穴馬発見☆資料置き場(倉庫)

金鯱賞・ダービー

2004年/金鯱賞・ダービー


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  金鯱賞・ダービー       ※タイトルをクリックしてください




wrote:2004/5/27

人気馬金鯱賞、斤量背負う組は、軒並み微妙かも?

<**危険な人気馬/2004年 金鯱賞**>

 牧場取材でHP不在がちでした。原稿書き上げて納品して、ちょっと死人状態です(笑)。
 今回の取材は、3日間で12の牧場を回って、16頭の馬について書くというハードなスケジュール。原稿用紙で言うと50枚近くになりました。本は流星社さんから毎年出ている「あの馬は今・ガイド」で、6月21日ぐらいの発売予定らしいです。 会って来た馬は、ニホンピロウイナー、フラワーパーク、アルーリングアクト、シャコーテスコ、シルクライトニング、フジノマッケンオー、フレッシュボイス、ナリタタイシン、スガノオージ、タヤスアゲイン、ホッカイルソー、クリスザブレイヴ、ユウトウセイ。そしてマックスビューティの仔3兄弟の、チョウカイライジン、グッドタイミング、アーサーズフェイム。各馬の近況は、本が出たらぜひご覧くださいね。


 さて、今週は一年でもっとも大切なダービーウイークなのに、馬券の準備はまだまだ。でもまあ、ダービーは応援馬券を買うレースで、あんまり過去の傾向とか調べても意味がない場合が多いよね(笑)。
 血統なんか、過去10年サンデーとブライアンズばっかりだし(笑)
 ただ、前残りが続いている今年の春のG1戦線、今回ばかりは「穴なら後ろ」という気がする。デムーロはそんなにマイネルマクロスをいつまでも逃がさない(←たぶん直線の半ばで捕まえに行く)と思うんだけど、それをまた、五十嵐冬樹が強気にすぐ捕まえに行く。どう見ても、前は最後苦しくなって、ラスト1ハロンは12秒台の競馬だろう。
 先行馬が抜け出して、ゴール目前でもがく流れになると、道中後ろで遊んでた馬がバシッと差してくる展開が一番怖い。馬券はそう簡単に、固い決着にはならないような気がする。
 ところで JRAのHP から「50周年」のページに飛ぶと、過去のG1の全成績が見られるんだけど、ダービーの過去のラップ見てると面白いですよー。今週は時間がなくて詳しく分析できないけど、過去のラップ見てると、少なくともキングカメハメハは前走のようなワンサイドの楽勝は再現できないだろうな、というのがなんとなく見えてくる。
 府中の2400は本当に厳しいコースで、よほど道中スローに流れない限り、「最後の3ハロンが連続して11秒台のラップ」だったことはない、ってあたりがたぶんポイント。しかも芝コンディションもかなりタフになってきてるようだし、馬券的には、「ラストから2ハロン目を最も速く走れる馬vsラスト1ハロンを最も速く走れる馬」という構図になるんじゃないかなー?
 穴は差し、というのが今週の勘(笑)。


 中京の金鯱賞は、危険な人気馬という点で言うと、アドマイヤグルーヴ・スティルインラブ・タップダンスシチーの背負い組は当然過信禁物だろう。牝馬が牡馬混合の別定で57キロ!これをこなして勝ち負けするようならばもう完全に「牝馬の中では史上最強クラス」の評価だけど、手も足も出なかったアドマイヤグルーヴの大阪杯が、現時点での力の差のような気がする。
 タップダンスシチーも、初の59キロはかなり微妙だろう。マグナーテンがいなければ押し切れるかもしれないが、たぶんタップダンスシチー、マグナーテンとは相性が悪いと思う。

 ●●マグナーテンの中距離でのラップ●●

   ◇2004年大阪杯 /12.7-11.3-11.9-12.0-12.2-12.1-11.8-11.9- 11.3 -12.4
   ◇2003年大阪杯 /12.7-11.0-11.9-12.0-12.0-12.3-11.8-11.9- 11.3 -12.2
   ◇2002年毎日王冠/12.8-11.2-11.9-11.7-11.6-12.2-12.0- 11.3 -11.4

