2004年04月11日
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カテゴリ: 回想生活
ムスメに自転車を買ってやった。「幼稚園に入ったら」と、以前から約束していたからだ。

「どうしてもこれがいい」という本人の希望により『無印良品』で購入したその白い自転車にまたがり、さっそくムスメは自宅まで帰る道のりを脇目も振らずにペダルを漕いでいる。結構器用に乗るもんだなぁとその姿を眺めながら、ふと自分の子供時代の自転車のことを思い出した。

記憶にある中で自転車に乗った最初の想い出は、幼稚園の年少の頃だ。ワタシは3人兄弟の真ん中で、上に3歳違いの兄がいた(今もいるけど)。ワタシが幼稚園の年少当時すでに小学生だった兄は、これまた近所のお兄さんから譲り受けた、小学生にはかなり大きめの自転車に乗っていた。
ある日ワタシは何を思ったのか、兄にも大きいその自転車に勝手に乗り、「乗る」というよりも万歳の格好でハンドルにしがみつくようにして、足はなんとかペダルを回しながら、ひとりで勝手に家を出た。

家の前の路地を50mほど走り、車の往来の激しい通りに出た。30年以上前のその通りの両サイドにはフタのない下水路が流れていた。転倒ギリギリのバランスで蛇行運転をしていたワタシの自転車は、通りをさらに100mほど走ったところでついにバランスを崩し、ワタシは自転車もろとも深さ1mほどの下水路の中に落ちて行った。水量は大したことはなかったのだが、転落したショックと自分の上にある自転車の重みで身動きがとれない。途方に暮れて泣いていると、幸いにも通りに面した米屋の親父がたまたま転落の瞬間を見ていて、ワタシと自転車を引っ張りあげてくれたのであった。

その後、小学生になって初めて親に買ってもらった自分の自転車は、なぜかピンク色だった。とても気に入っていたのだが全速力で走っている最中に突然ハンドルがスッポ抜けて、顔から地面に叩きつけられたのを覚えている。
小学校の高学年の時には、変速機のついた自転車を買ってもらった。当時は日本海に面した町に住んでいて、砂浜に靴を脱いで裸足でテトラポッドに登って遊んでいたのだが、夕方帰ろうと思ったときには満潮で靴のあった場所はすでに海になっており、ワタシの靴は海の藻屑と消えていた。仕方なく、裸足でペダルを漕ぎながら家に帰った記憶がある。

その後、中学、高校とさらに2台ほど壊れたり盗られたりしながら乗り継いできたが、やはり幼い時ほど自転車との関係が濃厚だったように思う。ロクでもない出来事ばかりだったような気がするが、あとになってみればどれも懐かしい想い出ばかりである。

自転車2

「モノにも、想い出」なのだよ。





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最終更新日  2004年04月12日 04時39分58秒
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