
エゾ鹿肉のカロリーは、牛肉・豚肉に比べて約3分の1、タンパク質はおよそ2倍。脂質は10分の1以下、鉄分は3倍と栄養面でも優れています。さらにアトピーやアレルギーで肉が食べられない人も、鹿肉は大丈夫というケースがあります。あらゆる肉類の中で最もアレルギー反応が出にくいと言われています。人にとってとても優しい素材なんです。
よく、北海道出身の方が「エゾ鹿は固くて臭くて美味しくない。」と言うんですが、、、鹿に限らず仕留めたジビエはその後の下処理つまり血抜きや解体方が悪いと臭みが出ます。北海道はアマチュアハンターも多く、鹿を仕留めて適切な下処理もしない肉も多いんですね。北海道に住んでいると親戚のおじさんとかが取ってきてそういう下処理が良くない肉を食べる機会も多いと思います。その上素人料理ですから、、、血なまぐさい素材を技術がない素人が調理して美味しいはずがありません。血抜きの悪い肉は全身どこを食べても皆レバーみたいな味で美味しくないです。そういう肉だといくら私が頑張ってもまともな料理にはなりません。
サンク・オ・ピエで使っている鹿肉は、プロのハンターが仕留め適切な下処理でしっかり血抜きが出来た食肉用のルートで来ますから、変な臭みなど一切ありません!以前も北海道出身のお客様で少し抵抗があると言ってエゾ鹿を嫌がっていた方に鹿肉を試食していただいたところ、「美味しい!俺北海道でさんざん何食ってたんだろう?」と言われたので、血抜きの話などをしたら納得してくださいました。
他にも鹿やイノシシは、犬などで追いたてて仕留めたものより、遠くから狙撃で仕留めた物のほうが美味しいんです。犬に追い立てられた獲物は恐怖のピークにあり、アドレナリンなどのホルモンが分泌します。そのせいで毛は逆立ち筋肉は緊張し心拍数や血圧も上がります。そういう状態の肉は汗臭いような独特の癖が出ます。リラックスしている獲物を遠くから狙撃で頭か首を打ち抜き一発で即死に近い状態で仕留めた肉が一番美味しいんですね。そういう意味でもプロのハンターの取ったジビエでないと駄目なんです。以前私も房総の山で取ったというイノシシをお客様からいただいたことがありましたが、もう見るからに血抜きが悪く赤黒い肉で、鮮度は悪くないのですが使い物にならなかったことがありました。
鹿やイノシシなど大型の動物はライフルで仕留めますが、鳥類は散弾銃です。仁丹の粒くらいの大きさの弾がたくさん入ったもので撃ち落とすわけですが、これも出来れば鶏の背中側から撃ったものがベストです。前や横あるいは真下などから弾が当たると鳥の胸肉などが被弾して、食べるところにたくさん弾が入ってしまい、弾の入った肉は傷がついて弾の周りに血がたまり使い物になりません。鳥は背中側にはほとんど肉がないので飛び去るところを後ろから撃ち落としたのがベストです。こういうところもプロのハンターはちゃんと心得ているんです。
サンク・オ・ピエで使う壱岐の網取り鴨は、鉄砲を使わず網で取るので弾が入っていません。ですから肉が全く痛まず綺麗です。まだ解禁になっていないのですが、11月の終わりころから出てくると思います。
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