そゆぶろ

そゆぶろ

2024.11.22
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カテゴリ: オーディオ
初代hip-dacからの置き換えとして、現行のhip-dac3を購入したのでレビューしてみます。
初代と2、そしてこの3もシンプルなポータブルUSB-DAC/ampの第3作として登場しました。初代hip-dacは鮮烈な青と黄銅色が映えるデザインで、私にとって初めてのiFi製品でした。





 外観

hip-dac3はチタニウムカラーと銘打った、初代と2から比べて落ち着いたカラーリングです。大きな変化点は2つあり、データ入力用のUSBに一般的なUSB-Cを採用したことと、アッテネーターであるiEMatchをhip-dacシリーズとして初搭載した点です。初代を購入した時に気になったギャングエラーと音量の大きさに対して、ようやく制御できるスイッチが内蔵されました。








iEMatchは出力を上げるPOWER MATCHとは正反対の効果があるので、iEMatchを使いながらPOWER MATCHも使うというのは、アンプに対して余計な負荷がかかりそうです。



データ入力用のUSB-AはType Cになり、ケーブルの選択肢が増えることでしょう。充電専用のUSB-Cポートもあるので紛らわしくなったことは否めませんが、初代と2に合うUSB-Aはあまり選択肢がないので、データ用もUSB-Cになったのは嬉しい変更点です。





 仕様(抜粋)

対応フォーマット:PCM384kHz DSD256 MQAフルデコ―ド
ヘッドホン出力   :400mW(Bal) 280mW(UnBal) @32Ω
アッテネーター   :iEMatch (4.4/3.5/OFF)
ゲイン切替         :POWER MATCH (High/Low)
エフェクト         :XBass(ON/OFF)
入力(データ)      :USB-Type C
入力(充電)         :USB-Type C
付属ケーブル      :USB-C to C / C to A / C to Lightning

 音質(個人の感想です)

音の傾向は、所有している初代の特長を概ね踏襲している印象です。
hip-dac2は持っていないのですが、初代と3に共通すると感じるのは、解像感ある高音・中音域と、太く立ち上がる低音域の組み合わせです。音域によって違うこの鳴り方は、例えるならDD+BAのハイブリッドイヤホンのような印象がありますが、ほどほどのメリハリというかドンシャリ感があると好意的に評してもよさそうな鳴り方です。ノリや高揚感よりも高音質を重視する場合、hip-dacシリーズに共通する特徴として、ここは好みが分かれるポイントかもしれません。

音場感はコンパクトなほうで、特に前方遠くまでは抜けていかない感覚を覚えますが、これも初代と共通する感想です。
開放型ヘッドホンで聴いてみても音場のコンパクトさは感じるので、アンプ依存だろうと思います。 低域が太めなので、もともと低域が強い密閉型ヘッドホンやイヤホンよりも、鳴り方のあっさりした中高域メインのヘッドホン・イヤホンを組み合わせて、必要ならXBassで低音を補うと良さそうです。低域がタイトになりやすいBAイヤホンや、低音の量感が少なくなりがちな開放型ヘッドホンでは使う機会が多いかもしれません。

初代と比べて、hip-dac3では高音域のギラギラした印象や中音域にかかる低音の量感が幾分か抑えられ、ほんの少しだけ洗練されたと感じます。特に低音は太くふわっと膨らむような鳴り方が中低域を覆うこともあったのですが、分離感も上がったのか見通しが良くなりました。全体的な傾向は上で書いたように変わらないものの、フィルムコンデンサやGMT回路の改良がされているそうなので、その効果でしょうか。

hip-dac3はシリーズに共通する特徴を持ちつつ、改善された点もあり単なるカラーリング変更でないことに安心しました。音域を跨いだ音色の統一感でいえばnano iDSD BLやZEN DACの方が優れていますが、どちらも落ち着いて聴ける環境に合っていると思うので、ポータブル用途にはhip-dac3の方が音楽に集中できそうです。

iFiのポータブルにはGO bluやGO barもありますが、GO bluは超小型でワイヤレスということもあってhip-dac3よりも低音の力強さや実在感が薄く感じますし、GO barは高価格で音像が太くパワフルですが、デバイス側のバッテリーを消耗するなどそれぞれにデメリットもあります。上位のxDSD Gryphonはこれらを統合・高品質化したようなDAC/ampなのでかなり高価になり、サイズも大型化します。予算と用途に沿うものから選ぶとなるとGO bluやhip-dac3から試してみるか・・・となる人も多かろうと思いますが、携帯性ならGO blu、音質重視ならhip-dac3が良いと思います。







その他

電源スイッチを兼ねるボリュームは初代ではカチッという感触と音とともに電源のON/OFFが切り替わりましたが、hip-dac3では緩い起伏を越えるような感触とともに電源が入るようになりました。加えてギャングエラーは初代よりも格段に抑えられていますし、ボリュームノブの回転範囲(始点と終点)も少し変わったようです。電源ON/OFFのタイミングや回転範囲の端に当たる感触など、全体的に角が取れたものになり上質さが増したと思います。両脇にある、音源のレートによって色が変わるLEDは健在ですね。


左から順に、電源OFF、ON、音量Maxです


ポータブル向けのGO bluやGO barと比べるとエフェクトやデジタルフィルターといった多機能さでは劣るものの、滑らかなボリュームノブの操作感は洗練された印象を受けますし、ボタンスイッチ(POWER MATCHとXBass)にしろスライドスイッチ(iEMacth)にしろ、長押しや同時押しで有効になる隠し機能は私が試した限りでは存在しないようなので、不慣れな人にも薦めやすいと思えます。

付属品の中には初代と同じくゴム脚が4つ含まれていて、iFiロゴがエンボスされた凝ったデザインです。しかしhip-dac3にはiEMatchスイッチが底面の端にあり、ゴム脚を貼り付けるのにちょうどいい場所です。iEMatchが不意に動いてしまっても困るので、ゴム脚を貼るのは有効な対策ですが、4つ目をどこに貼るか、ちょっと迷います。



付属するケーブルは3種類ありますが、iFiのホームページを見るとLightningケーブルが付属しないかのような写真があります。意図は分かりませんが、仕向地によっては付属品が異なるか、将来的に付属しなくなるのでしょうか。

ファームウェアは7.4がインストールされていました。公式ページには7.6が公開されていたので、とりあえずこの最新版を自分でインストールしました。他にもMQAを無効化した7.6b、デジタルフィルターをGTOというものに替える7.6cがあり、自分で選ぶことができます。













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Last updated  2024.11.23 20:55:17
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