紺洲堂の文化的生活

紺洲堂の文化的生活

PR

Profile

紺洲堂主人

紺洲堂主人

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Favorite Blog

本とともに〜『砂男… mrtk@jpさん

永井版画教室・銅版… まさつ5180さん
30代独身OLのもっと… きれいになってやる!さん
オカマイ日記 オカマイさん

Comments

紺洲堂主人 @ Re:素晴らしい建物でしたね。(01/09) mrtk@jpさん 日本の景観って、スクラップ…
mrtk@jp @ 素晴らしい建物でしたね。 コンドル展も観てきましたが、本当、昔の…
mrtk@jp @ お久しぶりです&あけましておめでとうございます この展覧会、私も行ってきましたよ♪ 本当…
masashi25 @ コメント失礼します☆ ブログ覗かせてもらいましたm(__)m もし…

Archives

2025.11
2025.10
2025.09
2025.08
2025.07
2011.07.11
XML
カテゴリ: 美術
IMGP3267.JPG

無人島プロダクション で開かれておりました、Chim↑Pomの展覧会 「REAL TIMES」 に行ってきました。

今回は、彼らが福島第一原発の事故をうけて行った、渋谷駅に展示してある岡本太郎作「明日の神話」に爆発する福島原発の絵を「ちょい足し」してきた作品をメインに行われた個展です。(そう言えば、 7月4日に書類送検されたそうです

この「ちょい足しアート」の第一報のニュースを聞いたときに、やるなあと思ったのですが、実際に個展を見たことで、ますます「やるなあ」という感感想が強くなりました。

渋谷駅の「明日の神話」は、すっかり馴染んでしまって、原発が爆発するような時代であっても見ている人にナイフを突きつけるようなアバンギャルドが薄れていると思うんです。

それは、岡本太郎の作品自体の問題というよりも、受け止めている私たちの方が鈍くなってしまっていることが原因だと思うのです。

つまり、受け手である私たちが「明日の神話」にも「原発事故の状況」にも「慣れてしまっている、もしくは正面からうけとめられないでいる」ことを、彼らのちょい足しアートが、まざまざと浮かび上がらせたと思っています。





ですが、冷戦も遠のき、私たちの感覚としては、こうした末世的な世界についてのリアリティが薄れてきました。

いわば、作品は漂白され、作者である岡本太郎は「国民的な作家」という見方をされて、ちっとも顰蹙を買うような、爆弾をぶつけるような勢いがない。ぶつけられたほうが、逆に有難がられるような雰囲気も感じます。


Chim↑Pomの作品は、そうした状況を含めて、いっきに「明日の神話」を現代の状況までアップデートさせ、現在を生きる私たちに突きつけた「ちょい足しアート」なのであって、売名のために絵を足しただけであると捉えたり、ましてや軽犯罪法みたいな微罪で書類送検されたからダメという話でもないな、と思ったのです(ま、彼らはねらっていたと思いますけど)。

IMGP3281.JPG

「この作品を、岡本太郎が見たら~」というのは、思考実験としては面白いと思いますが、じゃあ、実際に岡本太郎や敏子さんがご存命で否定的な意見を言っていたら、どうするんだよ、と。ダメって言ったら、「ダメ派」に転向するのかと。


私は、正直に言って、これほどリアルタイムに時代にコミットしているアートはないと思います。もし、岡本太郎が否定したとしても、積極的に肯定したい。そして、彼らのように体を張って、この状況に立ち向かっているか自問させられました。

体を張って原発事故に立ち向かい、だんだん目を背け始めた世間に対して挑戦しているアートとして、「明日の神話」をアップデートさせた、素晴らしい作品だです。この作品を「リアルタイム」で見られたことは、何事にも代えがたい体験でした。



【送料無料】岡本太郎「明日の神話」修復960日間の記録





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011.07.15 01:16:05
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: