ら組三番町大安売屋碧眼の魔術士

スローなブギにしてくれ

2004/03/13 スローなブギにしてくれ


ゆっくりいこう、ということを語っていたかのように見えて実は違う。

年代のまったく違う者が、互いに絡み合うことの意味を考えていたら思い出した。

原題の作品は「白いムスタングに乗った中年の男」、
「彼に拾われ捨てられる野良猫のような少女」
そして、「奇妙ないきさつで彼女を拾うことになる青年」
この3人が絡み合いながら展開する、優しく、そして少し哀しい物語だ。

片岡義男の原作による短編小説は少女と青年がタイトルロールである。

ところが70年代青春映画の鬼才、藤田敏八が、
まだ高校生だった浅野温子のデビュー作、初演映画として撮ったら、
視点は中年男の方へと向けられていた。

いい年していまだ青春に決別できない中年のいらだちや空しさが、
今見ても(というか、自分がその年代に入ったせいか)特にひしひしと伝わってくる。

ロリコンとかショタコンじゃないんだな。

若さを持ったやつに惹かれるんじゃない。
自分が失ったもの、自分がかつて持っていたものを相手の中に見ちまうのだ。

まぁ、なかなかやっかいなことだよ。


余談ながら、映画が公開されてからしばらくの間、
小学生で今の身長だった自分は何処を歩いていても浅野温子本人と間違えられた。

一度なんか否定しないままサインしたことがあるんだが、
ごめんよ・・・もう時効だから許してくれるかなぁ。

(ああ、年代がバレバレやんw)



で、映画の主題歌ともなっていた同タイトルの南佳孝の歌がまたいい。
クロノスやっていると『人生はゲーム』ってあたりを、また考えさせられるよ。


Want you 俺の肩を抱きしめてくれ
生き急いだ男の
夢を憐れんで

Want you 焦らずに知り合いたいね
マッチひとつ摺って
顔を見せてくれ

人生はゲーム
誰れも自分を
愛しているだけの
悲しいゲームさ


Want you 弱いとこを見せちまったね
強いジンのせいさ
おまえが欲しい

人生はゲーム
互いの傷を
慰め合えれば
答えはいらない

Want you want you 俺の肩を抱きしめてくれ
理由なんかないさ
おまえが欲しい



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