幕張本郷の小さなフレンチレストラン   サンク・オ・ピエのオーナーシェフ、中村雅信の日記ページ

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Jan 19, 2022
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カテゴリ: シェフの雑記帳
お客様によく作り方を訊かれるので、書いておきます。

 このニンジンが美味しくて食べたことがない感じで、どういう風に作っているのか?とよく訊かれます。バターと砂糖と少しの水分でグラッセ(艶煮)というのがよくありますが、この料理には砂糖もバターも使いません。



 1キロのニンジンをこんな感じに切ります。



 細いほうの下半分は縦に1/2か1/4に切り、太いほうの上半分は縦に1/4か1/6に切ります。私は面取りとかしませんが、やりたければやってもいいです。厚手の鍋に入れて、塩10~12gを全体に振りかけてなじませて、オリーヴオイル60~70ccくらいを全体に振りかける。ニンニク大き目一片の微塵切りを散らして蓋をして弱火にかけます。





 フランスレンジ、(プラック)のガス台のこの位置。真ん中の丸いところが500~600度くらいあって強火で、そこから離れるほど弱火になります。ちなみにこの鍋は厚手のステンレス製で直径24㎝蓋を入れると重さが2.5キロもあります。こういう厚手のものがむいています。ストウブとかルクルーゼの鍋などあれば最高ですね!





 このニンジン料理は、180度くらいの鉄板の上がちょうどよいです。ご家庭ではこういう火加減は難しいので、蓋のできる耐熱容器で160度くらいのオーブンでやると良いかと思います。火にかけてしまえば、あとは放っておくだけ。1時間半から2時間弱でニンジンに竹串や爪楊枝がスーッと通るくらいになれば出来上がりです。この料理、塩を振るときに「多くない?」と思うはずです。(料理のセンスのある人なら特に、、)約1%の塩が、ニンジンの水分を引き出し、その水分でゆっくり蒸し煮になることで、ニンジンの甘味が最大限に引き出されます。ですから、塩はニンジン1キロに対して10gです。オリーヴオイルが風味をよくして、熱の回りも助けます。ニンニクが甘味を引き立てます。お店では、1キロ程度作って冷蔵庫で保存し、メインディッシュの付け合わせにオーブンで温めて使っています。長い付き合いのお客様のNさんが、「僕はニンジン苦手なんだけど、中村シェフのこのニンジンだけは大好き!」と言ってくれます。



 手間はたいしてかかりませんが、時間はかかります。あと、ニンジンが1キロくらいないと水分が出る前に焦げてしまったり、うまくいかないようです。
  後で気づいたのですが、ホットプレートを160度くらいにセットしてその上に鍋を置いてやればよいかもしれません。





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Last updated  Jan 20, 2022 06:02:05 PM


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madame-H@ キッシュに入れてます。 相かわらず、手間のかかるスープを楽しん…
ゆり777 @ こんにちは。 美味しそうですね~。 チキンがジュージ…
おかめ@ Re:食べる姿(10/31) なるほど!私も無粋な行為をしていた一人…
mermerada @ はじめまして! エスカルゴは好きで、メニューに有ると頼…
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