| wrote:2004/6/22 |
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<**レース展望/2004年 宝塚記念**> |
| もう少し的中率も回収率も上げたいので、コラムをサボってる間に<レースが要求する能力>ということをボンヤリ考えてました。 それで、そういう観点から宝塚記念の<性格>を見てみると、意外にも<スピードと切れ味勝負>ではなくて、<最後に要求されるのはスタミナとパワー>という感じのレースなのだった。 過去10年の勝ち馬を見ても、なんとなく春の天皇賞や暮れの有馬記念を勝ちそうな馬ばかり(←実際に勝った馬も多い)。しかし逆に、「スピードと切れ味」の極限の争いと言ってもいい秋の天皇賞を勝った馬が、意外に少なかったりする。 その秘密は、多分阪神2200mのコース形態にあるのだと思う。 阪神の芝コースは「直線352m」で、ご存知の通り、4コーナーから決勝点まではけっこう短い設計。しかしコーナー奥のポケットからスタートする2200mは、ゲートを出てから最初のコーナーまで約600mもの間、直線を走ることになるのだ。 ※参考/ 阪神競馬場の芝コース そしてもうひとつの特徴が、図を見るとよくわかるとおり、3コーナーから4コーナーまでに微妙な<直線>がある、ということ。ここが意外に、長いのだ。だから、最後の最後に「一息でまくりきる」のは難しい。このコースで勝ち負けするには、最後に4ハロンぐらい連続して、トップスピードを持続しなくてはならないのだ。 このコース設計のために、宝塚記念は毎年非常に厳しい流れになる。 ※参考/ 宝塚記念のラップ 別表にまとめて見たとおり、1ハロンが<12秒7>を超える緩いラップが、ほとんどないのがこのレースの特徴なのだ。(別表で赤い数字にした部分が、12秒7を超える緩いラップ。一目瞭然だけど、ほとんど、赤数字ないんです。) この厳しい流れの中で、昨年は<本質中距離型・2000ベスト>のシンボリクリスエスが直線ズブズブに苦しくなって、<スタミナとパワーの権化>ヒシミラクルがぶっ飛んできた。今年も楽なラップはほぼ望めなくて、<本質中距離型>の馬は、ラストで軒並み苦しくなるかもしれない。 取捨選択で迷ったら、<スタミナ型>をチョイスするのが、もしかすると正解かもしれない。馬の個性(と騎手の個性)を、しっかり見極めて馬券を買わなくちゃね。 |
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| wrote:2004/6/23 |
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<**危険な人気馬/2004年 宝塚記念**> |
| 今年の宝塚記念は、実力伯仲の大混戦。普通に考えて「勝つかもしれない」と思える馬が、7頭ぐらいはいる。でも当然ながら、勝つのは一頭。2着馬も、たぶん一頭だ。 「勝つ馬と負ける馬」の決定的な違いは、どんなことなんだろうね?それがあらかじめ分かれば、買う馬券もかなり絞り込めるんだけど(笑)。 それほど大きな実力差があるとは思えないから、ポイントはやはり「このレースに対する向き不向き」のような気がする。だから「泣きどころ」だとか「弱点や死角」がある馬は、自動的にやや評価下げ、ということになる。「死角を克服して、なおかつ展開がはまれば」というようなタイプには、あまり重いシルシは回せないのだ。 ※タップダンスシチー※ 古くからメルマガとか当HPのコラムを読んでくださってる方ならご存じの方も多いと思うんですが、ワタクシは個人的にこの馬大好き、これほど強くなる前から評価もずいぶん高かった。で、この馬の好走と凡走のパターンがようやく分かってきたような気がするんだけど、今回はもしかすると「勝つまではどうか」というレースかもしれない。 昨年不良馬場のJCを9馬身差で圧勝した馬だが、この馬の本質は「中~長距離を卓越したスピードで制する切れ味型」。一気に抜け出して独走の形に持ち込むのが必勝のレース運びで、じりじりとした競り合いでは、それほど強いタイプじゃない。そして阪神の2200mだと、<一気に抜け出す>には3角過ぎで前を行くローエンを交わすしかないが、そのレース運びではかなり苦しいような気がする。 しかも、オープン入りしてから、<右回り・直線短いコースでの芝2200m以上>という条件では、0・2・1・1。実は、唯一苦手にしているのが、この条件なのだ。2着2回も、1つは中山の日経賞で、競り負けた相手がアクティブバイオ(←今では考えられない凡走・笑)。もう1つが2002年の有馬記念で、これは佐藤哲が早めスパートで一気に抜け出して、得意の「独走」の形に持ち込む好走だった。去年の宝塚記念はいつも通り早め先頭のレースで、最後苦しくなった。今年はどうなんだろうね? ※ゼンノロブロイ※ 古くからの読者さんならご存じかもしれないんですが、この馬の評価もワタクシ的には常に高かった。 3歳春に青葉賞を勝ったときや、秋に神戸新聞杯を勝ったときには「素質はルドルフ級」とさえ思ったもので、これは私個人の評価としては「MAX」と言っていいほど。