 赤い数字で示したとおり、マグナーテンの真骨頂は、「ラストから2ハロン目が速い」ことだ。1800~2000ではこの3戦がサンプルだが、一目瞭然、最後から2ハロン目を全部 <11秒3> でまとめている点に注目。大阪杯は今年稍重だったし、あまり馬場を問わないのも特徴だ。
 さて、これを競馬の流れの中で見てみると、中京競馬場は直線が314m。つまり「ラストから2ハロン目が速い」といういつも通りのラップを刻む場合、マグナーテンは「4コーナー、インベタをカーブしながらもっとも加速する」というレース展開になる。しかも中京競馬場は、3コーナー手前からゆるやかな下り坂に入るから、自然と加速がつく形にもなる。
 もともとマグナーテンは、左回りの新潟競馬場で、関屋記念を2年連続1分31秒8の猛時計で2連覇した、スピードタイプ。いまはそのスピードが「瞬発系」から「持続系」に変わってるから、ラストの1ハロンで仮に12秒5かかったとしても、惨敗は考えにくい展開だということになる。8歳馬だからと言って、2000mの競馬では、あんまり軽視しないほうがたぶんいい。
 しかも何も考えないで乗るカツハルは、おそらく手が合うよ(笑)。
 普通に走らせれば、そういうラップで走りきるように調教されてるわけだし。

 それで苦しいのが、タップダンスシチーだ。この馬は早め先頭が勝ちパターンで、去年金鯱賞を勝ったときは、57キロで3角先頭だった。しかし去年の逃げ馬はダイタクフラッグ。こう言っちゃなんだが、今年とはまったくレベルが違う。
 早めに先頭に立てないときには、けっこうもがいて負けてしまう、というのがタップの負けパターン。しかも59キロで、今回ばかりは微妙な気がするなあ。
 ラストから2つ目のハロンをマグナーテンが <11秒3> ぐらいで行くとき、この時点で一気に交わして先頭に立つのは、タップ以外の馬にとってもかなり難しい。
 こっちも、穴は直線一気の差し。ゴール前の二段差しが決まるレースになるような気がする。

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wrote:2004/5/31

動く回顧バルクの挑戦。

<**レース回顧/2004年 ダービー**>Race・2004/5/30

 ダービーが終わると、ちょっと脱力感にさいなまれますね~。馬券取っても外しても、「これで一区切り」と言うか、「大晦日終了」と言うか、長い長い1年が終わったような気がする。 キングカメハメハ陣営は、素晴らしい仕上げでこの大一番を迎えたもので、見事な騎乗も含めて、文句なく大拍手だ。NHKマイルCのレース回顧で、キングカメハメハは「エルコンドルパサー級」「クロフネ級」と最大限に評価したつもりだったが、ダービーでそれを本命にするかどうかは好みの問題(笑)。今回はバルク応援団だったしさっ。

 ※参考/ NHKマイルCのレース回顧

 コスモバルクはあの展開ではどうしようもなかった。五十嵐Jも、皐月賞の二の舞だけは踏むまい、と前々でのレースだったから、いたしかたない。


 先日ちょっと出張があって帯広まで日帰りで行ったんだけど、帯広まで札幌から片道3時間。往復たったの6時間で、バルクの20時間輸送の3分の1にもならないのに、それでも輸送疲れでクタクタになった。バルクは2歳の秋から「片道20時間」の輸送を何度も繰り返して、よくぞここまで頑張ってくれたものと思う。
 北海道では、NHKが特集を組んだり、地元の大手新聞(北海道新聞)が、ダービー前日には夕刊の一面で特集を組むほどの盛り上がりだった。馬産地を取材していても、中小の牧場も刺激を受けている雰囲気があったし、すごく意義のあるチャレンジだったと思う。
 パドックでもかなり入れ込んでいたから、もしかするとバルク自身すでにピークを過ぎて、どこか苦しいところがあったのかもしれない。力を出し切れなかったのは残念だが、それでも競馬の一番の楽しみを、改めてバルクから教えてもらったような気がする。「冷静な分析」から一歩踏み込んで「心から応援したいと思う馬」がいるとき、競馬は本当に楽しいのだ。

 これで挑戦が終わるわけでもないし、また道営の馬でダービーにチャレンジする機会もあるだろう。「自分の騎乗ミスだった」といさぎよく発言した五十嵐J、キミは本当に素晴らしかった!直線でバルクを必死に追うあの悲しげな姿は、見ていて胸が締め付けられたよ。
 確かに、あのハイペースを前々で追いかけたのは騎乗ミスなんだが、しかしそれはしょうがない。府中の2400の経験値が、あまりにもなさ過ぎるんだから。あの騎乗を責めるファンは、きっとそんなにいないはずだ。結果ももちろん大事なんだけど、「よく頑張った!」というプロセスも、同じぐらい大事だ。あのペースを3番手から早めに追いかけて8着に踏ん張ったんだから、馬の力はしっかり見せてもらった。


