
ワインが無くなりそうになってしまったので、いったん ボジョレー・ヌーボーと南仏の新酒を楽しむコース のご予約受付を終了しましたが、在庫調整の結果もう少し出来そうなので、予約受付を再開します。といってもせいぜい6名から8名分くらいです。ご予約はお早めに!!
一昨日は、 さかもとこーひー のさかもとさんがこのコースを御友人と食べに来てくださいました。横浜在住の御友人は、「フレンチを食べると、たいしたボリュームでもないのに何か胃にもたれることが多いんですが、ここの料理はボリュームたっぷりなのにあまりもたれない。」とのご感想。
そうなんです。まさにこのボジョレー・ヌーボーと南仏の新酒を楽しむコースは、自家製ハムやイベリコ豚のラルド、グランパルマの生ハムのリエット、チーズ、塩漬けレバーのソテー、牡蠣のコンフィなどどれも伝統的なフレンチの技法をつかったものですが、続く温前菜のアンドゥイエットの温製テリーヌとフォアグラのソテーにしても、メインのホロホロ鳥のモモ肉の遠赤外線グリエのサラダ仕立てにしても、フランス料理の重要な技術であるソースらしいソースがほとんど使われていません。
たいしたボリュームでもないのに胃にもたれる料理というフレンチは、典型的なのがソースたっぷりの魚料理でしょうね!魚とバターが同量だったりします。日本人の胃袋は一般的に言って乳脂肪の消化が苦手にできてますから、バターやクリームたっぷりの料理は胃にもたれることがあるんですね。
美味しい塩鮭なら、ご飯が進みますよね。そんな塩鮭にバターやクリームのソースなんて必要ないでしょ?つまり素材の下味がしっかり決まっていて、素材自体がある程度のレベルならば、とくにソースはいらないんです。焼き鶏の塩焼きもいい例ですね。
焼き鶏の塩焼きに、ちょいと七味唐辛子を振ったり、レモンかスダチでも絞ったり、あるいは特上のオリーヴオイルを垂らしたりすると、さらに美味しくなります。これは、風味の問題。挽き立ての黒コショウもいいですし、カレー粉やパプリカパウダーだってありですし、ニンニクやショウガの出番だってあるでしょう。私は基本的にソースは風味を添えるものと思ってます。
だから、下味をしっかりつけ素材の持ち味を最大限に引き出す火の通しを心がけているわけです。私の基本的芸風ですね。
バターやクリームの脂肪分は人間の本能に働きかけるような強烈な旨味を持っていますから、それに頼りがちになってしまうんですね。でも、魚や野菜の持ち味じゃかなわないほどの強烈な旨味ですから、使いすぎると素材の味を覆いつくしてしまい、いわゆるソースで食べさせる料理になってしまいます。
例えば、ブロッコリーをゆでてたっぷりマヨネーズをつけて食べると、まあ、普通はマヨネーズが勝ちますね。マヨネーズは脂肪分ですから、バターやクリームの仲間と言っていいでしょう。だから私の場合は、ブロッコリーに少しガーリック風味のオリーヴオイルを垂らすだけです。こうすると、ほんのりと香るニンニク風味と少しのオリーヴオイルのコクがブロッコリーの美味しさを後押しして、持ち味が生かされると思います。
さかもとさんが来られると、いつも料理談義に花が咲きます。そういえば、火曜日にはそばの名店 「うぶすな」 のご主人夫妻もご来店。やはり料理談義に花が咲きました。自家焙煎のコーヒー、蕎麦や懐石料理、フランス料理とジャンルは違いますが、火の使い方や味や風味のコントロールなどお互いに共通項も多く、その道のプロとの話は楽しいものです。うぶすなの御主人は私の焼いた鴨を召し上がって、柔らかくしっとりと、でも皮はカリカリと香ばしい仕上がりに鴨焼き談義で盛り上がりました。
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