アオイネイロ

October 1, 2009
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カテゴリ: 小説
カランカラン
店の扉に付けてあった鈴が、高い音を響かせた。
それに反応して、カウンターに座ってぼうっとしていた疾風が顔を上げる。

「やっほー疾風」
「主……」

籟琉が声をかけてくるのに、疾風が軽く目を見開く。
その瞬間、閉まりかけていた扉から何か小さいものがヒュッと凄い勢いで入ってきた。
リィン……
高く透通った音がその場に響いたかと思うと、疾風の目の前に小さな鈴が現れる。

驚いている疾風と籟琉の前で、その鈴がポンッと小さく爆発した。
そのままひらひらと、小さな紙が疾風の手の中に落ちて来る。
「………」
それを黙って読んでいた疾風が、慌てたように立ち上がった。

「どうしたの?」
「綺砂と嘩音が、千歳を連れてサディアの森へ行ったそうだ。運悪くトロルに襲われて……。千歳が居るから大丈夫だろうが」

籟琉の問いかけにそう答えながら、疾風はローブを羽織ると外へと飛び出した。
「って、おーい疾風……店番……え、私がやるのこれ?」
一人残された籟琉が、自身を指差しながらそう呟いた。





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Last updated  October 1, 2009 09:10:17 PM
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