今年のノーベル平和賞にオバマ大統領。
「ほんと?何で?」 インタビューに対してこう答える人が数名いた。
私も同感だ。
演説しただけでもらえる賞ならば、鳩山首相も画期的な削減案で
地球温暖化阻止対策を打ち出したのだからもらってもいいと思う。
ノーベル医学賞には過去業績を間違えて評価、賞をもらった人が数名いる。
また昨年のリーマンブラザーズの破たんを引き起こした
金融工学という経済理論を発表した人も貰っている。
これらは明確にミスがわかる間違い。
(金融工学に関してはまだ歴史の評価を待たねばならないが)
一方、授賞理由が今だによくわからないのがノーベル平和賞。
批評家によってはこの賞はなくすべきだという人もいる。
どうもこの賞は本当に過去の業績を評価して与える場合と
世界的世論の圧力の引き金にする意図で与える場合があるようだ。
過去の業績に対してだれもが納得できる受賞者には
マザー・テレサ
国境なき医師団
アムネスティ・インターンナショナル
などがある。
普段はあまり知られないところで自分の一生をかけて
がんばった(ている)人たちだ。
彼らの業績には感服するばかりだ。もっと支援してもいい。
これに対して世論の引き金役としてノーベル賞を利用した受賞者は
アラブ紛争関連で、ベギン・イスラエル首相・サダト・エジプト大統領
さらにもう一度 ラビン・イスラエル首相、アラファト・パレスチナ代表
金大中・韓国大統領
アウン・サン・スー・チー ミャンマー民主化運動家
ダライ・ラマ
いまだによくわからないのが日本の佐藤栄作氏。
そして今回のオバマ大統領。
後者の受賞者はその後の経過を見ると平和に貢献していないきがする。
( アウン・サン・スー・チー女史は現在も奮闘中)
平和への熱意を示したことは認める。
結果論からすれば受賞に値しない。
ノーベル賞授与委員会が今後がんばってもらいたいと希望している
人を励ます目的でノーベル賞を授与しているのだろう。
だとすれば、ノーベル賞委員会はそのブランド名を政治的に
利用している(善意から)とうがった見方もできる。
ノルウエーは独特の外交姿勢を持っており
紛争国の仲裁役を積極的に行っている。
過去に仲裁が成功した例(アラブ紛争等)をいくつも持っている。
この流れをノーベル賞授与委員会も果たそうとしているのだろう。
オバマ大統領の受賞は今後核兵器全面撤廃に向けて
もっと頑張ってほしいという同委員会の願望なのだ。
過去の業績に対してではない。
ということはオバマ大統領は核兵器削減に向けて
世界中から期待されている、ということを身をもって感じざるを得ない。
広島・長崎の人の思いはなおさらだ。
任期が終わるころオバマ大統領に対して、また賞を裏切った人が
1人増えたということにならぬよう本当に真剣に取り組んでもらいたい。
PR