出がらし紋次郎の出がらし日記

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トレーサビリティー制度が出来た訳

5月15日、静岡から購入した牛の購入日を偽って個体識別耳標番号を報告し、近江牛として売ろうとした滋賀県の畜産関係者が逮捕されたってニュースがありましたね。こういう事が起こると「トレーサビリティー制度があっても信用できない。」と思われる人もいるでしょう。
 しかし、よく考えて見てください。この制度がなければこの牛は「近江牛」として市場に出回った訳です。個体識別番号は子牛の出生時、販売、購入、死亡、食肉市場への出荷など、 牛が移動したら売った側、買った側、双方とも報告しなければなりません。 この報告をしなかったり、報告に矛盾があった場合(例:売った日より買った日の方が早い)、食肉処理されても市場に出回らないようになっています。今回、ニセ「近江牛」が市場に出回る前に摘発できたことは、このトレーサビリティーの力と言っていいと思います。
 では、なぜ日本でトレーサビリティーが導入されたのか?「BSEが発生したから」と思うでしょ?実は違うんですよ。この制度はオランダのホルスタインの登録制度がモデルになっています。
 オランダでは10年以上前からホルスタインの登録制度で耳標装着と番号報告を行っていて、牛の種付け・お産・移動の記録を集中管理しています。その後ヨーロッパでBSEが大発生したことで、この耳標を使ったトレーサビリティーがヨーロッパ各国で始まりました。
 日本ではBSE発生の前年、2000年に牛で口蹄疫という伝染病が発生しました。これを契機に全ての牛に耳標を装着、報告し一括管理することにしました。そうすることで伝染病が発生したときに、その牛や発生農家から販売された牛の所在や移動歴の確認を容易にし、伝染病の拡大を最小限に抑える事ができます。こうして整備されたのがトレーサビリティー制度です。
 この制度は2004年から始まる予定でしたが、BSE発生を受けて前倒しで実施されました。ですからBSEが発生してなくても今は全ての牛に耳標がついていたんですね。>


 ところで、口蹄疫と言う伝染病は拡大すると日本の畜産は壊滅すると言われています。でもなぜろくに報道されないのでしょう?それは人に感染しないからです。サッカーW杯の時の韓国は口蹄疫大発生中だったんですよ。


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