ストライドの力強さとバランスなら、現役の競走馬で、これが随一だ。能力を全開にすればシンボリクリスエスより上にいける器、と今でも思うし、応援している白老ファームの生産馬でもあり、心情的にはこの馬の単!なんだけど。 しかしこの馬、実際は昨年の神戸新聞杯を勝って以来、未勝利なんだよね。なにしろ古馬とのレースでは、一度も勝っていない。日経賞では「遙かに格下」と思えたウインジェネラーレをとうとう交わせなかったほどで、つまりは「闘争心が全くないです」という雰囲気になってきてしまってるのが、嫌なカンジ。 そして、「常に善戦するが、勝ち運に見放されてる」という馬に、G1でまったく勝ち運に見放されている田中勝春ジョッキー。勝負事としてはサイアクの組み合わせだと思うんだけど(笑)。 ロブロイには実を言うともう一つ嫌な材料があって、「阪神2000mの重賞で勝ち負けしたことのある馬は、宝塚記念で好走実績ほとんどナシ」という過去のデータがあるのだ。 阪神の2000mと2200mではレースの質が全く違っていて、2200は昨日書いたとおり「最後はスタミナとパワー」。しかし2000だと、完全な「スピード決着への対応、切れ味勝負」というレースになりやすい。勝つために要求される能力が、かなり違うのだ。マスコミでは「神戸新聞杯で完勝しているし、得意のコースで」的な、全く無責任な論調が横行してるけど(笑)、実際は「神戸新聞杯を凄い切れ味で勝ってるだけによけい不安」と言いたいほど。 過去5年間で、「宝塚記念の前に、阪神2000mのOPで1・2着したことのある馬」が宝塚記念でどうだったかというと、これが<0・0・1・10>。全馬がほぼ完敗という結果に終わっている。ただ一頭の3着が、昨年のタップダンスシチー(朝日CC勝ち馬)だ。シンボリクリスエスも、このパターンで負けている(前年の神戸新聞杯勝ち)。 逆に、過去5年間で宝塚記念を1・2着した馬が、「それ以前の阪神の芝2000mの重賞」でどんな成績を残してたのかというと、これがなんと<0・0・1・4>。この中には、テイエムオペラオーの、大阪杯まさかの4着もある。阪神の2000と2200は、全く適性の異なるレースだと思った方がいいかもしれない、というのが、過去のはっきりした傾向なのだ。 ※この件に関して、ちょっと補足しました。 コチラ をご覧ください※ ちなみに、「阪神の芝2000mの重賞で勝ったことある馬」の宝塚記念制覇は、1997年のマーベラスサンデーまでさかのぼらないとならない。そして蛇足ながら、この年は12頭立てで「相手はどう見てもバブルガムフェローだけ」という弱メンの年だった。 あとはさらっと軽くいってみるかな(笑) ※リンカーン※
※シルクフェイマス※
こういうコト考えてるとさ、レースが待ち遠しくて仕方ないんだよね(笑)。 |
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昨日<危険な人気馬>で触れた、阪神の2000mと2200mの関係ですが、ちょっと表現が不適切&間違い&分かりにくい(笑)部分があったので、補足と訂正させていただきます、スンマセン~^^
お話したかったポイントは、「阪神の芝2000mを得意とする馬は、総じて2200mは苦手らしい」ということでした。
で、各馬の戦歴を調べるにあたって、「宝塚記念に出走する1年前まで」というスパンを(勝手に)採用しました。その理由は、 (1)2年連続、3年連続で宝塚記念に出走してるような馬もいて、そういう馬の戦歴も「過去1年」に限定して調べたほうが分かりやすい。
(2)馬の距離適性は加齢とともに変わってくるケースがあって、一概に決め付けられないけど、まあ「過去1年ぐらい」ならだいたいの傾向が出るかな、と(笑)。
それで原稿を書くときに、「宝塚記念の前に、阪神2000mの重賞で1・2着したことのある馬(ただし過去1年間限定)」と書いたんですが、日本語としてずいぶんワケわかんないので(笑)、まあ大丈夫だろうと思って安易に<過去1年限定>を取ってしまったんですね。 で、結果として「宝塚記念の前に、阪神2000mの重賞で1・2着したことのある馬」の宝塚記念の成績は<0・0・1・11>と書いたんですが、これは誤りでした。なぜなら、テイエムオペラオーが、3歳の春に毎日杯を勝ってるんですね~!これはスッカリ忘れてました!ゴメンナサイm(_ _)m
3歳春の時点ではメンバー揃わないことも多くて、ついつい「戦歴チェック」の対象から勝手にはずしてました(笑)。勝手に外した場合は告知しなくちゃなりませんよね、スンマセン~m(_ _)m
G1戦線は、馬券的には基本的に「サンデーをどう買うか」というのがポイントだったんだけど、それももうあと数年かと思うとさすがに少し寂しい感じがしますね。 POGでは今まで一貫してアンチ・サンデーで指名してきたんですが、サンデーをゴージャスに指名できるのは今年が最後なので、たくさん指名してしまいましたよ(笑)
さて、そのサンデー産駒、あらゆる重賞を常に勝ちまくってるイメージだけど、実際は「3歳クラシック路線で抜群に強くて、古馬になるとやや勢いがなくなる」というのが大きな傾向。