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2007年07月07日
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テーマ: お勧めの本(7901)
カテゴリ: 読書感想


羅馬硝子

醤油



キツネ

宗教

革命

響くエザン

眠れぬ一夜

漆喰の壁

黒曜石の瞳



異国の地にて想うこと。

異国の地だからこそ想うこと。

そして、

帰国した地にて胸に過ぎること。



時は1899年。
トルコの首都スタンブールに留学中の村田君は、毎日下宿の仲間と議論したり、拾った鸚鵡に翻弄されたり、神様同士の喧嘩に巻き込まれたり…それは、かけがえのない時間だった。
だがある日、村田君に突然の帰還命令が。そして緊迫する政情と続いて起きた第一次世界大戦に友たちの運命は引き裂かれてゆく…
爽やかな笑いと真摯な祈りに満ちた、永遠の名作青春文学。




『私は人間である。およそ人間に関わることで私に無縁なことは一つもない』

私は永くこの言葉を忘れない。



留学生の村田は 「家守綺譚」 の主人公、綿貫の友人でした。

オットーの豪放さ。ディミトリスの繊細さ。ディクソン夫人の敬虔さ。
そして、ムハンマドのつくるスープの匂い。
賑々しい鸚鵡の声。

読み終わった後に残るのは、静かな焦燥感とセピア色の憧憬。
ときに痛く、ときに染み入る。
あらゆるものに何かが宿る。
異国で。
郷里で。
世界中のどこかで。
ありとあらゆるところで。


濃密でありながら無色透明な筆致に酔いしれる。

最後の一言に想いが弾ける。

ああ、そうか。これが青春小説なんだ。


何かに囚われて、ふと立ち止まってしまった時に是非どうぞ。


おまえはここにいてもいいのだと。


一読の価値はきっとある。



感想を読ませていただいたサイト様
"やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!! コンパス・ローズ おもひでブルージー
読書からはじまれ 香桑の読書室 老水亭 本のある生活 夕螺の読書ブログ 蓮に鷺
蒼のほとりで書に溺れ。 おいしい本箱Diary 本を読む女。改訂版 白ブタさん
苗坊の読書日記 ☆GREEN HEART☆ Lake Moraine ~Book Review



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最終更新日  2009年05月07日 21時45分45秒
コメント(10) | コメントを書く


■コメント

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TBありがとうございました。  
Oimizu さん
梨木さんの丁寧な描写が印象的でした。
読んでいる最中、自分自身もディクソン夫人の下宿の住人になったかのようで、最後の別れがとても辛く思えました。
(2007年07月07日 14時40分18秒)

トラックバックありがとうございます。  
夕螺 さん
最後は涙が出てきました。
どういう涙かといえば。。。。
ううう、、、ん、やるせなさかな? (2007年07月07日 20時11分32秒)

http://mina-r.at.webry.info/  
水無月・R さん
かずはさん、こんばんは(^^)。
『家守奇譚』の脂気の抜けた綿貫さんのご友人、村田さんのお話、よかったですねぇ。
梨木さんの文章は、流れるような美しさと、印象的な言葉遣い、雰囲気がとても素敵ですね。

「おまえはここにいていいのだ」
そうですね。いいのですね。かずはさん、いいコト書いてくださる。ありがとう! (2007年07月07日 22時12分29秒)

こんばんわ^^  
苗坊 さん
文庫の装丁きれいですよね。
私は単行で読んだので^^
素敵な話でしたよね。
異文化交流って言う部分もいいと思いましたけど、ラストがビックリでした。
切なかったですね。 (2007年07月07日 23時56分11秒)

Re:TBありがとうございました。(07/07)  
Oimizuさん、こんにちは♪

土の香りがする素敵な1冊でしたwww

>読んでいる最中、自分自身もディクソン夫人の下宿の住人になったかのようで、最後の別れがとても辛く思えました。

そうですね。最後、いつか別れはくると分かっていても、やっぱり切なくって仕方ありませんでした。

(2007年07月08日 15時51分12秒)

Re:トラックバックありがとうございます。(07/07)  
夕螺さん、こんにちは♪

私も、最後はうるっときました!
言葉では形容しがたい涙が。
普段読んでる本は賑々しいのが多いので、新鮮な気持ちになれました。
他の梨木さんの作品も読まなきゃ! (2007年07月08日 15時53分08秒)

Re:http://mina-r.at.webry.info/(07/07)  
水無月・Rさん、こんにちは♪

>『家守奇譚』の脂気の抜けた綿貫さんのご友人、村田さんのお話、よかったですねぇ。

「脂気の抜けた」って形容がぴったりで、思わず膝を打ってしまいました♪
うまいっ!☆(≧▽≦)☆!

>「おまえはここにいていいのだ」

これと似たような言葉が、確か作中にあったと思います。
どこだったかは、パラ見してもみつからなかったんですけど、心に残ったフレーズでした。

>流れるような美しさと、印象的な言葉遣い、雰囲気

ホントそうです。
本棚に、この本があると思うとなんだか心洗われるような気がする、そんな1冊でした♪

(2007年07月08日 15時56分45秒)

Re:こんばんわ^^(07/07)  
苗坊さん、こんにちは♪

本屋さんで、綺麗な装丁の本を見て思わず手に取ったら梨木さんだったので、これは買わなきゃいけない!とばかりに購入した1冊ですw

>異文化交流って言う部分もいいと思いましたけど、ラストがビックリでした。
>切なかったですね。

ラストはほんと切なかったです。まさかあんなラストが待ち受けていようとは。
久々に、読んでよかったと思える1冊でした。
(2007年07月08日 15時59分08秒)

TBありがとうございます  
ERI さん
文庫本の表紙を初めて見ました。
雰囲気のあるいい装丁ですね。 (2007年07月09日 01時41分09秒)

Re:「村田エフェンディ滞土録」 梨木香歩(07/07)  
Lake Moraine  さん
はじめまして& T/Bありがとうございました。
当初はたらたら読んでいたのですが、最後の章でおもいっきり感情がぶわ~とあふれてきた作品でした。「家守綺談」読まなければ。
他のblogも楽しく読ませて頂きました。リンク頂いていきます。 (2007年07月09日 12時32分27秒)

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