣に道を塞がれて無人島に閉じ込められた3人組とナンパした女性たちw逃げ場のない状況で1人ずつ消えて行く・・・という謎ですが、伏線部分が印象的過ぎてオチは読めてしまいました。この1話目を楽しめるかどうかが今作の試金石となると思いますが、私はこのナンセンスさが好きですw 「怪獣は高原を転ぶ」今度は高原の別荘に怪獣が出現。とはいえ、肝心なのは人間達のいざこざであり、怪獣の役割が状況打開に重点が移っているのが面白いですね。それだけに3馬鹿トリオの存在感が際立ちます。 「聖夜の宇宙人」ページ数的に最も短い作品ですが、これは何と言っていいのか困りますねw所謂、連作作品らしい一発ネタなのでしょうが、それにしてもw地味に西澤作品でお馴染みのキャラが登場しておりますww 「通りすがりの改造人間」アンソロジーで既読でした。改めて読んでもミステリとしての肝となる部分が分かり易いので真相に驚けませんでしたが、正太郎と彼女との奇天烈なデートやそれを盗み見るアタル達の描写は中々に好きですねw 「怪獣は密室に踊る」 こちらもアンソロジーで既読でしたが、今作でベストな短編かと思います。強引な点はあるものの怪獣の絡み方やミステリ部分も巧くまとまっていますし、全体的に盛り沢山で読み応えも十分。 「書店、ときどき怪人」路線的には「通りすがりの~」と似ていますが、方向性は全然違いますw風刺的と言うか、ある社会現象に題を取っていますが、それ以上に終盤の展開が圧巻でした。こういう展開も必然と言えば必然だと思いますが、何とも西澤さんらしくなっているのが笑えますw 「女子高生幽霊綺譚」最終話には幽霊が登場。殺される間際に犯人が呟いた言葉から推理を広げるという安楽椅子探偵ものとなっていますが、いつものドタバタが無いので異色ですね。本来的に西澤さんの得意パターンだけに真相へのロジックも決まっているのですが、他の短編同様に伏線が露骨な構成なのが今一つ。
2007年04月13日
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私にそっくりな、もう一人の私がいる!?自分にそっくりな東京の女子大生・双葉をテレビで見て驚く札幌の女子大生・鞠子。2人を結ぶ宿命の絆とは何か?迫真のサスペンス長編。東野圭吾さんの「分身」の感想です。今作は東野作品としては比較的初期に発表されましたが、ミステリの要素は薄めながら物語として存分に読ませる点は後の大作に繋がっている感じがします。度々、東野作品に登場する科学や医学の分野における先進的な技術が重要な位置を占めていますね。構成としては、何故か瓜二つな札幌の女子大生・鞠子と東京の女子大生・双葉を交互に語り手として起用し、混沌とする謎を双方の視点から描いていきます。静かな立ち上がりですが生い立ちから丁寧に描いていますし、徐々に核心に迫る中盤以降は息つく暇もない怒涛の展開。ただ、それだけに終盤があっさりし過ぎに思えますし、美しいラストにも物足りなさを感じました。語らない良さというのもありますが、もう少し補完して欲しかったです。あと、作中に登場する技術も刊行当時は耳慣れなかったと思いますが、現在では一般に浸透しているだけに驚きは薄めですね。読んだタイミングもあるので仕方ない事ですし、内容的には古臭さを感じさせない読み易さがあるので問題ないです。何にせよ改めて東野さんの作風の幅広さを実感しました。「白夜行」等への過渡期的な作品だとは思いますが、十分に楽しめる作品かと思います。
2007年04月12日
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毎月恒例の「注目の新刊文庫」も今月で一端お休み。と言うか、しばらくネットが使えないので新刊情報の入手は困難になりますね~。まぁ、黙って手元の未読作品を読めば良いだけの話ですがw以下、個人的に注目している来月の新刊文庫作品です。・芦原すなお 「新・夢十夜」(創元推理文庫)・伊坂幸太郎 「チルドレン」(講談社文庫)・石田衣良 「1ポンドの悲しみ」(集英社文庫)・石持浅海 「水の迷宮」(光文社文庫)・歌野晶午 「葉桜の季節に君を想うという」(文春文庫)・恩田陸 「まひるの月を追いかけて」(文春文庫)・今野敏 「ST警視庁科学特捜班 黒の調査ファイル」(講談社文庫)・小路幸也 「空を見上げる古い歌を口ずさむ」(講談社文庫)・田中啓文 「忘却の船に流れは光」(ハヤカワ文庫)・田中芳樹 「創竜伝 13 噴火列島」(講談社文庫)・津原泰水 「ルピナス探偵団の当惑」(創元推理文庫)・鳥飼否宇 「痙攣的 モンド氏の逆説」(光文社文庫)・舞城王太郎 「みんな元気。」