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色と金に溺れ、破滅へと向かう男と女―。実在の事件に想を得て、読物化した『週刊新潮』の名物連載「黒い報告書」。その40年続く歴史の初期には、常連作家の他、新田次郎、水上勉、城山三郎らも寄稿。平成に入ってからは、岩井志麻子、重松清、志水辰夫ら人気作家が執筆者として名を連ねている。一流の書き手が、時代のエロスと犯罪を濃厚に描いた「報告書」傑作選。
黒い報告書
どうでもいいんですが、どうしてもぱっと見、新田次郎と浅田次郎を
間違ってしまうワタシ。
実際にあった大小の事件を著名作家が小説風に書く、という
コンセプトは大変面白いと思います。
が。
どの短編もセンセイ方、ご自分で事件を掘り下げてはいないでしょうねぇ・・と
思われるような 底の浅い野次馬的
な『読み物』になっちゃっているのは
とても残念。
これでは事件の当事者たちはいたたまれないでしょう・・。
現在でこそ当事者たちの名前も舞台の都市も実際とは違うものを
使っているようですが一昔前は実名で書かれていたとのこと。
実名でこんなこと書いたら名誉毀損で訴えられたって仕方がないでしょうよ。
他の短編と比べて『読み物』として事件と一線を引いた形で
好感が持てたのは意外に 内田春菊
のもの。
義父にいたずらされて育った少女が行きずりの男にその話をしたところ
男が義父を殺してしまい、少女はその男と家出するというくらーい内容ですが
『ああ、父親の死んだとこも写メ撮っとけば、よかったな。』
なんてあたりが狂気に近い正気、というかシュールというか。
水上強センセあたりはさすがに格調があるものの、どうも色をつけた
事件ダイジェストの感が。
そもそも取り上げられている事件は実際にわが身に起こったら大事件だけれども
世間で毎日起こる『お金と男女関係の揉め事』程度のあまり目新しいものではないし。
だからこそ、それを取り上げるならもっと着実な取材に基づいた
内面を掘り下げる筆、が必要なんじゃないかしら?
期待して手に取ったんだけど、ザンネン。
そういえば登録しっぱなしだったのを思い出しました(照)
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