日々不満を聞いた。
僕の中目黒店も大変だった。
そこには、
凄い体力と精神力の持ち主がいた。
平田さんという先輩だ。
山に登ることが趣味だというその先輩からは、
どんなに頑張っても
まだまだだと言って怒られた。
職人気質
のこの先輩から 学んだことも多い。
「今日の売上はどうだった?」
「20万です」
「なんだその売上は!!20万しか売れねえなら女のケツでも追いかけてろ!!」
「女のケツを追いかけるなら40万売れ!!」
「いらっしゃいませって口先で言うヤツがいるかぁ!!
ハートだろ、それじゃあ伝わんねーだろが」
「明日の天気はどうだ?予想もできねーようじゃ仕入れはできねーな」
「疲れたなんて言ってんじゃねえぞ、這いつくばっても出てこいよ」
来る日も来る日も大きな声で怒鳴られた。
めずらしく弱気になった。
家に帰ると・・
母が倒れていた。
救急車を呼んだが息は無かった。
くも膜下であっけなく逝ってしまった。
父の後を追うように亡くなってしまったのだ。
まだ48歳だった。
僕の人生を見届けてくれる親はもういない!
何がどこにあるのかもわからない!相談もすることができない!
仕事が終わり家に帰ると真っ暗で、 自分で明かりをつけ
、線香を立てた。
帰ると家の明かりはついているものだった、日常の幸せにこの時、初めて気付いた。
葬儀の後も心にぽっかりと穴が空いたまま、しばらく仕事をしていた。
仕事に復帰
したが ミスが多い
。怒鳴られる日々が続いていた。
この先輩は有言実行だった。言うだけの実力を持っていた。
この先輩は今どうしているのだろう?
会えるならばお会いしたい。
ある日僕は衣料品に異動が決まった。
先輩が言った。
「お前は上から買われている、頑張れよ」
初めて聞く 優しい声
これだけが褒め言葉だった、
涙が流れた。
同期からの電話は続いていたが、
ここはまだまだたくさんの勉強ができる、
目先の仕事で不満を持つより、目標はその先にある。
そう思った。
《続く》
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