ぼたんの花

ぼたんの花

2007/10/30
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カテゴリ: 構造改革



中略


こうした事情を知れば、小林興起氏が反対票を投じたのは利権のためでも選挙区事情のためでもなかったことは歴然としている。議席を維持する保身だけを優先するなら、おとなしく反対票を投じていれば済んだのだ。一方、小泉龍司氏は五月三十一日の衆議院特別委員会で『年次改革要望書』を示して竹中大臣を追及し、その後、自民党副幹事長の職を辞して衆院本会議で反対票を投じた。


中略


小林興起氏と小泉龍司氏が郵政民営化法案に反対したのは、米国政府の『年次改革要望書』を自ら子細に検証し、郵政民営化法案の中身を吟味して、その背後にある米国の国家戦略と、日本の国益を損なう危険性を性格に認識したからである。

両氏は、05年通常国会で成立した新会社法の中の『外国株対価によるM&A』の解禁を一年凍結させるうえでも中心的存在として奮闘した。そのことは三月十二日の日本経済新聞が実名報道している通りである。この外国株対価によるM&Aが解禁されれば、世上を騒然とさせてきた堀江貴文氏、村上世彰氏ら日本人に替って、いよいよ外資が日本の大手企業買収の主役に躍り出ることになる。


ちなみにホリエモンのニッポン放送株取得騒動をきっかけに、放送局に対する外資の敵対的買収への懸念が浮上し、外資の出資規制を強化するため電波法・放送法が改正された。このとき郵貯と簡保についても民営化以後の外資を出資を制限することを総務省が検討したがだめだった。放送事業と違って金融業については、外資の出資規制がWTO協定で認められていないからだ。外資による郵貯や簡保の買収を法律で禁ずるとWTOに提訴されてしまうのである。

小林興起氏と小泉龍司は元官僚だけに、この種の複雑な法律の行間に潜む危険性を見抜くだけの高いリテラシーを持っていた。そして自らの信念を貫いて行動した結果、権力の逆鱗に触れ、見せしめとして、徹底的にいじめぬかれた。


郵政民営化を唯一の争点とした05年総選挙の真相は、官邸が演出したような『改革派』対『保守派』ではなく、『対米迎合派』対『国益擁護派』の闘いだった、というのが私の理解である。 しかし真の国益を守ろうとした自民党の勇気ある議員たちの警鐘は、単細胞的常套句の連呼にかき消されてしまった。 我々国民は『小泉劇場』に踊らされ、これらの政策通の国会議員たちから議席を剥奪し、その穴埋めに、小泉総理にひたすら忠誠を誓う公募の新人を大量に送り込んだ。



小泉総理のワンフレーズに比べ、反対票を投じた自民党議員たちの説明はわかりにくかったと、したり顔で指摘した識者が多い。 だが、『政治はわかりやすくなければダメ』などというのは衆愚政治の極みであって、成熟した民主国家なら本来恥ずかしくて真顔で言えるようなことではない。日米保険協議以来の長きにわたるいきさつの大問題を、説明責任も果たさず、ただ『イエスかノーか』という二者択一に矮小化して国民に問う、などというのは容認しがたい欺瞞行為である。 『自己責任』の名の下に、最終的につけを払わせられるのは我々国民なのだから。




『奪われる日本』 関岡英之著 講談社現代新書 700円+税





放送業界の外資による乗っ取りは避けられても、スポンサーというものに
外資がそうとう影響力を増せば、これは乗っ取られたと同じことになりますね。


例えば、サンデープロジェクトはスポンサーに東京電力がついてます。
あの重大な柏崎刈羽原発の地震のときも、数分で終わりで、
最後に田原さんが、大きな声で『原発は必要なんだからしょうがないでしょ!』
というような言葉を言い切った。

田原さんは、ジャーナリストではなく、大根役者?

で、TBSで浜岡原発につて結審のことを特集した、といわれた方がいますが


何年も私のこのブログを読んでいる方なら、私が三社の中では毎日が良い、
と言っているのはご存知ですよね。msnは毎日から産経にかえたようですが。


朝日新聞について、この本の中で関岡さんは疑問を呈しています。
読売、産経ならわかるが、なぜ、朝日まで『年次改革要望書』を取り上げないのか?と。


おもしろいことにサンデープロジェクトの田原さんのことも
書かれていて、私もとてもとても同感であります。




で、今日は民主党&自民党の党首が会談し、物別れに終わったという。

昨日の守屋さんの証人喚問で揺さぶって、お互い傷が広がる前に談合しよう

ということだったのでしょうか?


*小林興起さんのお名前、字を三箇所間違えていましたので
 訂正して再登録しました。







Without You
コスモス4.jpg










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Last updated  2007/10/30 09:45:37 PM
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