(新潮文庫)・麻耶雄嵩 「名探偵 木更津悠也」(光文社文庫)・山口雅也 「日本殺人事件」(創元推理文庫)何作か既に単行本やノベルスで既読の作品もありますが、中々のラインナップかと思います。既読でも「チルドレン」「葉桜~」「名探偵 木更津悠也」と好きな作品が多いのは嬉しい所ですね。文庫化待ちしていた中では「まひるの月を追いかけて」「痙攣的 モンド氏の逆説」「みんな元気。」の3作品が非常に気になります。ここに書き出した作品は、嫌でも引越し先で探す事になるので感慨深いものがありますwともかく、何が文庫化されるか忘れない様にしたいですねw
2007年04月11日
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もう1週間もしない内に引っ越しますが、こちらでの行き収めとばかりに古本屋へと行って来ました。こういう時に限って欲しかった本が続々と発見されてしまうのは世の常wしかも嵩張るので持って行きたくないと思って優先的に読んでいる単行本とノベルスで多いのだから救い難いですww以下、今回購入した本とコメントです。 ・大倉崇裕 「警官倶楽部」最新作なので気になっていましたが、思いのほか簡単に入手。間違いなく、引越し先に持って行くことになりますねw ・桜庭一樹 「赤朽葉家の伝説」お気に入り作家・桜庭さんの最新作でかなり評判も良い作品ですが、このタイミングで発見するとは・・・。じっくり読みたいので単行本ですが、引越し先行きで。 ・竹本健治 「ウロボロスの純正音律」いや、もう持って行くしかないですよ、これは・・・。シリーズ2作目の「~の基礎論」も手付かずなのに、これから読めるはずがない! ・戸梶圭太 「燃えよ!刑務所」最近文庫化された作品ですが、中々の厚さです。戸梶作品は読み易いので読む事は十二分に可能ですが、文庫作品なので持って行きます。 ・西澤保彦 「笑う怪獣 ミステリ劇場」最近、長編ばかり読んでいて短編に飢えていたので速攻で読破w何編か読んだ事がある短編もありましたが、如何にもな作品で楽しめました。 ・舞城王太郎 「熊の場所」全然、全く見掛けなかった作品ですが遂に購入し、こちらも短編飢えの余波で先程読み終わりましたw両作品とも近い内に感想を書きたいですね~。そんな訳で、読み易い作品は即読みしてしまいましたが、基本的には引越し先で読むであろう本が大半でした。とりあえず、向こうに行くまでは長い間未読だったノベルス作品を出来る限り、消化したいですね。
2007年04月10日
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僅かに知っている方もいますが、来週の月曜日に私は生活拠点を札幌から関東圏に移します。詳しい事は省きますが、向こうに行っている愚弟と共同生活になるので非常に不安だったりしますwこちらでの仕事も昨日で一段落したので今週中に色々と準備をしなければいけませんが、中々に大変そうです。ともかく、ボチボチとやって行きたいですね。で、今回の転居で最も重大なのは、向こうの家はネット環境不毛の地だという点です・・・。そんな訳で、来週から開店休業状態にならざるを得ないので、こちらのHPも色々と手を打ちたいですね。当然、閉鎖は考えていないので環境が整えば普段通りに再開しますが、それまでは携帯からの不自由な更新になります。
2007年04月09日
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魔導戦争の隙間にあるその非武装地帯には、見せ掛けと偽りの享楽と笑顔の陰でいつも血塗れの陰惨な事件がつきまとう。積み重ねられし数十年の悲劇の果てに訪れた大破局に、大地は裂け、街は震撼し、人々は喪った夢を想う…そしてすべてが終わったはずの廃墟にやってくる仮面の男がもたらす残酷な真実は、過去への鉄槌か、未来への命綱か―。3日連続で上遠野浩平さんの「事件」シリーズの感想ですw今回は4作目で現時点のシリーズ最新作「禁涙境事件」について。今作では「禁涙境」という魔法が無力化されるという特殊な街を舞台に冒頭に到るまでの数十年の出来事を街で発生した奇妙な事件を回想する形式で描いております。各エピソードは短編風になっており、一種の連作作品とも読めますね。語られる謎は今シリーズらしく多彩で面白いのですが、ミステリとしては全体的に微妙な真相が多いですね。黒幕がバレバレな為でしょうかwファンタジーとして「禁涙境」という特異な場の謎に各エピソードが繋がって行くのは巧いですし、盛り上がりは中々でした。今作でも過去3作品とのリンクは健在でお馴染みの顔もチラホラ出ていますが、インパクト的には「残酷号」の存在が圧倒的。かなり唐突な登場ですが、こういう展開は「ブギーポップ」シリーズを思い出しましたwこれは今後のシリーズに大きく関わって来そうですが、どう主要キャラ3人組と絡んで行くのか楽しみですね。あと、端役では冒頭の挿絵にもある走っている人が妙に気に入っておりますwwという訳で、まだまだシリーズ途上という感じなので早く続編を発表して欲しいものです。
