しかしその前段階として見逃せないのが、Superman #17(Jul-Aug1942)です。 巨大な山陰に作られた建造物は the secret citadel
と呼ばれ、過去の闘いの遺物を収めたり、 彼自身のトレィニングなどに利用されることが語られています。 その後Superman #58(May-Jun1949)で Fortress of Solitude
の名が使われます。 ここでは氷と雪に閉ざされた極地の荒野polar wasteと説明され、まだ北極にあるとは明示されません。
FoSが北極にあると明示されるのが先のAction Comics #241(Jun1958)で、この時に初めて巨大な“金の鍵”も登場します。 北極の氷山頂上Mountain Top of Arcticに置かれた何トンもの鍵によって入り口を開けることができる仕組みです。 また様々な闘いでの遺物や生物、趣味の部屋(絵を描く)、LL・JO・CK・Batsyの部屋などの存在も明らかにされます。 さらにこの号では、BatsyがFoSに侵入します。どうやって侵入したかというと“鍵”に細工をして 中を空洞にし、そこに潜んでいたのです。さすがはBatsy、知能犯です。 The Super-Key to Fort Supermanと題されたこの話は The Best of DC Blue Ribbon Digest Vol3#16(Sep1981)などに再録されています。
◆左:Superman And His Incredible Fortress of Solitude(Summer1981)。大型特別版(B4サイズ程度)コミックス。 ◆中・右:2000年に発売された限定3500個のSnowGlobe。FoSに降り立つイメジで作られ、鍵も描かれている。
Official Metropolis Editionとして出された大型特別版コミックスAmazing World of Superman(1973)には、 FoSの内部が描かれます。ここでは見開き1ページに掲載された内部を6つに分けて並べます。
1986年、Supieコミックスの再設定が行われますが、FoSはしばらく登場しません。 ようやく登場するのが、The Adventures of Superman #460(Nov1989)になります。 しかし、これをFoSと認めるのか否かが問題となります。 そもそも、このFoSができたのは南極です。作り主はThe Eradicatorという機械です。 何とも不吉な名前の機械ですが、これはSupieの故郷にかつてもたらされたものでした。 Supieがある事件から宇宙での孤独な旅を続けていく中で、その持ち主と出会い、地球に持ち帰ります。 しかし、Eradicatorのプログラムは地球人に危害を与えるため、Supieは金属で包んで、南極に捨てました。 不法投棄は事故の元、ではありませんが、Eradicatorは自らの力で、 南極の地に新たな要塞を作り上げたのでした。 ▲左:The Adventures of Superman #459(Oct1989)、右:同#460(Nov1989)
その後も設定は二転三転します。 まずは、Superman: The Man of Steel #100(May2000)で 直径5メートルほどの球体の内部に3次元空間を作り出します。 次に、Superman #215(May2005)では エクアドル・ペルー国境のThe Cordillera Del Condor Mountains山中に、 古代遺跡のような要塞を作り出します。