ねこのみち The cat and the tao

ねこのみち The cat and the tao

Kの昇天


そしてそれは阿片の如きものだ、と申しました。

影ほど不思議なものはないとK君は言いました。
君もやってみれば、必ず経験するだう。
影をじーっと視凝めておると、そのなかに段々生物の相があらわれて来る。
外でもない自分自身の姿なのだか。
それは電燈の光線のようなものでは駄目だ。
月の光が一番いい。

Kの昇天

「影と゛ドッペルゲンゲル゛。
私はこの二つに、月夜になれば憑かれるんですよ」







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