まひるのサンタ!

ステレオ写真の撮り方・1

ステレオ写真 (3D・立体写真)


ステレオ写真の撮り方2 ステレオ写真の撮り方3 ステレオ写真の見かた “より目の写真館”



撮り方・1


はじめに


雑草 ■ステレオ写真 は、実はカメラの歴史と同じぐらい古いそうです。

戦後、日本でも一時流行し、レンズが左右2個装備された専用ステレオカメラやビュワーまで製造販売されていました。

しかし、残念ながら一部のマニアをのぞいて、一般的にはステレオというと「音響」というほどステレオ写真は忘れ去られ影を潜めた感があります。
映画やTV、また、パソコンなどの映像メディアの多様化の影響も大きかったのでしょう。

最近になって、やや復活の兆しが見え、CGによる3D関連の出版物まで登場しましたが、やはり一時的な流行の域を超えず、依然としてマニアックな趣味で終始し、広く一般への普及には及ばなかったようです。



■その理由としては、第一に、なんといっても「見る煩わしさ」かもしれません。

専用のビュワーがあっても、テレビ画面を見るのと違って“覗く”という行為自体、少々陰気な雰囲気があります。
それに、ビュワーでは35mmやせいぜいブローニーサイズ(6×6cm)といった小さな画面に限られ、迫力に乏しいということも致命的です。
大きな画像を見ることも技術的には可能でしたが、プリズムやミラーを使った 大袈裟なビュワーが必要だったのです。

new しかし「クロス法」という肉眼、裸眼での3D画像の鑑賞方法があります!

★本当は、誰でも練習すれば限りなく大きな立体画像で楽しめるのです。

残念ながら、ビュワーを使わないステレオ写真の裸眼視は、少々不自然な目の動きが必要なためか鑑賞を諦める人が多いのも事実です。
しかし、広がる空間の迫力、臭いや手触りまで伝わってきそうなリアリティー溢れる感動はなんとしても、一度は体験していただきたいと思います。

加えて、昨今のデジタルカメラの普及で写真の世界、カメラ業界に一大変革がおきました。
そして、DPEや、ポジフィルムのステレオマウント、保管その他さまざまな機材、ハードの取り扱いのたいへんな煩わしさから解放されました。
画像の編集もパソコンで思いのままです。
パソコンがあれば、プリントもビュワーも、プロジェクターやスクリーン、色眼鏡も不要です。
2個レンズのついたステレオカメラがなくてもステレオ写真は撮れるのです。

「とても簡単ですからデジカメでステレオ写真を撮ってみませんか!」


間違ったステレオ画像は眼を非常に疲労させ、ついには痛めることもありえますので注意が必要です。
日常でも「見えそうで見づらい」というのは音以上に、眼は敏感に神経に障るものです。

どうか、当サイト、3Dマニュアルをご活用いただき、正しいステレオ写真をお楽しみください。

1・まずは基本から!


■従来のフィルム式カメラでもデジタルカメラでも撮り方の基本は同じです。

図①のように同じカメラを2台並べて撮影します。

ht3d_1_1

■左右二台のカメラで撮影の場合は、装置全体がかさばりますが3D撮影ではベストです。

まっすぐな金属帯板や棒などに二台のカメラをしっかり取り付けます。この方法は特に本格的な動体立体写真撮影には不可欠です。
(要、2台同時シャッター)

難点はクローズアップ(極短ステレオベース)に不向き。
カメラ2台、底と底をくっつけてもまだステレオベースは長く、クローズアップでは、数ミリから1センチ等という場合もあるからです。


■レンズが左右2個装備されたステレオ専用カメラは、現在、時代物ビンテージ以外手に入りませんし、それらはかならずしも構造的に完全ではないのです。

ここでは、どこにでもあるカメラを使ってのステレオ写真撮影方法で説明しますが、フィルム式にせよデジカメにせよ、違いはありますが基本的には同じです。

先に述べましたようにデジカメは後処理など非常に楽ですが、現在の多くの製品では、一部機種を除いて、レリーズが使えなかったり速写性がない、など欠点はあります。
今後はさらに進歩し、スチルカメラに当然必要な速写性は改善されてゆくことでしょう。

■ 2台で左右同時に撮る方法は“左右の眼”ということで理解しやすいのですが、1台の場合は右と左を兼ねて順に2枚撮るだけのことです。

当然右のカメラが右眼写真用、左が左用です。
そして、露出も同じ条件で、出来るだけ2台同時にシャッターを切ります。飛ぶ鳥や波、走る車など動体には当然同時性が要求されるからです。

2台のカメラ用の二股レリーズが今買えるかどうか定かではありませんが、2本のレリーズでもけっこう同時に押せますし、ソレノイド(電磁石)を使って手作りも可能です。

■1台のカメラで撮る場合は右→左とカメラを移動させて一枚ずつ撮ります。
じつはこの方法がとても簡単なので、お勧めです。

しかも、みなさんのデジカメで可能ですので、すぐにでもお試しいただきたいと思います。カメラつきケータイでもOK!
2台式3D撮影は不経済ですし、おおげさですよね!

私は元機材屋で、贅沢にもハッセルブラッドのモータードライブ2台用の「精密ステレオカメラ雲台」を製作したことがありました。レンズにもよりますが1セット200万円近くにもなりました!

一台のカメラで左右撮影の場合も、正面から見て、当然基本通りカメラは平行に移動させて撮影しなければなりません。
建造物の窓枠や柵などの直線(水平)部分も利用できます。
手持ちの場合は出来るだけ平行に、迅速に移動させるためモータードライブの使用がもっとも良いようです。


■さて、図で太い矢印は1台の時の右→左と移動させる方向です。
×印のようにならないよう注意してください。

1台で移動させるので、時間差撮影となります。したがって静物に限りブレのない写真ができあがりますが、滝やさざ波など、ブレてもわからないものや、逆にブレが面白かったりという場合もあります。
海岸の波や飛ぶ鳥の翼など、シャッタースピードを適度に工夫してブレさせるのもかえって面白いものです。

手持ちでは、カメラを両手で構えひじはなるべく胸に密着固定し、腰を使って上体を左右に移動させるのが安定するようです。
従来のフィルム式カメラではモータードライブなどを使い、平行がずれないうちにすばやく撮ります。
もちろんその意味でもデジカメでは速射の出来るものがベストなわけです。

動物や風はじっとしてくれないので困りますが、人や犬?ならちょっと頼んで静止してもらえます。昔を懐かしんで数秒がまんして貰うのも一興かと思いますが‥‥‥


★デジカメで撮影の場合は、撮影後、画像ソフトでデジタル処理、傾き、フレーム、露出その他修正できるのでたいへん便利ですが限界はあるので、基本は守ったほうが良いようです。

基本的な左右2枚は必ず撮らなければなりませんが、さらに、ステレオベースを変えた数枚もついでに撮っておくのも一興です。平行移動しながら3~5度シャッターを押せばいいのです。
あとで、最もムリのない表現したい立体感のでている2枚を選べばよいのです。

■最終的には、出来上がった写真左右2枚を目の前に並べて、それぞれの眼で別個に見れば、頭脳が2枚を合成し立体視するのです。見かたでのお勧めは「クロス法」ですから、右写真は左に置いて右眼で、左写真は右に置いて左眼で見ます。PC画面でもそのよおうに配置してください。


★ステレオ写真のサンプルがご覧いただけます。
“こちら、より目の写真館”
に数枚アップしておりますのでお試しください。
(申し訳ありません。古い画像の多くが削除されているようです)



ステレオ写真の撮り方2





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