

まずは、パルマの老舗“ピオ・トジーニ社”の生ハム。約7キロの原木からシェフが手切りします。生ハムの本場、パルマには80ほどの生ハム会社があるらしいが、100年来の伝統的製法を守っているのは、このピオ・トジーニ社を含めわずか数社のみ。その伝統的製法というのは、温度湿度のコントロールを窓の開閉のみで行いエアコンは使わないというやり方。エアコンを使わないので、蔵付きの乳酸菌が豊富でその乳酸菌が生ハムの熟成に作用する。さらに乳酸菌が作りだす弱酸性の環境が雑菌の繁殖を抑えて、生ハムを腐敗から守るのだ。乳酸発酵が醸し出す独特の風味と旨味があって実に美味しい味わい。1996年に輸入が解禁されたパルマの生ハムだが、私の知る限りこれほど美味しい生ハムはないように思う。ぜひ食べていただきたい!レギュラーメニューでも選べるようになってますから、、、。これには、シェリーのマンサリーニャ・パサダが最高です。シェリーは強いからという向きには、カリホルニアのジンファンデル・ロゼがほんのり甘くてなかなか美味しいですよ。

富山湾産のホタルイカのココット焼きです。スペイン風にマリネしておいたホタルイカ(もちろん、軟骨と目玉と口ばしはピンセットで取り除いてある)をココットに入れてガーリックオイルを少し加えて、オーブンで焼き上げる。イカには火が通っているので、温まればよい。これもシェリーがいけますね!それからすっきり辛口の白ワインも良いでしょう。

ヴァプール(蒸した)フォアグラに自家菜園の春キャベツのブレゼを添える。20世紀の名作料理のひとつ、アラン・サンドランス氏の“フォアグラのキャベツ包み蒸し”の再構築版とでもいえる料理。春キャベツの甘みが蒸したフォアグラに実によく合います。味付けは、カマルグ産の塩と挽きたての胡椒のみ!見た目は地味ですが、これは美味しいです!ワインは、アルザスのゲヴェルツトラミネールしかないでしょう!これぞマリアージュといった味わいですよ!

メインは、リ・ド・ヴォーのローストのバルサミコ風味にフランス産のマッシュルーム入りのリゾットを添えてあります。リ・ド・ヴォーは普通、デゴルジェ(氷水に漬けて血抜き)、ブランシール(軽く茹でて半生程度に火を通しあく抜きをする)、プレッセ(キッチンペーパーなどでくるみ重石をかけて水分や血の気を抜く)という下処理を経てソテーなどの調理をするのだが、新鮮なリ・ド・ヴォーならこのようにいきなり丸焼きに出来る。丸焼きにするとしっとりトロリと美味しく仕上がる。下処理をしたものとは全く違う食感だ。


バターがほんのり焦げるくらいの火加減で、ゆっくり焼き上げ、十分に休ませてから供する。

デザートがこれ。ちょっと前衛的盛り付けのイチゴのミルフィーユ。焼きたてのサクサクのパイとクレーム・パティシエール(カスタードクリーム)コアントローでメランジェしたイチゴをフリージャズ的?に盛り付ける。仕上げにフランボワーズパウダーを散らす。これには、さかもとこーひーのイチゴミルフィーユ専用のサンク・オ・ピエブレンドがベストマッチです。
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