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2007.02.07
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それは1月最初のこと。
まだ時差とつわりがひどかった時、
朝6時おきをして一番にはじまる家族セラピーのクラスに、
15分ほど遅刻してしまったことがありました。

初めての先生。
以前別のイベントでお見かけ&お話をした
ことはあったけれど、この人の授業は始めて。

遅れてしまった私に先生は資料をくださいました。
一年の予定表や授業の方針が書いてあるシラバス。



そして大きな講義でないのと、休むときには事前に
連絡が欲しいという先生らしいことが
先生の連絡先とともに、そこにもかかれてあります。

とても言葉遣いに気を配った、
プリントも見やすく整理された、
教えるのがすばらしく上手な先生。

なにしろ、女性や違う文化の人に対する意識を
高めることに力を入れている、私が尊敬したくなる
ような人だという印象を最初から得ました。

そして、休み時間。
まず、遅刻してきたことについて、


皆が廊下に出たとき、先生に歩み寄ります。
先生は、すぐさまその話について、
事情があって遅れてしまう人と、
毎週遅れて授業に敬意を払わない人と居ること
についておっしゃいました。



そして、この4月に日本に帰って日本で出産することを
考えている私は、各授業の先生にそのことも
相談に乗っていただくことが必須です。

私が、「今妊娠しているのですが。」と話した途端、
先生は顔の表情を変えられました。

「それなら、特別。」と
私が何も言う前からおっしゃる先生。

妊娠して吐き気などでなかなか朝家をでることが
出来ないことがあるのであれば、
連絡せずとも来れる時間に来ればよい、と
おっしゃるではありませんか。

妊娠について告げた理由が別のところにあったので、
少々戸惑っていたら、
「体を一番大切にするのがよい」と先生は続けます。

私が4月の予定についてどう思われるか
先生に伺ってみたところ、
先生はさっそくシラバスを開きながら、
何回欠席をすることになるかを確認した後、
「最後の2回だったらなんとでもなる」し、
それ以上休みが必要であっても、
途中で補ってくださるとのことでした。

家族セラピーの専門家のこの先生にとって、
私が家族の傍でお産をすることは、
とても自然なことどころか、
他の家族にとってもとても意味のあることであると
思ってくださったそうです。

そしてその後。
先生は、さりげなくおっしゃいました。
「自分の子供は大切にすると良い。
私は18歳の息子を亡くしたから。」と
おっしゃった途端、涙ぐみ始めました。

そしてイキナリ教室を走り去る。

気になった私ですが、
先生を追いかけることを敢えてせず、
けれどどうしてよいかわからずに
そこにとどまっていました。

しばらくして、やっぱりどうなったか気になる私は
トイレに行ってみました。
そうしたら、そこで別の生徒と先生は話しておられる。
その生徒との会話が済んだところを見計らって、
「お話してくださってありがとうございます。
大丈夫ですか? 」と聞きました。

そうしたら、「大丈夫。皆のサポートがあるから。」
とおっしゃる。

私が何も言わずに頷いていると、
「11ヶ月前のことなんだけれど。」
とおっしゃいました。

そんな最近...。

何も言えずに黙って聞いているしかありませんでした。
先生は涙を拭きながらクラスルームに入り、
授業をなさいました。

来月、くらいかな。一周忌。
でも一周忌なんてやらないのかな。

でも、家族を亡くした人にとって、
何の宗教であったとしても、
一年後の同じ日というのは大事な時期であるはず。

カードをおくろうかな。でも何日頃だろう?

***

その後、何回かの授業は、そのことを
わざわざ聞き出すのも申し訳ないので、
なんとなく授業に集中して過ごしました。

廊下でお会いしても、なんとなく挨拶する程度。

そして、3回目くらいの授業の時だったでしょうか。

個人個人のステータスが時期によってどのように変るか、
というダイアグラムを書く、という授業をしている
ときでした。

先生はご自分を例に、ご自分が結婚される前、
結婚したあと、子供が生まれた後、
子供が死んだ後、
という感じで、4つのダイアグラム書いたプリントを
配られました。

なんともオープンにご自分のお子さんの死を
授業の中で話してくださっている。

そのプリントには、亡くなった月と年が書いてあります。

あ、やっぱり去年の2月だったんだ。
そのとき「9日」と先生が授業で言ったような気がしたので、
私は早速それを自分のカレンダーに書き残します。

「そうだ。皆に公表したのであるから、
 みんなからカードを贈ろう。そうしよう。」

そして。
カード探しが始まります。

(つづく)





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最終更新日  2007.02.26 19:27:35
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