そゆぶろ

そゆぶろ

2023.08.12
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カテゴリ: オーディオ
iFi AudioのGO bluを購入したのでレビューしてみます。
発売は2021年秋の製品なので新製品でもないのですが、今になって急に欲しくなってしまいました。



簡単に紹介すると、GO bluはBluetoothレシーバー。スマホやタブレットとはBluetoothで接続して、有線イヤホン/ヘッドホンをGO bluに挿して使うというスタイルです。フルワイヤレスイヤホンとポータブルDAC/Ampの中間的ポジションでしょうか。

同社の新たなポータブルシリーズであるGOシリーズは、このGO bluを皮切りにGO bar、GO link、GO podが順次リリースされてきました。これでBluetoothレシーバ―、スティック型DAC/Ampドングル、フルワイヤレス型Bluetoothレシーバーを網羅するシリーズに成長し、もとより製品の多かったiFi製品群の一分野となっています。



そんな中でGO bluはずいぶんとデザインに凝ったというか、他のiFi製品とはデザインコンセプトが違う製品のように見えます


 外観





ラバーコーティングのようなマットな筐体にヘアライン仕上げのプレートが貼り付けられた、アンティーク調のデザインになっています。いろいろな小物と比較されますが、某有名オイルライターよりも一回り小さいくらいですね。




ボリュームノブは公式もそのこだわりをセールスポイントの一つにしていて、回転操作によるボリューム調整とボタンによる再生/停止、曲送り/戻しを兼ねています。他にも2つボタンがあり、電源ON/OFFやエフェクト切替を担います。



USB-Cポートの隣にはハードウェアリセットスイッチの他に音声認識/通話用マイクもあります。側面に見える丸いボタンは電源ボタン。


ちょっとなぁ…と思うのは、背面にいくつも貼られたステッカー。法律に合わせて流通させる以上仕方ないとはいえ、これはデザインを損ねてしまっていると思います。



 仕様(抜粋)

入力(Bluetooth) :SBC  AAC  aptX
aptX HD , aptX LowLatancy , aptX Adaptive
                             LDAC  HWA/LHDC
入力(USB-C)      :PCM(24bit/96kHz max)
出力                     :3.5mm SE(S-Balanced), 4.4mm Balance
バッテリー            :450mAh(8時間 max)
エフェクト            :XBass  XSpace
デジタルフィルター:MIN  STD

付属品                  :収納ポーチ  USB-A to Cケーブル  マニュアルなど


 音質(個人の感想です)

ポータブル用途なので、前提としてiPhoneユーザーの私はAAC(16bit/44.1kHz)で接続した状態で聴くことが多いです。


iPhoneの画面。Bluetooth接続のアイコンですね。

鳴らしにくいイヤホンでもボリューム50~60%くらいで音量がとれるので、そこそこ高出力という印象ですが、バッテリー内蔵のポータブルアンプなどと比べれば低いとは思います。それゆえか、相対的に低音域の存在感・キレともに控えめで、中高域が前面に出てくるような鳴り方です。3.5mm SEであっても高感度なイヤホンなどではホワイトノイズを感じやすくなりますから、高感度イヤホンなどを4.4mm Balanceにリケーブルしていると結構気になってしまうかもしれません。

エフェクトのうち、XBassは常時ONでもいいと思えました。低域が増強されますから、アンプの弱点を補っている印象です。XSpaceはイヤホンや曲との相性がありそうで、ONにしただけでホワイトノイズの増加を感じる場合も。しかし音場がやや前方に拡大される機能ですから、ホワイトノイズが気にならないイヤホンやヘッドホンではメリットの方が勝るでしょうか。

デジタルフィルターは初期状態でMIN(Minimum Phase)が設定されています。個人的にはiFi機器のデジタルフィルターの中ではSTDやBit Perfectが好きなのですが、GO bluに限ってはMINの音が好みに近いというか、GO bluのアンプに合っていると思いました。

電源を入れた状態でスマホやタブレットにOTGケーブルで繋ぐとUSB-DAC/Ampとして動作し、この場合はPCM24bit/96kHzまで対応します。DSDには対応していません。

※写真のOTGケーブルは別売りの他社製です。

1台でBluetooth/有線が切り替えられるので、それぞれの音質をチェックしてみるのも面白いですね。音質的にはそこそこですが、ここまで軽量で有線・無線両方で使えるとなかなか便利です。


