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その1の続きです。
まだ『父帰る』を語ってます(笑)。
無駄に熱いです。
暑苦しいです(爆)。
ご容赦を。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
賢一郎が最後に駆け出したとき、あぁ、やっと息子に戻れたんだなぁと思った。
家長として背負い続けていたものを、やっと、
一旦かもしれないけれど降ろせたんだなぁと。
かわいがられた記憶がないという賢一郎。
だから帰ってきてくれてもちっともうれしくないと。
けれどそれはまさに裏返しの心の叫び。
なんでかわいがってくれなかったんだよぉ!なんで愛してくれなかったんだよぉ!
なんで俺たちを捨てて出て行っちゃったんだよぉ!
そして。
どうしてもっともっと早く帰ってきてくれなかったんだよぉ!
そんな地団駄踏んでいるコドモが奥底に透けて見えた。
見えてよかった。
やっぱり父親を求めていてくれてよかった。
子供でいられなくなってしまった賢一郎が、
ようやく存分に叫べたのもきっと相手が父だったから。
他人相手だったら、あんなふうに赤裸々な自分はきっとみせないだろう。
きっと、あの父はその後子供に迎えられ帰宅したら、
最初だけは殊勝にしていてもすぐに威張り散らすんだろうなぁ。
そして、そんな父にあきれつつ、それでもみんなでいっしょに暮らすんだろうなぁ。
それまでいなかったことが嘘のように当たり前に。
賢一郎が父を罵倒するシーン。
罵倒しながらいっしょに飛ばした汗と涙と唾とよだれ。
その鬼気迫る形相はしかしそれでも端正なものだった。
激しい言葉のやりとりであってもだ。
凛としたものが常に感じられる青竹。
そんな賢一郎だった。
今になってふと思い出す。
『蒲田行進曲』
このときのヤスも汗と涙と唾とよだれにまみれていた。
どちらも血反吐を吐くような痛みを伴っていたが、
ヤスのそれは卑屈さも伴って更に痛いものだった。
折れそうで折れないしなやかでしたたかな柳。
どんな嵐に翻弄されてもなにがなんでも大地にしがみつく。
今思うとそんなヤスだったかなぁ。
どちらも愛情の裏返し。愛情を求めて求めてそれでもなかなか得られないことへの苛立ちが爆発したもの。
どれほどその愛は深かったのだろう。どれほど追い求めていたのだろう。
当時の彼はSMAPの中ではまだブレイクしておらず、
TOPアイドルグループの一員でありながら、
いやだからこそ満足できない何かを抱えていたような気がする。
そんな彼だったからこそ生まれた、生み出すことの出来たヤス。
演出家が、このヤスだから物語がどんどんどんどん生まれてくると、
筆がかってに進んでいくと、そんなようなことを語っていた記憶がある。
クサナギツヨシは、褒められるということにものすごく敏感な役者だ。
『蒲田行進曲』
で つかこうへい氏
に最大級に褒められた時の誇らしげな笑顔。
そしてことあるごとにそのうれしさを言葉にしてきた。
今回、パンフの対談でもやはり 堤氏
と 古田氏
に褒められた事に
実に素直に喜びを表している。
そこに謙遜はない。ただただ素直な喜びがある。
それがスゴイ。
そこがコワイ。
かつてつか氏が言った言葉がある。
『彼は腹に魔物を飼っている』
その魔物は今どうしているのだろうか。
久々の舞台の上のクサナギツヨシに感動と満足に浸りながらも、
ふとそこへ想いを馳せたら寒気がしてきた。
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