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経悟空

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2012.01.04
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尊敬している先輩が去年の暮れに亡くなり、今日お通夜に行ってきました。

末期ガンで一年前にあと1ヶ月と宣告されて一年間頑張りました。


穏やかに呼吸をしているような安らかな相でした。

先輩をもっと大事にしていれば良かったと自責の念にかられます。

さて話しは変わり何事をするにも原点が大事です。


今日は100歳になったいまも現役医師として活動を続ける聖路加国際病院理事長・日野原重明氏の、医師としての原点となったお話をご紹介いたします。

「医師としての原点」

日野原重明(聖路加国際病院理事長、名誉院長)

「医師としての原点を語る時、外せないのが、医局に入ったばかりの頃、最初に担当した結核性腹膜炎の十六歳の少女です。

彼女には父親がおらず、母親が女工として働いていました。


家が貧しくて彼女自身も中学に行かず働いていたのですが、ある時、結核を患って入院してきたんです。


その病室は八人部屋で、日曜になると皆の家族や友人が差し入れを持って見舞いにくる。


でも彼女を訪ねてくる人はほとんどいない。


母親は日曜も工場で働いていたから、見舞いにもなかなか来られなかったんです。


私は日曜になると教会の朝の礼拝に出席するため、同僚に彼女のことを頼んでいました。


ところがある時、その同僚から「日野原先生は、日曜日は いつも病院に来られないから寂しい」


と彼女が言っていたと聞かされましてね。



以来私は朝教会に行く前に、病室へ顔を出し、
それから礼拝に出るようにしたんです。





ところが当時は結核の治療法がなかったために、どんどん容態が悪くなっていってね。


非常に心配していたんですが、ある朝様子を見に行くと、「先生、私は死ぬような気がします……」と言うんです。


私は「午後にはお母さんが来られる予定だから、頑張りなさい」


と言いました。

すると彼女はしばらく目を閉じて、また目を開いて言葉を続けました。





そうして手を合わせた彼女に、私は「バカなことを言うんじゃない。死ぬなんて考えないで!


もうすぐお母さんが見えるから、しっかりしなさい」と言って、その言葉を否定したんです。


ところが見る見るうちに顔が真っ青になっていったので、私は看護師を呼んで「強心剤を打って延命しよう」と言い、弱っている彼女に強心剤をジャンジャン打った。


そして「頑張れっ、頑張れっ!」と大声で叫び続けた。



彼女はまもなく茶褐色の胆汁を吐いて、二つ三つ大きく息をしてから無呼吸になりました。



私は大急ぎで彼女の痩せた胸の上に聴診器を当てましたが、もう二度とその心音を捉えることはできませんでした。


私は彼女の死体を前にして、どうしてあの時


「安心して成仏しなさい。 お母さんには、私があなたの気持ちをちゃんと伝えてあげるから」


と言ってあげられなかったのだろう。
強心剤を注射する代わりに、どうしてもっと彼女の手を握っていてあげなかったのか、と悔やまれてなりませんでした。


私は静かに死んでいこうとする彼女に、最後の最後まで鞭を打ってしまったわけです。


この時に、医師というのはただ患者さんの命を助けるのじゃない。


死にゆく人たちの心を支え、死を受け入れるための援助をしなければならないのだと思いました。

その強い自責の念が、
後にターミナルケア(終末の患者へのケア)や
ホスピスに大きな関心と努力を払い、人々が安心して天国や浄土に行くにはどうしたらよいかを考え、そういう施設をつくる行為へと繋がっていったんですね。」





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Last updated  2012.01.04 20:33:14


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