アオイネイロ

September 28, 2009
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カテゴリ: 小説
昼過ぎ、ポツポツと雨が降ってきた。
「わあぁぁ」
きゃあきゃあと楽しそうに声を上げて空へと手を伸ばすリティを連れて、城下街へと向かう。
「今日はおしまい。だけどもう踊りは殆ど教えたから、頑張ってね」
「うんっ」
そう言って頭を撫でてやれば、嬉しそうな笑顔。
そんなリティの背中を見送って、城へと戻る紅亜。
それを見つめてひそひそと囁き合う街の人々。

――ああ、一の姫様だ。何をしにきたんだろう

母君は優しい方だったのに、非道で冷酷な姫様なんて……――

全てを黙殺して、歩いてゆく。
雨に濡れた全身が、重かった。
止まってはならない、進まなくては、たとえ怨まれようと
アタシは平和な国を造る為なら、修羅にだってなってやる

どんどんと沼にはまってゆくのを感じながらも、紅亜は鋭い眼光で目の前を見つめた。





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Last updated  September 28, 2009 07:56:22 PM
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