2007年04月08日
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海賊。―それは常に奪う側に立ち、奪われる側には決して立たぬ者。魔法が文明を支配する世界の中で、海賊ムガンドゥ一族に略奪される危機が訪れる。全面戦争も辞さぬ強大な魔導艦隊が彼らに要求するもの、それは完全密室の中で起きた殺人事件の容疑者だった―全世界が緊張する中で海賊は一人の女を呼ぶ。その名はレーゼ・リスカッセ。そして彼女には、仮面を付けたとても奇妙な友人がいて―この世で最も美しい死体と、三代に亘る一族の歴史をめぐる因果の先に待つものは、勝利か敗北か、それとも―。 昨日に引き続き上遠野浩平さんの「事件」シリーズの感想です。今回は3作目「海賊島事件」についてです。「紫骸城事件」は外伝的と書きましたが、今作では「殺竜事件」同様に主要キャラ3人組の活躍の場が多くなっています。物語の構成としては「この世で最も美しい」と称される死体が出現した謎の密室殺人事件の解明にEDが、海賊島を舞台とする事件の容疑者を巡る争いにヒースロゥとレーゼが、という風に2つの舞台を並行して描いています。その合間に挿入される海賊ムガンドゥ一族の歴史も魅力的ですし、前2作とのリンクもムガンドゥ三世を始め細かな部分でも多くて楽しいです。事件自体の真相は予想の範疇で驚きは薄めでしたが、その結論を導き出す為に今シリーズならではのトリックを綺麗な伏線の中に隠しているのは見事。ミステリとしては今シリーズで最も論理的かと思いますし、背景となる海賊を巡る物語も面白いので文句なしです。特にムガンドゥ三世の個性は際立っており、終盤は1人で美味しい所を持って行った感がありますねwそれに対するヒースロゥのコメントや読後感の良いラストも好みでした。既刊4作の中で総合的に見て1番好きな作品です。
2007年04月07日
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城。それは無為にして空虚なる巨大な骸。世界を蝕んだ魔女の悪意の果てに、その城塞は百万の生命を吸い、千万の呪詛を喰らって造られた。事件は、荒野の中心に聳えるこの悪夢の巣窟に、魔導を極めんとする者どもが集いしとき起こる。呪いとしても不条理。魔法としても不可解。殺戮としても異常―数奇にして非情なる謎の果てに、したたる血さえも焼け爛れる、底無しで出口のない連続大量殺人の惨劇が幕を開ける。上遠野浩平さんの「紫骸城事件」の感想です。今作は「事件」シリーズの2作目ですが、ジャンル的にはファンタジー・ミステリとでも言うべき中々に興味深いシリーズとなっています。魔法の存在が大きい世界観ならではの特異な謎は非常に魅力的ですし、ミステリもライトノベルも好きな私にとっては無視出来ない作品です。伝説的な魔女が築き上げた紫骸城を舞台に魔法大会が行われるはずが、続々と魔導師達が不可解な死を遂げる。更に城から出られないクローズドサークルの様相も呈し、ぐいぐいと物語が引っ張られて行きます。ミステリとしても独特のトリックが面白いのですが、この謎解きでは第2の殺人は説明できないのでは・・・。犯人の細かい工作が見事だっただけに残念に感じました。あと、上遠野さんらしいリンクは健在で前作「殺竜事件」で噂となっていたキャラが主要登場人物になっているのですが、そのミラル・キラルが思っていた以上に酷い性格ではない気がしますwただ、今シリーズの主要キャラの出番の少なさや何とも言えないラストを考えると続編と言うよりは外伝的な位置付けに感じました。とはいえ、2作目の印象としては全然悪くなくて良かったです。このシリーズ、既に3,4作目も読み終わっているので今後は最新作を待たなければいけないのが辛いですねwまた後日、感想を書きたいと思います。
2007年04月06日
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