8月6日にクルスクへ軍事侵攻したウクライナ軍の規模は当初、3個旅団程度と言われていたが、作戦に参加した兵力は1万人から3万人、2、3個師団程度だったようだ。それだけドンバスから兵員を割いたのか、国外から戦闘員が入ったということなのだろう。ドンバスでロシア軍の前進のスピードが速まっているのはそのためかもしれない。
ロシアがクルスクに配置していたのは国境警備隊で、装甲車両を連ねた部隊に対抗することができなかったわけだが、航空兵力に続いて予備兵力も投入され、ウクライナ軍を押し返している。ウクライナ軍は貴重な戦闘車両を失い、多数の死傷者がでていると報告されている。徴兵した戦闘未経験の兵士をクルスクで実戦訓練しているとする情報もある。
クルスクへの軍事侵攻を許したことはロシア政府の失態だが、結果としてウクライナはトラップにかかった形になっている。今回の軍事作戦についてドイツのオラフ・ショルツ首相はウクライナが秘密裏に実行したと主張しているが、状況から考え、NATO諸国と連携、その中心にイギリスの支配層がいる可能性が高い。
ロシア政府の失敗はシティやウォール街、つまり米英金融資本が約束を守ると信じていたことにある。米英政府との合意に大した意味がないのだが、クルスクの件でロシア政府内にまだ米英を信じている人たちがいたことが判明した。ロシア政府は話し合いによる解決を断念しただろう。
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