 さてそれで、バルクの敗戦もキングカメハメハの見事な勝利も大満足なダービーだったが、しかし、しかし、今年のダービーほど、見ていて不愉快になるレースも少なかったので、忘れないように書いておきたいと思うのだ。
 ここから先は後藤Jのことを書きますので、後藤Jのファンの方にはあらかじめ謝っておきます、ゴメンナサイ。
12.5 - 10.6 - 11.3 - 11.5 - 11.7 - 11.8 - 12.5 - 13.0 - 12.5 - 11.5 - 11.7 - 12.7

 いったい何なのだろう、この、あまりにバランスの悪いラップは。
 1000の通過が57秒6だ。いったいどういうつもりでダービーを迎えたのだろうか、この人は。
 まったくペースが読めないとしか言いようがないのか?競り合ってたわけでもないのに、単騎で行って57秒6は、あまりにデタラメなラップじゃないか。はたして、きちんと勝つつもりがあって騎乗してるのだろうか? それとも、このペースで行ってもマイネルマクロスならば勝てるとでも思ったのだろうか? この信じられない暴走で、ほとんどレースが壊れてしまった。
 手元に、ダイナガリバーが勝った1986年以降のダービーのラップがある。それ以後良馬場で行われた14回のダービーで、1000の通過の平均は60秒98だ。ほぼ61秒、これがダービーの平均ペース。今は速い時計がバンバン出るコンディションだから、馬場差を考慮しないとならないが、それでも2400mの競馬で57秒6は、まったくペースを読めていない、信じがたい大暴走だ。
 ダービー史上でも有名な、最後のテレビ馬といわれる「鉄砲玉・アドバンスモア」は、あんなに激しく逃げたように見えたが、それでも1000は59秒9だった。そしてジャングルポケットのときに大逃げに逃げた短距離馬のテイエムサウスポーが、58秒4だ(ただし重馬場)。
 マイネルマクロスは、短距離型の鉄砲玉ではない。乗り方ひとつではチャンスのあった馬ではないのか?
 もしチャンスがないと思うなら、同じ馬主のコスモバルクが走りやすいようなペースを作るのが、仕事ではないか? ペースメーカーを演じるのは悪いことでもなんでもない、むしろダービーの狭き門に複数の馬を送り出せたのなら、当然の作戦だ。
 なのにまるで、先行馬を潰してやると言わんばかりのオーバーペースを演出。そして競馬ブックに出されたコメントが、「この馬は2000mぐらいのほうがいいのかも」。
 57秒6で行っておきながら、いったい何を言ってるのだろう。これはもう完全に、馬券を買ってるファンを舐めてるとしか言いようがないのだ。ダービーというレースをいったいどう思ってるのだろう、と、本当に不思議でならないよ。このレースに向けて必死に準備してきた厩舎の人や、このダービーに全精力を注いできたマイネル陣営の人たちの気持ちを、いったいどう捉えてるのだろうか、この人は。本当に、何を考えてレースに乗っているのだ?


 しかし、ほとんど壊れかけたレースをアンカツが絶妙の騎乗で我慢させてくれたのは大きな救いだった。あの乱ペースは、はっきり言って「どれが勝ってもおかしくない」という展開だったが、そこをしのぎきった馬もアンカツも、凄い。
 言っちゃ悪いが、コスモバルクの一番の敗因は、マイネルマクロス・後藤のつくったオーバーペースだ。府中の2400での騎乗経験がほとんどない五十嵐J、ハイペースを追いかけて4角で先頭に立ったとき、「ここで先頭でいいのか?」と言わんばかりに、何度も不安げに後ろを振り返っていたのがすごく印象的だった。
 泣くな五十嵐、また頑張ろう!

 まあでも、これも競馬だよね。
 競馬の本質は、「たいてい、誰もが思っているとおりには、ならない」ってことだもんね。
 今はまだ後藤Jの騎乗ぶりに腹が立って仕方がないんだけど、そのうちまたこれも、きっと楽しい語り草だ。

 マイネルブルックは本当にカワイソウなことをした。皐月賞のときにずいぶんフットワークが硬いなと思ったが、ブックを見ると藤田Jも同じようなコメントを出していた。コスモサンビームも骨折で、マイネル軍団には本当に気の毒なダービーになったが、しかしチャレンジが終わるわけじゃない! どうか元気を出して、また来年のダービーに5頭も6頭も出してきてもらいたいものだ。

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