
今年は、震災のため三陸物の牡蠣が無いので、生牡蠣が品薄かつ相場が高い。だから今シーズンの生牡蠣はあきらめていました。ところが私の弟子クリークの黒川シェフが、築地の魚屋さんを紹介してくれて生牡蠣が出せることになりました。これは、姫路産の生牡蠣でサイズはいつもの三陸物の半分くらいだが、値段は倍近い。でも殻が薄いので意外に身入りが良く、瀬戸内物特有の味の濃さがあって、小さい割に食べた気がする牡蠣です。随時入荷しますので、牡蠣好きの方は、どうぞ。尚、確実にに召し上がりたい方は予約の時にお申し付けください。なま物ですから、大量に仕入れるわけではありませんから、、品切れになることもありますので、、、。

これは、シャラン産窒息鴨のモモ肉のコンフィ。コンフィというのは、塩漬けにした肉をラードやガチョウの脂や鴨の脂などを使って、80度前後の低温でゆっくりと煮込んだもののこと。脂で煮るという発想が日本人にはちょっとないですよね。
脂で煮ると、水やブイヨンで煮るのと違い肉の旨味が抜けないのが利点。しかも、80度くらいで数時間保つと肉自体の水分でたんぱく質が加水分解されて煮込みの肉のように肉が柔らかくなります。さらに脂の中で余分な脂肪分が溶けだして、結果的に肉がさっぱりとした味わいに仕上がります。昔冷蔵庫もない時代は、肉を強く塩漬けにして、コンフィにした後、煮たラードごと涼しいところに置いておけば、脂が固まって空気から遮断されるので保存食になったわけです。まあ、今の時代は保存のために作るわけではないので、塩加減はほどほどにして、独特の食感を楽しむわけです。
鴨のコンフィはこのジャンルの代表的料理。仕上げに皮目をフライパンでカリッとポワレして、さらに遠赤グリラーで皮目をカリカリにします。見た目焼き物なのに食感は煮込んだ肉のように繊維がホロホロとほぐれるという面白い味わい。鴨やガチョウのモモ肉のように脂がのっていて、ちょっと固めでコラーゲンの多い肉質の物が適しています。豚やイノシシの肩ロースやバラ肉なんかも良いですね。今お勧めでやってます。あとは6人前くらいかな?無くなったらしばらく作らないかもしれません。
最近は、50度くらいのオリーヴオイルで魚をコンフィにするなんていうのも流行ってますが、これなどは完全に保存食とはかけ離れ、火が通ったか通らないかのギリギリの食感を目指すもので、生より日持ちがしないので、作ったらその日のうちに食べてしまわねばなりません。
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