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mrtk@jp @ 素晴らしい建物でしたね。 コンドル展も観てきましたが、本当、昔の…
mrtk@jp @ お久しぶりです&あけましておめでとうございます この展覧会、私も行ってきましたよ♪ 本当…
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カテゴリ: 美術
IMGP2233.JPG

「ラグジュアリー:ファッションの欲望」 展です。

この不景気に、何がラグジュアリーじゃ!と思ってしまう方も多いかと思います。

私も会場に入る前には、そう思っていました。

でも、見終わると「なるほどなあ」と思わせるような展覧会でしたね。派手さはあまりありませんが、なかなか考えさせられる展覧会でした。つまり、ラグジュアリーという観念を、服を通じて考えてみよう、という試みで非常に面白い。

 まず、最初のセクションではヨーロッパの貴族社会で使われたようなドレス類が展示されております。どれも、レースのように人の手がふんだんに掛かっていたり、金糸など豪華な素材を使った、イメージ通りの「ラグジュアリー」なのですが、今の基準から見てみますと、それほどでもないな、と思わせられました。

 といいますのも、現在のほうが機械や素材も進んでいるので、品質が向上している上に安いわけです。100年以上前の衣装なので、もちろん白い部分が色あせていたりしますので、往時はもっと綺羅びやかだったと思うのです。

 でも、例えば玉虫の羽を散りばめたドレスは、ちょっとなあ・・・。現代であれば、もっと安くて綺麗な素材が沢山あるので、その当時には貴重であっただろう「光沢」や光の反射は普通なんですよね・・・。

その後のセクションでは、シャネルなどがデザインした20世紀のドレス。時代の移り変わりが見えて、しかも「何がラグジュアリーか」ということが時代によって変化しているのがよくわかります。素材や手間で競う時代から、クリエイティビティや縫製(つまりドレス自体のシェイプの完成度)に移ってくるのですね。



 次のセクションでは、もう「クリエイティビティ」が全面に出ているわけです。例えば、ビール瓶の王冠や、トランプなどを継ぎ合わせたジャケットが展示されております。メゾン・マルタン・マルジェラの作品ですが、もうこれは服じゃないですよね。

 洗濯できないし、寒そうだし。

 これは、ほぼ純粋にアートだと思われますし、しいて言えば「今までにないものを素材にしてみる新しさ」「安い素材でもクリエイティビティで料理した斬新さ」「話のネタになるようなインパクト」でしょうか。


 でも、こうして見てみると「人は、どんなことに付加価値を感じるのか」ということをファッションを通じて考えさせる、とても面白い展覧会でしたね。モノが売れない現代の経済状況で、日本の誇る高品質な工業製品も売れにくくなっておりますが、人間が何を付加価値と感じ、ファッションに何を込めてきたのかを俯瞰できるこの展覧会は、かなり刺激になると思います。

また、地下階にはコム・デ・ギャルソンの今までの服が妹島和世さんの会場デザインで展示されています。こちらも、ぜひ。







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Last updated  2010.01.02 17:44:38
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