+詩+67


≠なまくらの剣≠


 錆付いていて

 相手を攻撃するなんて出来ない

 役立たずの使えない刃



 選ばれた者にしか使えないという剣と言われていて


 選ばれた者になりたくて

 使いこなせるようになりたくて

 自分の力を確信して

 毎日毎日振るっていたけど


 その内自分は


「選ばれななくても自分には力は充分ある」なんて


 自分の力を過信しすぎて


 刃を封じてしまった


 ずっとずっと奥底へ沈めてしまった


 でも実際は

 そんなに力なんてなくて


 守りたいものを満足に守れなくて


 大切なものを失った時、

 全てを失い

 絶望の淵へ立った時


 その痛み、己の無力さを知った時


 剣は目覚め


 刃は錆を弾き


 真の力を彼に授けた



 本当の強さってのは


 元々あるものじゃない

 負けた悔しさ

 失った辛さを知って


 初めてそれの扉への第一歩を踏み出すことが出来るのだ



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