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今、型絵染めの巨匠・芹沢けい介に関する資料を翻訳しています。
明治生まれ、昭和初期から戦後に活躍した芸術家で人間国宝でもあります。
名もなき工人によってつくられた日用品に「美」を認め、
日本各地の美しい民衆的工芸(民芸)を保護し、生活に美を採り入れることを
提唱した民芸運動の創始者・柳宗悦とともに活躍した人物です。
翻訳の打診があったときは、名前を聞いてもピンとこなかったのですが、
調べていくうちに、かなり惹かれました。
明治維新後の西欧化、二つの戦争を挟んだ時代、
日本と日本人のもつ美しい手仕事=民芸を発掘し、
人々の心に、温かさ、優しさ、思慮深さ、豊かさを再認識させた柳の思想と
その思想を形にした芹沢の作品の数々。
芹沢の名前こそ知らなかったものの、彼の作品はこれまでに何度も
目にしたことのあるものでした。
画家バルテュスを感動させたという「鯛泳ぐ文着物」にみられるような
大胆で斬新なデザインがある一方、うちわや暖簾、和食店のメニューなど
温かみがあってどこか懐かしい作品も見ていて飽きないものです。
久しぶりに、アートに浸れるいい時間を過ごしています。
新しい出会いをもたらしてくれる翻訳って、楽しい。好きですね。
機会があったら、是非、日本民芸館や芹沢美術館を訪ねてみてください。
■日本民芸館(東京): http://www.mingeikan.or.jp/home.html
■静岡市立芹沢けい介美術館: http://www.seribi.jp/
■芹沢けい介美術工芸館(仙台): http://www.tfu.ac.jp/kogeikan/j/index.html