 その他

●操作感
ボリュームダイヤルの回転操作は無段階ではなく、およそ12段階のノッチがあるタイプです(時計の文字盤をイメージしてもらえると分かりやすいと思います)。ギャングエラーはありません。

無段階に滑らかに回転する方が上質ですが、操作しない時はポケットに入れたりといったシーンも想定されますし、意図せず大音量になったりしないようにということでしょう。ダイヤル中央のボタンもやや硬めの押し心地です。カチカチとノッチを刻みながら回すタイプですが、ボリュームの分解能は結構細かく設定されていて、音量をちょうど良く合わせることに難しさはありませんでした。


●ファームウェア(更新には別アプリが必要です)

Gaia Client Appの画面。LE-GO bluというデバイス名で接続されます。

ファームウェアはGaia Clientというスマホアプリを使い、別途ダウンロード・解凍済みのbinファイルを選択する、というもの。

レビューを書いている時点での最新バージョンはv3.17で、Gaia Client app上でBluetoothコーデックのON/OFF、デバイスネームの変更などができます(GO bluの再起動が必要になります)。

以前のバージョンはv3.09で、私は誤って3.17→3.09というダウングレードをしてしまい、一時この機能がなくなってしまったのですが、最近になってv3.17がダウンロードできるようになったので改めてv3.17をインストールしました。
(ありがとう iFi Audio!)


これも接続後のGaia Client Appから。任意のコーデックを封印できます。


●接続コーデック
上記の機能を使ってAACを無効にすると、iOS機器にはSBCで接続され、自分のWindowsPCではaptX(16bit/44.1kHz)で接続されました。というか、こうでもしないとaptXで接続してくれません。
意外だったのは、WindowsPCにAACで接続すると16bit/48kHzになったことです。iOS機器(AAC 16bit/44.1kHz)より少しだけサンプリング周波数が高いですね。

話が逸れますが、オーディオで見かけるサンプリング周波数にはこの44.1kHzの整数倍と、48kHzの整数倍の周波数(96kHzはこの2倍、192kHzは4倍ですね)
があります が、44.1kHzはCD規格策定時に採用されたもので、DVDなど動画系の音声データで採用が多い周波数は48kHzという印象です。
DSD128がDSD5.6と表記されたりするのは、44.1kHzの128倍=5.6448MHzだからという背景のようです(DSD音源で48kHz系の整数倍はあまり見かけません)。

電源ボタンを2回押すと、接続中のコーデックとサンプリング周波数(kHz)を読み上げてくれます。bit深度(bit)とビットレート(kbps)は読み上げてくれませんが、特にaptX Adaptiveでは信号強度の変化に応じて動的に増減していると思われます。
ちなみにGO bluが対応するaptX HDおよびAdaptiveは24bit/48kHz上限のようです。


●デジタルフィルター
電源ボタンを3回押すと、デジタルフィルターの選択モードに入ります。MIN(Minmum Phase)が初期選択されていて、LEDは紫に点灯します。エフェクト切替ボタンを押す毎にSTD(Standard  LED:緑)と切り替えることができるので好みに応じて選べます。モードを抜けるには再び電源ボタンを3回押します。


●USB-DAC/Ampとして
iPhoneとの有線接続の場合、iPhoneのバッテリーが少ないと最初の認識がうまくいかないのか、接続が確立されませんでした(iPhoneに一瞬だけGO bluの文字が表示される現象を繰り返しました)。

iPhoneの画面。有線接続されていればBluetoothアイコンはなし。

iOS機器で要求電力の高いデバイスを接続した際に表示されるメッセージは表示されなかったので、バスパワー駆動ではないとしても、接続時点では双方がそこそこ充電されている状態でないと認識してくれないようです。


●外装
ポータブル用ということで、特にケース収納もせずに半年ほど使ってみると、加水分解の進行はまだ感じませんが、ところどころラバーコーティングが剝がれてきました。床に落としたこともありますし、ポケットに入れてこびり付いた糸くずを擦り取ったりしているので、やはり摩擦はこの外装には良くないようですね。








コンパクトながら対応コーデックが豊富で、有線でDAC/Ampとして使えたりと守備範囲の広い設計になっているGO bluは、手持ちの有線イヤホンをそのままワイヤレス化することができる便利なデバイスです。音質は上位モデルには届かないものの(筐体が小さい=基板面積が小さいので仕方ありません)、デザインと利便性はなかなかだと思います。








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Last updated  2024.05.11 13:47:21
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