
ル・オー・メドック・ド・ジスクール1999年が入荷です。まだリストには載せてませんが、今年は2008年だから9年熟成のワインですね。クラスはただのボルドーより一つ二つ上のクラスのオー・メドッククラス。実際には、マルゴー村の3級格付けのシャトー・ジスクールが近所の別畑で仕込んでいるワインだ。
畑の葡萄の樹齢も20~25年を越えるくらいになってきて味わいも充実しだしたのがちょうどこのころのヴィンテージから、、今どんどん上り調子の作り手である。
ワインコミックの神の雫でもこのワインの2000年が紹介されたらしい。まあ、私の場合2000年と2003年に関しては、実は世間の人気に反してあまり好きではない。どちらの年も夏が暑く、葡萄が完熟して糖度が上がり、果実味が凝縮された感じでとてもインパクトがあるタイプ。一般的にそういう条件はいわゆるワインの当たり年の条件であって本来文句をつけるところではないのだが、、、ちょいと元気がよすぎるきらいがあるのだ。なんというか、ワインが強すぎると感じる事があるのだ。
例えば、いわゆる五大シャトーとかの有名ワインのしかも当たり年などの例えば90年代の物などを味わう機会があるといつも思うのだが、若くて固くてまだまだぜんぜん老けてないことが多く、「アー、まだ開けるの勿体ないなぁ」と思ってしまう事が多い。私の場合どちらかというと力の抜けてきた段階の古酒が好きだから、五大シャトーの当たり年などは私の好みの熟成具合になるのにきっと50年以上かかるだろう。
先日も五大シャトーのひとつであるシャトー・ラツールのセカンドワインのレ・フォール・ド・ラツールの82年を味わう機会があったが、滑らかにタンニンが落ち着いていて、力強い大地の香りとまだしっかり残った果実味もあって実に素晴らしい味だった。これがもし本家のシャトー・ラツールだったら、まだまだ若すぎてこれほど華やかに熟していなかった事だろう。
だから私は一流シャトーよりそのセカンドクラスや別畑のしかもちょいと裏年を選ぶ事が多い。何より価格が安いし、こじんまりした中にも適度の熟成感が楽しめるし、何よりもそういうデリケートなニュアンスを持ったワインのほうが料理にも合わせやすいのだ。
味の強い当たり年のワインは料理の味を吹き飛ばしてしまう事があるので、ワインを単体で楽しむのにはよいのだが、料理とあわせるとなると料理に寄り添ってくれるワインがありがたい。
パッと見地味だけどよくよく付き合ってみるとけっこう味があっていい奴だったりする人っているでしょ?さりげなさの中に光る魅力、、。「なんだー、お前いい奴じゃねえかぁ!」そんな感じのワインですよ。このオー・メドック・ド・ジスクールの99年は、、。
今回入荷のこのワインは、私の親しい輸入元から直にもらっているのでけっこう安価で入ったおかげで6千円くらいで売れるので、ぜひ美味しい熟成酒好きの方は飲んでみてください。
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