3 月 13 日のブログでマルセイユのユニテ・ダビタシオンの示唆するところというタイトルで、津波に備えるために、ル・コルビジェの試みについて紹介しました。そのくだりで、一つ、説明不足の気がしたので、補足しておきます。
震災直後の映像や画像を見るにつけ、鉄筋のビルはあの大津波にも耐えて存在していたことから、そこに住んでいた人たちの土地を繋ぎ合わせて大きな敷地を確保して、まずは自分たちの住居をアパートの中にかまえ、そこに、公共機関や商業施設、必要ならば、住民のための娯楽施設や幼稚園などを組み合わせて大きな住宅施設を造る。そうすることで、かつてあった地縁的結びつきの強い共同体を再生することになるとともに、 15m の津波に流されない堅固な建造物そのものが津波の避難場所になる。何よりも、海と共にあった共同体をそのまま再構築できることは、大堤防を築き、町を高台に移設することよりも重要なことではないかと思う。