
最初の皿は、ハンガリー産鵞鳥のフォアグラの冷製ココット仕立て。低温でゆっくりと火を通し、冷やし固めたもので、100%フォアグラの塊です!この贅沢な皿にはやはりソーテルヌなどの貴腐ワインですね。同じハンガリーのトカイ産の甘口ならさらに良いかもしれません。ハンガリーの銘ワイナリーボデガス・オレムスのレイトハーベストも用意してあります。

二皿目は、ハンガリー産鵞鳥のフォアグラのカツレツと広島産牡蠣のムニエル。ソースは煮詰めたバルサミコと蜂蜜にほんの少しウスターソースを混ぜたもの。フォアグラのカツレツはとても難しい料理で、とにかく加熱すると溶けるフォアグラにカツレツの衣をつけて揚げるわけだから、しっかり衣がついた状態で、なおかつ中までしっかり火を入れるのは至難の業なんですね。下手をすれば衣だけ残ってもぬけの空なんてことにもなりかねません。カキのムニエルとフォアグラのソテーというちょっと異質な感じの組み合わせと感じるかもしれませんが、表面がカリッとしていて中がしっとりという共通したニュアンスがあるんです。これは私がかなり以前からやっている組み合わせです。これには、牡蠣に合うしっかりしたシャルドネの白ワインが良いでしょうね。

メインはハンガリー産鵞鳥のフォアグラのソテー、スペイン産セープ(ポルチーニ)茸のフリカッセと新鮮な自家菜園の野菜添え。ソースは、フォアグラともキノコとも相性が良いマデラ酒風味。フォアグラのソテーとセープ茸の組み合わせは、かつて夭折した天才シェフアラン・シャペルが、「真実の味がする」といったそうです。

小さなアバンデセール(デザートの前のデザート)をはさんで、これがデザート。パン・ペルデュ、要するに甘いフレンチトーストですね。そこにフォアグラに砂糖をまぶして焼いたものをのせ、仕上げにカナダ産のメープルシロップをかけてあります。ホットケーキにバターをのせて食べるでしょ?あのバターの替わりにフォアグラをのせたという感じです。ほんの少しシナモンパウダーを振りかけてあって、実に違和感なくスウィーツになっていると思います。フォアグラのデザートも色々作ってきましたが、今回はかなりうまくまとまった気がします。これにワインを合わすなら、軽いカラメルのフレーバーがあるマデラ酒を少し冷やしてやってみたらどうでしょう。
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