萌え出づるみどり覆わる尼の寺............祇王寺 | 京都ええとこ・ええもん

100万ポイント山分け！1日5回検索で1ポイントもらえる

000000

ホーム | 日記 | プロフィール

2014.06.01

萌え出づる　みどり覆わる　尼の寺............祇王寺

(181)

カテゴリ：京の見どころ

　祇王寺・・・真言宗大覚寺派　正式名称は　高松山・往生院祇王寺

　平安時代末期、法然上人の門弟・念仏房良鎮(ﾘｮｳﾁﾝ)により荒廃していた往生院が再興され、平家物語に記されている祇王・祇女(ｷﾞﾆｮ)の姉妹と母刀自(ﾄｼﾞ)が出家しここで仏門に入ったところから祇王寺と呼ばれることとなります

gioji-0-1

　↑茅葺でひっそりと建つ「山門」、祇王寺に建物らしいのはこの山門と本堂がみられるのみです
小倉山の直麓にあり、境内は竹林に囲まれ楓を始め木々に覆われ昼なおうす暗くひっそりとした佇まいの中にあります

gioji-0

　↑祇王寺、正面からは入れずひだりの参道より廻ります

　↑参道を登り切った所にある「脇門」入り口門です

　↑当寺・江戸時代の庵主・法専尼の筆とされています

　↑風情ある参道を登ります

　↑境内の細道、庭園を巡っています

　↑ここからは緑が庭いっぱいに拡がる「苔庭」です

　平家物語、「盛者必衰の理を表わす、驕れる人久しからず・・・」の表現通り全盛期から滅亡に至った平家一門の壮絶な軍記ドラマと理解されますが、同時に悲哀に満ちた生き様が数々伺える女性の物語です　（以下、祇王にかかる稚拙な小文です、お解りの方は苔庭の写真だけでスルーして下さい）

gioji-1-2

　平氏全盛の折近江国から母と共に京都に出て白拍子（ｼﾗﾋﾞｮｳｼ・歌い舞う芸女子）となった祇王と祇女の姉妹、あとから現われた仏(ﾎﾄｹ)御前を合せての悲哀はこの祇王寺を舞台にしています

gioji-3

　数年後、加賀国より出てきた白拍子・仏御前がその踊りを披露したく清盛の下を訪れるが門前払いとされる、見かねた祇王のとりなしで得意の今様を踊った仏御前の踊りは素晴らしいもので清盛は大層気に入り心を移す、加えて祇王を庇う仏御前のとりなしは逆に清盛の怒りを買い祇王は屋敷を追い出され死を決意する、しかし母と祇女の共に死すとの思いに自害は留まり
　　　　「萌え出づるも　枯るるも同じ　野辺の草
　　　　　　　　　　　　　　　いづれか秋に　あはではつべき」
と館の障子に書き残し、母子三人往生院に世を捨て髪を剃って尼となり仏門に入ります　　　　

gioji-5

　翌年念仏を唱える三人の前に祇王の運命を自分に重ね、世の無常を想い清盛のもとを飛び出て剃髪し尼となった仏御前が現れます、その後ひっそりと静まるここ嵯峨の草庵・往生院で四人同心余念なく、朝夕に花香を供える日を送ります

　↑苔庭にひっそり鎮まる土蜘蛛燈籠

　追って、四人念仏三昧で終われば往生めざす安息の日々と思いきや、翌年春仏御前は既にお腹に宿していた命を祇王らに告げられず身重の体で古里加賀へと旅立つ、無理が祟り白山麓で死産自らも育った村に受け入れられず刺殺されたと謂われます、最後まで悲哀がつき纏う結末がここ祇王寺に伝わっています

gioji-14-0