八十歳を過ぎた母が骨折をして病院に運び込まれたその日、
美津紀は夫・哲夫の引き出しから花柄のティッシュ入れを見つける。
施設に入った母に時間を奪われ続け、美津紀は思う。
「ママ、いったいいつになったら死んでくれるの?」
親の介護、夫の浮気、忍び寄る更年期、老後資金の計算…
実体験を交えて赤裸々に描き大きな話題を呼んだ、大佛次郎賞受賞作。
母を見送った美津紀は、ひとり、冬の箱根へ向かう。
かつて、祖母、そして母が訪れた芦ノ湖畔のホテルで
夫と女が交わしたメールを読んでいると、
「あたしは愛されなかった」という真実が目の前に立ち上がった。
過去を正視し、今後一人で暮らしていけるかを計算する美津紀。
はたして人生の第二幕へ歩み出せるのか。大佛次郎賞受賞作。
題材は濃いし重いのよね。。。
母親が、若いころから老いて亡くなるまで(それも一筋縄ではいきません!)の話で、
ずっと翻弄され続ける娘の語る、身につまされるような小説だけど、
でも、緩いワルツ流れる中に、 美しいレース越しの薄明るさ・・・みたいな、
いつもそんなものが感じられる、 水村美苗さんの小説。
親を看る年頃になった人達には、
いろいろ、それぞれに、思わせられるものがありそうな小説です。
ただ、
昭和のノスタルジィとブルジョワジィの入り混じった香りの中で
お話が展開される時代を含み、
重く困惑のストーリーであるとしても、そう感じさせない舞台です。
諦めに似た、うす~い哀しみのような、微炭酸的後味の小説。
シュワシュワシュワ~ .。o○.。o○ (・.・) .。o○.。o○ シュワッチ!
水村美苗さんの下の小説も好きです。
削除してしまった前5年分のブログのどこかでも、一度ご紹介した記憶があります。
本格小説(上)
ニューヨークで、運転手から実力で大金持ちとなった伝説の男・東太郎の過去を、
祐介は偶然知ることとなる。伯父の継子として大陸から引き上げてきた太郎の、
隣家の恵まれた娘・よう子への思慕。
その幼い恋が、その後何十年にもわたって、没落していくある一族を呪縛していくとは。
まだ優雅な階級社会が残っていた昭和の軽井沢を舞台に、
陰翳豊かに展開する、大ロマンの行方は。
本格小説(下)
生涯の恋に破れ、陰惨なまなざしのままアメリカに渡った東太郎。
再び日本に現れた時には大富豪となっていた彼の出現で、よう子の、そして三枝家の、
絵のように美しく完結した平穏な日々が少しずつひずんで行く。
その様を淡々と語る冨美子との邂逅も、祐介にとってはもはや運命だったような…。
数十年にわたる想いが帰結する、悲劇の日。静かで深い感動が心を満たす超恋愛小説。
三枝家のお手伝いさんの口によって語られる、長く、興味深い、物語。
なんだか「小説に堪能する」っていう感じがした作品です。
読んだ気がする、っていう・・・(^・^)
たっぷり味わいたい人に、
また直木賞受賞作の、松たか子・倍賞千恵子・黒木華ら出演で映画化もされた
中島京子さんの「小さいおうち」が面白かった人に、オススメ。。。
* 作品解説はすべて「ブックデータ」よりお借りしました。
*****************
UPのブログを書き上げて、やれやれと思った瞬間、
今日が18回目の結婚記念日だったこと、思い出しました!! (@@)
またっくバタバタしていて、
いつものようにプレゼント用意したり何かする計画たてたり・・・
モエドラ君も私も、すっかり忘れていましたぁ~~~!!
まぁ今年は、「お互いの命あってそれで佳し!」というところでしょうか。。。 💐
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