晴走雨読

晴走雨読

July 20, 2006
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カテゴリ: つれづれ・・・




穏やかな小川に流れ着いたなんの変哲もない小石。

川面からちょんと顔を出したその小石は

緩やかな流れに影響を及ぼすことはなかった。





それは一枚の木の葉から始まった。

何気なく流れてきたその木の葉は

小石に近づくと急に何かを思い出したかのように小石に張り付いた。

しばらくは迷いを見せるように半身を躍らせたりもしたが

どうやら離れる気はないようだった。

そしてそれからそれを目印にするかのように様々な葉っぱが集まっていくことになる。





次第に形を成していく塊は

雨が降れば小枝を引き留め、

休日にはお菓子の袋を呼び寄せた。




そしていつしか大きく成長した”瘤”を誰もが無視できなくなっていた。

堰き止められた水は緑色によどみ、

爽やかな水音は聞かれなくなかって久しかった。



小川は自分の無様な姿を省みながら、

こうなる前に出来ることがあったのではないかと不甲斐ない自分を責めた。

今はただ

大雨が降り全てを流し去ってくれるのをただ待つのみであった。







空は晴れ渡っていた。




堰き止められた川面が少しだけ揺れた。











ame













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Last updated  July 21, 2006 12:34:11 AM
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