2004年02月12日
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カテゴリ: 雑考生活
およそ2年前の初夏を迎える頃、親しくお付き合いをしていた現代舞踊の演出家であるEさんが亡くなった(享年54才)。

たまたまあるとき舞台公演に招待されたのがきっかけで、舞台についての感想と音楽構成についての意見を述べたところ、「じゃあ、今度から心斎橋(仮名)さんがやってください」と、舞踊の世界にはまったくの素人であるワタシが、突然舞台音楽の選曲を依頼されるようになった。

それ以来、Eさんとは足かけ8年ほど一緒に舞台音楽を作ってきたのだが、Eさんはとても人情家で、震災の時には神戸の自宅まで湯沸し器を持って大阪から駆けつけてくれたり、新婚旅行に旅立つ朝の5時に車で送迎してくれたり、娘が生まれたと言えば自分の子供のように可愛がってくれたりと、プライベートでも大変お世話になった。それだけに、突然の訃報には心底打ちのめされた。
Eさんの最後の舞台となった公演タイトルは、奇しくも『星になる』というテーマで、その半年後に文字通りEさんは夜空の星になった。
告別式では、それまでに舞台で使用した音楽の数々が場内で静かに流されたのだが、自分の選んだ音楽で亡き人を送ることになろうとは思いもしなかったので、一層、感慨深い葬儀であった。

そして昨日、日本最高齢の現役舞踊家であった、Eさんの父親が亡くなった(享年92才)。
たまたま、ここの日記の 第一回目 に書いたのだが、二代目Eさんの死後、その父親である大先生から舞台音楽を依頼され、昨年末の公演用に音楽を作った。

大先生は、この舞台公演の1ヵ月後に、転んだケガがもとで入院。さらに風邪をこじらせたのが原因で様態はどんどん悪くなり、最後は、無理に動かしていた生命維持装置を静かに外すかたちで、静かに息をひきとった。


ちなみに、この大先生の最後の作品となった昨年暮れの公演タイトルは『生きる』。
90を過ぎてなお生涯現役で舞台に立つことにこだわり続けたその生き様は、そのタイトル通り、まさに舞台に生きる執念そのものであった。

そして明日、舞踊家親子二代にわたって、自分の選曲した音楽で亡き人を送る。合掌。
◎お悔やみ報道





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最終更新日  2005年08月25日 18時09分26秒
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