
今回のテーマは、「秋刀魚、栗、キノコ、、、秋の味覚」ということで、、、秋刀魚のスモークに燻製醤油とオリーヴオイルと秋刀魚のなめろう。付け合わせはうちの畑で今が盛りのインゲンの胡麻和えとシイタケの佃煮みょうがの梅酢漬け。椎茸はサンク・オ・ピエ秋のコースで出汁を取るために使ったので、それを佃煮にしました。みょうがは家でつけた梅干しの梅酢に少し蜂蜜を加えて漬けました。秋刀魚のスモークは、秋刀魚を卸して塩をあてて3時間ほど冷燻にかけました。これにやはり冷燻にかけた醤油をたらしてサルディニア島産の極上オリーヴオイルをかけてあります。醤油や塩などの調味料を燻製にかけるのが静かなブームです。市販もされていますが、たいてい1リットル当たり一万円もすることが多いので自作しました。サンク・オ・ピエでは、ハムやベーコンやサーモンなどしょっちょうスモークをかけているのでそういう時に醤油をバットなどに入れてスモーカーに入れておくだけでできますから簡単です。なめろうは、秋刀魚を卸して細かく刻み軽く叩いてから、大葉みょうが長ネギ生姜などを微塵切りにして味噌で味を決めてよく混ぜます。合わせたのは、丹波ワインのマスカットベリーA。ごく軽い赤ワインですが、秋刀魚のような青魚で脂が乗っているものにはとてもよく合います。

2品目はサンク・オ・ピエ名物もち豚もつの白ワイン煮込みに栗と里芋入り。合わせたワインはスペインのカヴァ。スパークリングワインです。こういうもつ料理にはシャンパーニュが良く合うのですがカヴァ・フェレ・ブリュットは味わいがかなりシャンパーニュ的なので、うまく調和したと思います。

3皿目は、秋刀魚のベーコン巻ローストに霜降りヒラタケのフリカッセそえ。ソースは赤ワインと赤ワインヴィネガーを煮詰め、ポン酢しょうゆと塩で味を整え、オリーヴオイルを合わせたもの。ワインはタケダワイナリー(山梨)のヴァン・ルージュ。マスカットベリーAとカベルネソーヴィニヨンをブレンドして樽をかけたもので、タンニンも程よく脂の乗った秋刀魚にベーコンを合わせた焼き物にはちょうど良いワインでした。ソースにも赤ワインを使っているので、より調和しますね。

キノコと栗のリゾットにバルバリー鴨の若い雌のフィレ肉を合わせました。キノコはシイタケと干しシイタケ舞茸とシメジにエリンギとマッシュルームなどを微塵切りにして3時間ほど弱火で炒めて水分を飛ばした物を使っています。これをデュクセルというのですが、ただ単にキノコを炊きこむより数段旨味と香りが違います。栗はスペイン産の山栗で小粒ですが味は濃いです。雌の若いバルバリー鴨の胸肉は色々ある鴨肉では最も柔らかい肉です。しっとりローストして切り分け、ゲランドのフルール・ド・セルとサルディニア島産の極上オリーヴオイルで仕上げました。一緒に食べるリゾットがキノコソース的マッチします。合わせたワインは、西南フランスのカベルネ。カベルネとはいえ、軽やかでスムーズな飲み口なので、キノコの旨味と鴨の滑らかな舌触りにはぴったりです。

メインディッシュの後には、懐石料理でいうところの強肴的に、、フォアグラとポルチーニ!ヨーロッパではキノコの王様と言われるポルチーニ、フランスではセープと言いますが、フォアグラとの相性は抜群です!かつて三ツ星の中の三ツ星と称えられた夭折の天才シェフアラン・シャペル氏が「フォアグラとセープの組み合わせは真実の味わいだ。」と称えたという事。これに合わせたのは、イタリアの赤ワインの王様と言われるバローロの聖地と言われる、ラ・モッラ地区で作られているランゲ・ネッビオーロというワイン。バローロと同地区同一品種で作られているものの、あえて格付けせずに出荷されていて事実上中身はバローロそのものなんです。まあ、ボルドーでいうセカンドワイン的な感じですね。イタリアではキノコの王様には赤ワインの王様バローロを合わせるというのが定番。まあ、食って飲んでみれば誰もが納得するはず。これぞマリアージュです。魂にグッとくるような美味ですよ。

デザートも栗尽くし。栗のガレットと栗のアイスクリームとさかもとこーひーカフェエクルノアフォガート仕立てです。これは、サンク・オ・ピエ秋のコース2014のデザート3点盛りの中の2種なので、こーひーはさかもとこーひーのサンク・オ・ピエ秋のコース2014専用ブレンドを合わせました。こーひーとデザートがお互いに味わいを高めてみなさん納得。もう20年以上も続くこのワイン会、今回も和やかに終始しました。
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