せ・ら・ヴィ

せ・ら・ヴィ

唯花の出産



子宮口を縛ったテープを抜糸する日がやってきました。
少し前からジワジワと赤ちゃんの頭は下がってきており子宮口もかなり軟化してきていたため、子宮口テープを抜いたらその日のうちお産になることが懸念されていたため、パパにははじめから休みをを取ってもらい一緒に病院に行きました。
玲唯も出産には立会いをさせたかったため、保育所は休ませ一緒に。
出産は正期産まで持たせることができ、母子ともに異常がなければ助産院でというのが私の希望だったので、主治医と助産院の助産師さん、Sさんと相談の結果、午前中に病院で抜糸をしたあとその足で助産院へ行くという予定にしました。
もちろん、入院の準備もして。
朝10時からの診察予約、NSTをしたり超音波をしたりして結局、子宮口のテープを抜糸したのは11時前でした。
診察が終わり、助産院へ連絡をし無事に抜糸ができたことを告げ何時ごろ行ったらいいかと相談。
Sさんは昼から母親学級があり、またお産も入っているため3時か4時ぐらいに来てほしいといわれました。
では、ということでまずは私の失業保険の延長手続きをとるためハローワークへよりそれからお昼ごはんを食べてゆっくりして助産院へ向かう計画となったのです。
ハローワークで手続きを済ませ、どこで食事をとろうかということになったとき玲唯はカレーうどんが食べたいというので、それならということで結局助産院の近くにあるレストランに行くことにしました。
今、考えると本当にうまい具合にこの選択をしたなあと思います。
このときお腹はちょこちょこ張るものの今までと同じような張り。
そんなに気にも止めていなかったのです。
そして、レストランに入り子連れのこともあり座敷に通してもらいメニューを見ながら何にしようか考えていました。
そのとき、まさに子宮口のところをガーンと頭で押されたような感じがありました。
それでも、その時はまさかお産が近づいてるなんて思ってもいません。
「暴れん坊な子だ、痛いな~」なんて言いながら注文を済ませ頼んだ品物がやってきて食べようかなと思った瞬間。
チョロチョロ・・・。
「破水しちゃった」と私。
反射的に時計を確認。13時28分。
パパは突然のことに「うそやん」
うそなわけないだろう!!と思いながらもとりあえずトイレに向かい、確認。
間違いなく羊水のにおい。
いよいよだな~、なんて思いながら席へ戻りパパに間違いないことを告げました。
とりあえず助産院へ電話。破水したことを告げる。
当然のことながらすぐに来るようにとのこと。
お腹はそんなにまだ頻繁に張る感じではない。
私の母に破水したことを告げるため電話し、それからお産のビデオを撮ってもらうようにお願いしていた先輩の助産師にも連絡。
そして、腹ごしらえは大事と車で5分もかからないところにいるからとりあえず、食事を済ませようと食べようとしました。
が、少しづつおなかも張ってきた感じ。
段々と痛みも強くなって自分は食べるどころではないのです。
けれど玲唯は食べ物を目の前にして途中でやめさせるのもかわいそうということで大慌てで食べさせました。
そしてデザートのゼリーを食べさせようとしたとき、頻繁に張り始め仕方ないのでゼリーを持たせたまま車に乗り込み助産院へ向かいました。
そんなで助産院に到着したのは13時50分。
着くととりあえずNST装着。
頻繁におなかは張ってくるものの、間歇期にはまだまだ余裕があり発作時も深呼吸で逃せる程度。まだまだ余裕です。
お腹が張ると結構痛かったけれどモニター上にはそんなに大きく山にはなっていない。
まあ、玲唯のときも早かったし遅くても暗くなるまでには産まれるね、なんてパパとも余裕で会話をしてました。
約20分ぐらいでモニターをはずし、トイレに行ってパジャマに着替えました。
この時点でもまだ余裕です。
けれどパジャマに着替えたあとぐらいから、頭が押してくる感じが出始め横になるのは辛くなってきたので発作時は四つ這いになり自分でお尻を抑えるという何とも妙な格好。
その横でパパと玲唯は近づくなとばかりに積み木を出して遊んでる。
ま、所詮そんなもんだよな、なんて思ってました。
それでも、まだまだ間歇時には余裕があったんです。
で、パパに髪の毛をくくるヘアゴムを忘れたからどうしよう、なんて言いながら何回か陣痛を送り
私:「コンビニで買ってきて」
パパ:「わかった、じゃあ行ってくる。まだ大丈夫やな?」
っていう会話をした途端、ガガガ~って下がってきたんです。
発作と同時に押してきて思わず声が~。
パパの問いかけなんかにもう答える余裕はそっから一気になくなりました。
隣の部屋で初産の方が長引いててそちらにいた助産師さんが私の声を聞いて駆けつけてきました。
と、そこへちょうどビデオ担当の先輩が到着。
このとき時間は14時45分。
そこからはやっぱりもう余裕はなくなりましたね~。
四つん這いでクッションにもたれるようにして陣痛のたびに思わず力が入っちゃう。
ジワジワと頭が降りてきてるのをしっかりと感じてました。
その間、もう会話をする余裕も顔を上げる余裕もなかったけれど頭元でパパと玲唯がさすってくれていたのを感じることはできました。
自分でもだいぶ降りてきたな~って感じた頃
「ほら~、頭が見えてきたよ~。」
の声にパパと玲唯は足元に。
「うわ、髪の毛たくさん」
とかいう声も聞こえてきました。
あとからビデオを見ると玲唯もしっかりと覗き込んでいます。
そして頭が出た瞬間、この感触は本当にしっかりと感じることができたのですが、さすがに玲唯はびっくりしたようで泣き出してしまいました。
そのあとはもうツルン出てきて。
2004.5.19 15時10分、2662g、「オギャ~」ととっても元気な声をあげてくれました。
唯花が生まれたあと少しは余韻で泣いていた玲唯ですがへその緒を切る頃にはケロッ。
びっくりしたことに胎盤が出てくる様子まで覗き込んで見てました。
生まれたあとの唯花は希望どおり裸のままカンガルー抱っこ。
本当によくここまでがんばってお腹にいてくれたねっていう気持ちでいっぱいになりました。
玲唯もすぐに「ゆんゆん、かわいい~」とお兄ちゃん振りを発揮。
私の希望どおりパパと玲唯に見守られて唯花を産むことができとっても幸せな出産となりました。


© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: