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円熟期の作品から厳選された短編集。交通事故の予後療養に赴いた折の実際の出来事を清澄な目で凝視した「城の崎にて」等18編。
城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫) (文庫) / 志賀直哉/〔著〕
そんなあたりの作家
残念ながら芥川龍之介や菊池寛は持ち合わせていない模様。
この辺りの短編は小学校や中学校の教科書に載っていた気がしますが、小学生に「羅生門」わからんだろー。
ま、教科書に載っているのは日本人の知識として知っておくべきだから出てるのかもですが。
教科書といえば、「城の崎にて」はどうだったかなー。
シガナオヤ⇒キノサキニテっていう右と左を結ぶテストには出てきたかも、だけど読んだ記憶はないなー。
鼠への残酷な記述とかあるから教科書には載せにくいのかも?
それにしても「城の崎にて」に関していえば主人公が、死んだ蜂や、殺された鼠や、殺した蜥蜴に九死に一生を得た自分の姿と照らし合わせて見て 「生きている事と死んでしまっていることと、それは両極ではなかった。それ程に差はないような気がした。」
なんて考えるわけだけれど、『仕方なくしんでしまう』ことと『 後頭部から喉まで太い串を刺されて
川に投げ込められ必死で岸に泳ぎ着いても、喉から突き出ている串が邪魔で岸にあがれなく、それでも必死に泳いでいりところを笑いながら石を投げつけられる鼠の死』は決して同じではないと思うんだけどな。
例え鼠であっても。
害獣だから仕方ないとしても、この殺し方は命への尊厳にかけると思うのはワタシが軟弱な現代人だからなのかしら?
その時代の主人公もこの様子には若干嫌な気になった、と書いていますが。
その他著者自身が主人公でその日常がわりとだらだらとエッセイ風に書かれている短編ばかりですがこのあたりの作家の研究なんぞされている人にはオイシイ短編集なんでしょうねー。
ちなみに『小僧の神様』はあまりに有名だけれどどうしてそんなに有名なのかしら?
偽善はとにかく恥ずかしいものなんだ、とか信仰って紙一重なんだってことあたりが垣間見られるのは著者がキリスト教と関わりがあったからなのかなー。
志賀直哉の作品は好きか嫌いかって言われればキライじゃないかな。
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