日舞と茶道と着物の蔵

日舞と茶道と着物の蔵

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2006年01月20日
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カテゴリ: 着物
前のブログで、洋服は処分できても着物は駄目、ということを書きました。皆さん、そうみたいですね。

ちょうど、宮部みゆきの「天狗風」を読み終えました。おちゃっぴいな霊厳少女、お初ちゃんの捕物シリーズです。今回は、ちょっぴち大人になって奇麗になったお初ちゃん。相方の若い武士、右京之介クンも、成長して少し世慣れてきたみたいですね。私、この、数学者めざしているウブで誠実な右京之介クンのファンなのですが、今回は、少し活躍の場が少なかったですね。

読んだことのない方のために、ネタばれは避けたいと思いますが、女性の怨念がこもった怖~い着物がでてきます。怖い着物は、宮部みゆきの短篇にもでてきましたよね。

それと、いわいる純文学に入るそうですが、芝木好子の短篇に「京の小袖」というのがあります。京都の旧家に嫁いだ友人(といっても、恋のライバル)が、若死にするのですが、そのお宅には、代々、宮仕えした祖先の女性が拝領した打掛けや小袖が納められている蔵がありますが、その着物達に籠る女の怨念や着物への執着心のお化けにとりころされたようなものだっというような話でした。その他にも、別に怖い話でなくとも、女性の着物への強い思い入れのストーリーは、たくさんあるでしょう。

昔の女性にとって、着物は、ただ短に着るものではなく、親から財産分けとして嫁入りに持たされた大事な財産だったそうですね。「三界に家なし」と言われた女にとって、着物は、何かのときに唯一頼れるもの。着る、着ないにかかわらず、夫や婚家も勝手に手を触れることのできない、大事な持ち者。インド系の友人に聞くと、彼女らにとっては、宝石がそうなのだとか。なるほど、昔の女性の着物に体する思い入れって、ほんとに強かったのでしょう。親にもらった着物は、自分だけへの財産分与だし、宮仕えで拝領した着物は、家宝になる。

うーん。でもそれって、やっぱり単に着物の換金価値だけではないでしょうね。今のように、古い着物は二足三文でしか売れない時代になっても、私達は着物に執着してしまうんですものね。着物の不思議な魅力って、なんでしょうね。日本の女の血といってしまえば、もともこもないかしら。

天狗風





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最終更新日  2006年01月21日 00時50分50秒
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