全2件 (2件中 1-2件目)
1
息をきらして、追っ手から逃げ延びた俺とサヤカは、メトロポリタンオペラホール近くの広場の噴水の前にいた。ハァハァ言いながら、サヤカはまた猫のお面をかぶった。「ブンくん わたしはわたしの星をつかまなきゃ」「うん そうだよね」「ブンくんにもブンくんの星がきっとある。だからそれをつかまなきゃ」「あるのかな。こんな俺につかめる星があるのかな」「あるよ。きっとある。だからね…」言葉を中座して、サヤカは猫のお面をはずした。その大きな瞳からは涙があふれそうになっていた。俺は何を言われるか、その時すでにわかっていたような気がする。「だから、ここでお別れしよう」そしてサヤカは、顔だけ俺のほうに近づけて、俺の唇と自分の唇をスライドさせるようにした。その瞬間、ずっと静かだった噴水は、ズアアアアアっと噴出し、あらゆるカクテルライトが俺たち二人に当たった。それはまるでハイクオリティーな舞台のようだった。広場にいたいろんな国の人たちは噴水の音に反応して、僕らをみて、そして拍手した。いろんな肌の色をしたいろんな年齢の人たちがみんな拍手した。ブラボーとか 指笛の音とか 中にはsuck!(ちくしょ~)なんて声も聞こえて俺はまるで舞台の主役になったみたいだった。********************************** 俺がNYに渡った20の時、それほど強い信念も当てもあったわけでもない。むしろ何をやってもうまくいかない自分に嫌気がさしていた。友人たちにはさも自分はビックになるんだなんて事を吹聴し、そのあげく現実には何も動いていない。なんだかふわふわした夢みたいなものを語るわりに、具体的なビジョンを何ももっていない。かといって何かに向かって死ぬほど努力していたわけでもない。そのギャップの大きさに、押しつぶされそうになっていたのがその頃。あげくの果てには「ひょっとしたら、自分は誰にも求められてないのではないだろうか 世の中に必要じゃない人間かもしれない。」こんな闇に落ち込み。そして、もう死にたいと毎日思うようになっていた。なんとかしなきゃという気持ちもまだ残っていた。だから、日本を脱出すればなんとかなるとか漠然とは思っていた。もしかしたら、東京に夢見る地方の人もそうなのかなとは思う。東京育ちの俺にはそれがNYだっただけの話かもしれない。何かを求めて、その何かもわからないまま、とりあえずこの都市にやってきた。これだけの量の人種を飲み込む、人の創りしかりそめのエデン。あらゆる夢を実現できると言われている世界最大の都市。だけどそれはとんでもない思い違いだった。そこは世界でもっとも厳しく、そしてもっとも絶望的な街だった。俺にとっての摩天楼は夢も希望も飲み込んでしまう巨大な魔獣だったんだ。いきなり始まってすまんすw 今回は超ローペースでよろしくっすw だいたい1年後くらいに完結予定でwんと、いちおうここまではノンフィクションっすね。ちょっとね。記憶がさだかじゃなさすぎて、フィクションがまざったらごめんなさいっすwただこのシーンだけは俺の生涯でも忘れられないキスなので、よく覚えているっすw 偶然が味方したんだけど、すごいかっこいい体験だったなと今でも思うっすよ。俺に20年以上も長い間かけられた呪いのような体験。同じ日に生まれた18人の彼女シリーズのたぶん最終シリーズっすw”5番目の彼女 摩天楼のサヤカ” いや~今回は完結させる自信がないw 記憶がたどたどしいwもっと最近の話ならそれもないんだけど、最近になるにつれて、リアルな関係者や本人に怒られるのは目に見えているのでwま~人の恋愛話なんて、つまらんとも思うので、そうゆう時はスルーよろしくっすw
2006年04月11日
コメント(25)
謎の魔女 まつげさんの予言どおり、俺は18人の同じ誕生日の女性と出会い、関係するわけっす。ちなみにこの似顔絵はユウちゃんとサトミちゃんは意識的に違うキャラにしてます。肝心のサヤカちゃんは、思い出せないので、あいまいしてます。他はかなりそっくりだと思うっすw 前にしゃろさんに18人全部書けって言われて、実は多少そうしようかな~とも思ったんですが、ま~このあたりが限界っすかねw 記憶の限界とさ、ほらやっぱある程度、おもしろくないとただのノロケっすからね。いや充分ただのノロケかもしれねーっすけどw ま~過去のノロケですし、俺の場合ひとりを除いて全てフラれているわけっすからね…。俺に問題があるとしか思えんwちなみに10番目の彼女 由美(仮名)ちゃんに偶然ここを発見されてしまい、私書箱をいただきました。なつかしいと寛大な感想ありがとうっす。ユウの本編中では中途半端に悪役だったのが、心苦しいっす。やっぱ実話が元とは言え、俺のつたない記憶をつなぎあわせて、やっぱ自分に都合のいいように書いているので、ある意味フィクションっすよね。そうゆう意味では中途半端に実名や場所を書くより伏字にしたり、フィクションと断るのが正しいのだろうかとちょっと迷ってるっすT_T今回のお話は、19才くらいから20才くらいまでニューヨークにいた時期の事っす。NYという街は東京をちょうど拡大コピーしたような都市っす。ちなみに札幌は東京を縮小コピーしたような街っす。ま~その頃ちょうど海外旅行&留学ブームだったんっすけどね俺の場合はちょっと目的があったんっすよ。ディズニーで仕事をしたいという目的っす 俺にとっても20年くらい前の話なので どうも思い出せない。ただ幸運な事にこの時期は写真がわんさか残ってるっすよ。俺、自分の写真ってめったにとらないんだけど、この頃のは残っているっすサヤカちゃんですが、これがまったく顔が思い出せないんっすよねw写真残ってるんだけど、どれも小さくてあいまいっす。ま~ちょっと思い出しながら、いろいろつながった頃にはじめますwあと2月半ばくらいまでは、なんか究極に仕事がつまってて(いっつもそんな事言ってますが)ちょっと更新がまちまちになると思うっす。ご了承のほど… マンハッタン街角の偶然かっこいい写真ディズニーカンパニーのボスと同僚 カーネギーホールで (サヤカちゃんの顔は一応処理されていますw)
2006年01月18日
コメント(28)
全2件 (2件中 1-2件目)
1