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あの事件から5年、「酒鬼薔薇」が出所する。被害者淳君の父の慟哭を聞け! 「おじいちゃんのとこ、いってくるわ」ドアの閉まる音がして、淳は家を出ていきました。これが、私たち家族と淳との永遠の別れになってしまいました 。1997年5月に起きた「神戸連続児童殺傷事件」。14歳の少年に我が子を奪われた父が綴る鎮魂の手記。眼を細め見守った息子の成長から、あの忌まわしい事件の渦中の出来事、そして「少年法」改正に至る闘いまでを、被害者遺族が詳細に描く。
“少年A“この子を生んで・・・・
「少年A」14歳の肖像
2冊を読んで同じ事件を違う視点で見るとこんなにも違うものかと
いう感想を持った記憶がありますが
この本は被害者である淳くんの家族の視点でかかれたものです。
前出の2冊では書かれていなかった
被害者の淳君に関してと事件の渦中の家族の様子が
書かれています。
興味深いのは同じ日の出来事とを書いた
Aの両親の手記とはかなりAの母親の印象が違うこと。
手記のほうだけ読むと理知的な感じさえする母親ですが
ほかの人間が書いた文章からはまた別の違った印象が。
この本に限ってはもちろん加害者の母親であり
犯人をこのようにしたのは母親の厳しすぎるしつけだったということを
専門家が指摘したためもあると
思いますし、それを無視して客観的に何手かけるものではないとは
思いますが、やや感情的に書かれているように思いました。
特にみなが淳君捜索中留守を買ってくれたのはいいが
”たまごっち”を持ち込んでせっせと世話をしていたエピソードとか。
Aに対しては仁義を通すようにと
厳しく躾けたらしいですがコレが本当なら
母親ちょっと的外れなような。
でもお葬式の際、”まだ(淳君の)顔も見てやってないの?”と
言われたというエピソードなんかは
もし親しい信用できる人から同じことを言われていたら
温かい言葉として受け入れられたかも知れません。
言葉ってむずかしい。
必死の捜索の様子は淡々とした文章で語られていますが
実際には1分1秒、胸のつぶれるような思いをされたのだろうなと。
また少年法に対する被害者側の気持ちも切々と
語られていて、本当にやりきれない気持ちが伝わってきます。
続編も出ているみたいなので機会があったら読んでみたいと
思います。
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