2005年12月03日
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カテゴリ: 雑考生活

『ル・コルビュジエのインド』 をようやく入手した。
これは、インドがイギリスから独立した1940年代後半、初代ネルー首相からの「ちょっと、街つくってくれるかな」という依頼によって、コルビュジエが以降23回にわたってインドを訪れ、デリーのさらに北方240kmにあるパンジャブ州の新州都「チャンディーガル」での主要な都市建設に携わり数多くの建築物を残した記録写真集である。コルビュジエとインドという取り合わせと聞くと、ちょっと意外な感じがするが、建築マニアや建築科志望の学生の間などでは結構有名なツアーの聖地だったりするらしい。

写真集をみていると、本来、街全体において無秩序であることが秩序のようなデタラメで混沌としたインドにおいて、コルビュジエ特有の直線を活かし整然とした幾何学的造形群というのは、全体的に完成当時はかなり違和感があったんじゃないかと思うのだが、50年以上経った現在、いい感じに風化していてごく自然にインドの風景に溶け込んでいる。特に、代表的作品である「議事堂」の建物内部の写真では意外に摩訶不思議な曲線を取り入れた、どちらかというとフンデルト・ヴァッサーに近いイメージの作りでかなり面白い。色彩構成も同様に、外観は単調なモノトーン主体だが、内部は赤や黄色の極彩色だったりするところなんかは、かなりインドっぽい。
写真集の中には、コルビュジエの建物の敷地内の水辺で自分の洗濯をしているオッサンの写真があったりなんかして、これも妙に可愛いくって最高。

コルビュジエのファンだけでなく、インドマニアにも必携の一冊である。
街の中に作品群をプロットした建築マップも付いているので、もう一度インドに行く時の目的ができたなぁ。

◎チャンディーガルへの案内は、 コチラのサイト






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最終更新日  2005年12月08日 23時55分56秒
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