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紹介文
恋は人を暴く。
一人の男のなかの男(おとこ)性を暴き、一人の女のなかの女(おんな)性を暴く。だからおもしろいし、だから、とても人にすすめられない。
書物のなかで、暴かれたそれが、ひっそりと、でも白日のもとに晒されたさま。私は目をそらすことができない。残酷だけれど美しい眺めだ。(「選者あとがき」より)
現実があやうくなるほどの、めくるめく鮮烈な恋の話、八編。
【収録作品】
「謎」 吉行淳之介
「朱験」 河野多惠子
「ホテル・ダンディライオン」 安西水丸
「十日間の死」 江國香織
「夏の情婦」 佐藤正午
「シャトー・マルゴー」 村上 龍
「私は生きる」 平林たい子
「かわいい女」 アントン・チェーホフ/小笠原豊樹=訳
【中古】文庫 ただならぬ午睡【10P14Sep12】【画】【中古】afb 【ブックス0920】【半額】
どれもほかの作家の作品であるにもかかわらずとても江国ワールドな 逸品。
『朱験』とか、えっと・・これって恋愛小説なんですか?
ってのもありますが江国さんがそうだといえばそうなんです。
きっとそうなんです。
江国さんの作品・『十日間の死』は以前感想を書いた(ような)記憶があるので今回は感想を割愛。
それ以外の何篇かの感想はコチラ↓
ホテルダンデライオン 安西水丸
村上春樹とよくコラボってる、彼ですね。
村上春樹の本、というと彼のイラストが思い浮かぶくらい。
で、初めて小説読みましたがまったくもって村上春樹の世界でした。
もしくは村上春樹が翻訳したアーウィン・ショー。
嫌いじゃないけど。
シャトーマルゴー 村上龍
村上龍の文章は生々しすぎてギラギラぎとぎとしていて苦手な作家なのですがこの作品はなかなか好みでした。
幻想というか妄想というかまったく現実感のない薄ぼんやりとした『穏やかな海の見えるバルコニーを持つ家』という舞台で「何もせず恋人からの絵はがきを待つ女』のものすごくリアルな生活がつらつらと語られて行く。
そして『読むのに時には何週間もかかる』つらつらとした文章の恋人からの絵はがき。
夢かうつつか、むしろ狂気に近い女だけの世界が壊れてしまいそうな終わり方も小説全体の不安定さに決着をつけるかのようで他の作品ならあんまり好きではない抽象的な書き方にもかかわらず気に入ってしまいました。
私は生きる 平井たい子
病弱な上にわがままで、旦那に何もかもさせた上仕事のために必要な灯りまで眩しいと言って落とさせ、しまいには旦那失明の危機。
とにかく旦那がどこまで耐えられるのか試すようにわがままを言い続けしいたげる妻。
そしてその妻から逃げられない旦那。
今日ではこういう関係を共依存、というのでしょう。
不健全この上ない閉ざされた関係。
こういう妻みたいな人はどこにいても不幸なのだけれど自分一人が不幸な事には我慢がならないんでしょうねー。
無意識に。
あぁ恐ろしい。
かわいい女 チェーホフ
うーん。いるよね、こーゆーひと。
相手がまっとうな人間ならこの程度で済むけど相手が『私は生きる』の妻みたいだとパーフェクト共依存。
どっちかっていうとこっちに近いワタシは今更ながら自分を持つ事にチャレンジ中。
まずは自分をたっぷり認めてあげなくちゃね。
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