ばみの乱読日記　と猫雑貨。

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ばみとんきー

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向田邦子の遺言　向田和子

(3)

テーマ：今日どんな本をよみましたか?(91768)

カテゴリ：本のこと

死の予感と家族への愛。茶封筒の中から偶然発見した原稿用紙への走り書きは姉の遺言だった。没後二十年、その詳細を、実妹が初めて明らかにする。

◆◆向田邦子の遺言 / 向田和子／著 / 文藝春秋 <

向田邦子さんが亡くなったとき（198１年）はまだ小さかったので客死されたというセンセーショナルなニュースはうっすら覚えておりますが、向田さんがどのような方だったのかはその時は知らなかったんじゃないかなぁ。
でも、向田さんが脚本されたドラマの『時間ですよ』とか『寺内貫太郎一家』あたりはなんとなく見た記憶があります。
全体的にサザエさん的な人情ものだったような記憶がありますが、子供なりにじんわりくるものを感じていたような、世界観からいうと『かもめ食堂』シリーズにつながるような。

何が言いたいかっていうとですね、向田さんの作品、過去にちゃんと読んだことはなくてもあぁ、 ワタシ、この人の作品好きだなぁという予感というか確信 がありますってことですね。

何冊か入手していますがとっておきにして会ってまだ読んでません。

読むタイミングになったらきっと読むことになると思ってたので。

で、この本はたぶん関連本として手に入れたものですがこのたびきっと読むべき時期、が来たらしく手に取ってみました。

入院する際に持っていくにはどうかなーと思うタイトルではありましたが。

妹の和子さんという方が書かれた、なんというか遺書を軸にした回顧録のようなものです。
和子さんは物書きではない方らしく、余計なことは書かず遺書をもとに姉の想いを推し量り姉の思い出を語るというシンプルな文章だったのも入院に持っていく気になった理由ですが、あんな世界を描くことができる、そしてキャリアウーマンであり自立していて自分軸のしっかりした女性であった（というイメージがある）向田邦子さんという方がどんな遺書を書かれていたのか興味があった、ということもあると思います。

実際今回のバタバタでは遺書の必要性をひしひしと感じたものの、どうやって書いたらいいものやら、大したものは持っていないというもののその引き取り先や処分をどうしたらいいものやらまったく途方に暮れて結局まだ書いていないというワタシに少しでも方向性を与えてくれないかしら、的な。（他人頼み）

それはまた別途書こうと思いますので、ここでは向田さんのあまりにあっぱれな遺言をご紹介したく思います。

『万一の場合、次のようにしてください。
１、預金は定期に＊千万、普通二千五百万
２、3千万のうち、1千万は、お母さんのお小遣い（月5万円ずつおろして使ってください）として贈ります。

４、第一マンションは、保雄さんに贈ります。ただし、（これが問題ですが）しかるべき人をみつけて、（女性に限る）一緒に暮らし、猫の世話をしてくれることが条件です。
後のお金は平等に分けてください。
ばかばかしいとはお思いでしょうが、26年も一緒に暮らしたのです。
生き物ですから、あまり寂しい思いをさせないで、命を全うさせてやりたい。
それと、このマンションは、万一、水もりなどすると、下のフロアに対してばく大な補償を取られます。

５、氷川坂4500万
このマンション5－6千万、
が時価ですので、預金の代わりに、私の死亡の保証を足し、その中から4千万検討を廸子さんに贈ります。
土地が3か所ありますが、これは保雄さんに。うってもいいから仕事のプラスにしてください。
ー絵と骨董品は和子さんにあげます。とっておいてもよし、水谷大さんと相談して処分しても構いません。
ー洋服、宝石は、和子、廸子さんで、ジャンケンでひとつづつ、とっていってください。
◎それでもお金が残ったら、4人（お母さんも入れて）分けてください。
◎私の印税（ＴＶの再放送料を含む）の代理人を和子さんに指定します。
ただし、本の印税は、みなさんのおかげで（モデルになってもらって）すから、4人で分けてください。
〇どこで命を終わるのも運です。
体を無理したり、仕事を休んだりして、骨を拾いに来ることはありません。
〇申し忘れましたが、
ひろ子おばさん、栄一、三郎おじさんには、物資のない時代にお世話になりました。
お金の中からそれぞれ100万円づつを贈ってください。
〇いろいろなことは、澤地さんに相談してください。
〇借金はありませんが、
植田いつこアトリエ
山陽堂本屋
などに、支払い分があるかと思います。
〇仲良く暮らしてください。お母さんを大切にして。私の分も長生きすること。」

長くなるので続きます。

そういえば登録しっぱなしだったのを思い出しました（照）