アオイネイロ

May 10, 2009
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カテゴリ: 小説
カッコイイ疾風を書けと言われました。
カッコイイかぁ~と思いながらいざ書こうと思うと手が止まるorz
何だろう、いつもいじってるせいか!?
作業中のBGMは悪の召使のバロックバージョン合唱。超オススメです。
因みに! 本編設定じゃなくて、もしもシリーズです。


~カッコイイ疾風を書こう企画!その1、牛若丸とか?~

ふらりと立ち寄った先で、奇妙な噂を耳にした。
「なあ、知ってるか? 橋の上に厳つい大男が居て、そこを通ると刀を奪ってくるんだそうだ」
「ほう、そうか……」

「兄さんの刀、結構良いのだろう? 夜はあそこは通らない方が良い」
その言葉を聞きながら、疾風は金を机に置くと立ち上がった。
「忠告は、有り難く受け取っておこう」
それだけ言って、店を後にした。



その夜。
笛を吹きながら、橋を通りかかった。
「いい月だね……」
「ああ、そうだな」
声をかけられて、笛の音を止めて顔を上げる。
細身の男性が立っている。


「噂とは随分違うんだな」

その言葉に、疾風は軽く目を見開く。
図体のでかい厳つい男などでは無く、むしろ疾風より背の低い少年と呼んでも良い者。
「何? もっとデカい人かと思ったの?」
クスクスと笑って少年は橋の欄干から飛び降りて、薙刀を構えた。

そう言って薙刀を振りかざす。
疾風はそれを軽く避けると、欄干の上に乗り、そこから更に高く跳んだ。
ぱっと、近くの屋根の上に飛び乗る。
「この様な真似は今後しない事だな」
それだけ言い残すと、疾風は屋根を伝ってその場から姿を消した。
けれど、その数日後。
疾風が再び出かけた先に、あの少年が立っていた。

「今日こそ、その太刀を貰おうか?」
「……何度言われようとこれはやれんな。我も貴様に一晩中付き合ってる暇は無い」

再び薙刀を振りかざす少年に向かって、疾風は呆れ顔でそう言う。
「残念だが、我は忙しいんだ」
そういい残すと、疾風は雑踏の中に掻き消える。
付いてきていないか確認して、疾風は女物の着物を上から被った。
「全く、面倒な奴と出会ったな」
そう呟いた時、背後に殺気を感じて疾風はぱっとその場から跳ぶ。
見ればあの少年が立っている。

「付けて来たのか……?」
「その太刀がどうしても欲しくてね。頂戴よ」

尋ねる疾風に、少年はクスクスと笑う。
「残念ながら、此れはやる事はできないな」
「じゃあ……っ!」

言い合いから、少年がばっと薙刀を振り上げた。
「――ちっ」
太刀を抜いて、それを受け止めると横に一閃して刃を弾く。
「ふっ!」
相手の振りかざしてきた刃を寸前で交わし、そのまま足をかけて地面に押し倒した。
「どうだ、これで降参するか?」
首元すれすれに刃を突き刺して、疾風がそう言う。
「……なんだ、強いね。仕方ないから、降参するよ」
少年がお手上げとでも言うようにそう言うと、疾風は立ち上がって服に付いた汚れを払う。

「ねえねえ、見た感じオマエは旅の者だろ? 僕も連れて行ってよ」
「………好きにすると良い」

そう言った少年をちらと見やれば、何を言っても無駄そうな顔だった。
ため息をひとつついて、疾風はそれだけ言うと歩き出す。

一人の旅が、段々と騒がしくなってくる一番最初のお話。



牛若丸と武蔵坊弁慶のお話ですねー*
とりま、弁慶は男要因が少ないので鈴花って事にしときました☆
このままいくのであれば静は蜻羅かな?
てゆーか、あんまカッコイイ企画関係なくなった・・・orz





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Last updated  May 10, 2009 09:23:14 PM
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カッコイイって何ですか・・・?  
黄門ちゃん さん
カッコイイ?

その人の事をあまり知らない、パッと見か~

もしくは、
自分の事を包み隠さずさらけ出して、
いや丸出しで生きてる人じゃないですかね!

牛若丸や弁慶の時代なら155センチの身長ですら、
バカでかい巨人って言われてる時代ですからね。

今リアルにやると、小学一年生と三年生くらいの小太りの子が戦うシーン☆
まさにコントですよ(笑)
(May 11, 2009 09:19:15 AM)

→黄門ちゃん  
パッと見……。
一目惚れですね☆キラキラ

丸出しで生きてるとか、大分素敵なお方ですね(笑)

ああ~、みんな身長小さいんですよねー。
義経なんてすっごいチビだったらしいですし*
楽しそうなコントですねww
(May 11, 2009 08:48:19 PM)

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